北京五輪閉幕 お金かければメダル増 景気後退、細る資金 ロンドンへ課題
■国の補助拡充は期待薄/看板選手引退ならスポンサー離れ
世界中を熱狂させた北京五輪が24日閉幕した。日本の獲得メダルは金9個を含む25個で、前回アテネの金16個を含む37個から大きく減った。国家予算を惜しみなく投入し、米国を抜いて金メダル大国に躍り出た中国をみるまでもなく、「メダルの数はお金と比例する」というのが、世界の常識だ。4年後のロンドンに向け、トップ選手の世代交代期と重なる日本は資金面でも多くの課題を抱えている。
「スポーツに対するお金のかけ方にほぼ比例している。日本のメダル数も順当なところではないか」
日本スポーツエージェントの古屋博史代表は、北京五輪をこう総括する。
アテネでのメダルラッシュを受け、中国ほどではないにせよ、日本も北京に向けそれなりの資金を投じた。
日本オリンピック委員会(JOC)を通じ、国から補助される選手強化費はアテネの04年度は約16億円だったが、07年度は約21億円、08年度は約26億円まで増えた。
メダリストたちのCM出演など肖像権を管理しスポンサーを募るJOCの「シンボルアスリート」制度も、アテネ後に28社まで増え、4年間で80億円超の収入を得た。この資金はトップ選手のほか、競技団体にも強化費として分配された。
北京五輪に向けた最大の投資が、国が総工費374億円をかけて東京都北区に建設し、今年1月にオープンした「ナショナルトレーニングセンター(NTC)」だ。
各競技の専用練習場を備えた屋内トレーニングセンターや陸上トレーニング場、宿泊施設を持ち、隣接する国立スポーツ科学センター(JISS)と連携し、スポーツ科学や医学を取り入れた効果的なトレーニングを行うことができる。
NTCでは、アテネで食事の違いからコンディションを崩す選手が出たことから、北京の選手村の食事を想定したメニューを提供する「他国では聞いたことがない」(NTC事務所の宮部行範主事)という対策も試みている。
JISSで集中的にトレーニングを積んだフェンシングの太田雄貴選手が同種目で日本人初のメダルを獲得するなど、NTCは一定の成果を上げた。
もっとも、北京の個人金メダリストは、柔道男子100キロ超級の石井慧(さとし)選手を除けば、すべてがアテネと同じ顔ぶれで、「アテネの遺産」(関係者)との声も多い。
2大会連続2冠の北島康介選手(日本コカ・コーラ)の引退が取りざたされているようにピークを過ぎ、4年後を期待するのは酷という選手が多い。悲願の金を獲得したソフトボールはロンドンで種目からなくなってしまう。
選手強化で世代交代を図るためにも、これまで以上の資金が必要となる。
ところが、国の補助金の増額は景気後退で税収が減り、財政悪化に拍車がかかるなか、期待できそうもない。
スポンサーからの収入も看板選手の引退が相次げば、目減りが避けられないうえ、景気後退は、企業の懐具合にも影を落とし始めている。90年代後半から00年代初めにかけての不況では、企業の運動部の廃止が相次ぎ、民間企業がアマチュアスポーツを支えるというシステムはすでに大きく揺らいでいる。
「中国や米国、ロシアなどの選手には、競技だけに打ち込んできたと思える力強さを感じた。日本の選手も生活の心配をすることなく、競技に集中できる環境を整えないとメダルは増えない」
古屋代表は、トップアスリートたちを支える環境整備の必要性を訴える。
日本は4年後に向け、「メダル数とお金は比例する」というシビアな現実を改めて突き付けられることになりそうだ。(佐竹一秀)
(Yahoo!ニュース-フジサンケイ ビジネスアイ8月25日8時39分)
「メダル数とお金は比例する」ですか・・・
確かに、今回の開催国中国のメダル数はダントツでしたね。開催国としてのメンツや国威発揚という点で意地でも金メダル数はトップにこだわったのだと思いますが、それにしても金メダル51個って取り過ぎ(笑)
中国は五輪開催に400億ドル以上を投じたらしいのですが、その内訳がどういうものであるかはともかく、ちょっと日本は真似できないですね。
五輪期間中に見たニュースの中に、『北京五輪の豪州競泳チームの男性コーチが、選手の訓練方法を記した独自「マニュアル」を中国競泳コーチに高値“販売”し、女子200メートルバタフライで中国コーチの教え子が 大本命だった豪選手を破り金メダルを獲得したため、「裏切り行為だ」との声も上がっている』というものがありました。
このコーチは、「彼ら(中国)は金に糸目を付けない。国家チームコーチの給与は安いし、私にも生活がある」と釈明したそうです。
優秀なコーチが各国に引き抜かれることは今や当たり前ですが、この男性コーチの場合は現在豪州でコーチをやっているのに中国にも教えているのが問題です。金額は明かさなかったようですが、かなりの報酬を得たのではないでしょうか。中国のメダル獲得への執念は凄まじいものがあります。
「メダル数とお金は比例する」ことがある程度証明されているとなると、国家間の格差問題になってしまいますね。何だか「東大生の親の半数は950万円以上の年収だ」という話を思い出してしまいました。「もはや高収入の親を持つ子どもしか東京大学に合格することはできない」という話です。どこか似てませんか?
本当は「参加することに意義がある」というオリンピックの精神に戻ればよいのですが、メダル獲得数を国威に結び付けようとする国は多いですし、また、ロサンゼルスオリンピック以降定着してしまった商業主義を変えることはなかなか難しいです。
先日あるテレビ番組で、次のようなことを聞いてなるほどと思いました。
「中国の選手は選ばれたエリート選手で、金メダルのために惜しみなくお金をかけて育てられるけれども、それが中国の一般国民のスポーツ振興に結びついていない。結局、国民に根付いていないスポーツは、国がエリート選手に金をかけなくなった途端に崩壊する。以前の東欧諸国がそのパターンで、今ではまったく金メダルを取れなくなってしまった」
正確な言い回しは覚えていないのですが趣旨はこんなようなことだったと思います。確か、語っていたのはスポーツジャーナリストの二宮清純氏だったと思います。
確かにそうですね。一部のエリートが金メダルを取るためだけのスポーツなんて意味無いですもの。その点、日本は野球もサッカーもマラソンも国民的スポーツです。
今回なぜかこれらの競技でまったくメダルを取れなかったのですが、これはお金の問題ではなく、単に実力が無かったことと自己管理の甘さ、さらに精神的な弱さにあったのだと思います。
そのあたりのことは麻生千晶氏が「こちらのコラム」でバッサリ斬ってますけど・・・
(リンク消えてたらごめんなさい)
選手の活躍する姿は国民に夢や感動を与えてくれます。しかし、参加するだけではなく、メダルも欲しいのは本音ですよね。あのイギリスでさえもロンドン五輪に向けて今回強化した結果、金メダル19個を獲得。かなりの成果を挙げたと言えます。
日本も東京へ五輪招致をしているのですから、ある程度強化する必要はあると思いますが、中国のようにやる必要はないでしょう。(って言うか日本にはできません)
なかなか難しい問題ですが、勝てそうな種目を選別して効率的な資金投入をすることと同時に、フェンシングに限りませんが、新たな可能性がある種目を選別して国民への認知度、体験度を上げていくことも必要だと思います。
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