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2021年3月20日 (土)

停滞する日本と結婚難の日本人男性

古い雑誌を処分する前に一通り読んでみたところ、気になる記事がありましたので一部引用します。

国際結婚から見える経済的地位の低下
結婚難の日本人男性
中央大学文学部教授 山田昌弘

(中略)日本人女性が海外へ
 外国人男性と日本人女性が海外で結婚をするケースは増え続けている。近年では、毎年約9000件ある。現地で結婚届を出しても日本公館に届けないケースも多いので、実際にはもっと多いと推定されている。
 従来は、日本人女性の国際結婚の相手は、国内外とも欧米人男性が典型だった。しかし、近年、アジア人男性と結婚し、アジアで暮らす日本人女性が急増している。トルコ、タイ、香港、シンガポールの国際結婚カップルを開内文乃氏と一緒に調査しているが、そこで見いだされるのは「成長するアジア諸国」と「停滞する日本」の姿である。
日本人女性は、結婚するためにアジアへ行ったわけではない。日本ではまだまだ女性への差別的慣行が残っている。仕事を辞めた女性は就職しにくく、子どもを育てながら働く環境は整っていない。生きにくさを感じた意欲ある女性が、留学や活躍の場を求めて海外に出て行く。
 そこで、元気なアジア人男性と出会う。雇用不安と収入低下で萎縮する日本人の未婚男性と比較して、アジアの若いエリート男性は収入もあり自信がある。そのような積極的な男性に引かれて恋愛結婚する。バンコク、香港などアジアのグローバル都市では、女性が子育てをしながら仕事をする環境が日本と比べてはるかに整っている。エリートである夫の収入は、同年代の日本人男性より高いことが多い。彼女たちは、日本ではなかなか実現できない豊かな家族生活と仕事でのキャリアを両方手に入れているのだ。
 国際結婚のあり方は多様である。しかし、日本人男性の国際結婚の減少、海外での日本人女性の国際結婚の増大の要因が「日本の経済停滞」と「日本社会における女性差別慣行」にあるのなら、このままでいいわけはない。そして、私はこの二つの要因がつながっていると思えてならないのだ。
(週刊東洋経済2012年6月30日号 THE COMPASS)

山田先生は社会学者で家族学を研究されている方です。記事の前半では、アジア人女性にとって経済が停滞している日本の男性より、若者の経済力が上昇している新興国の男性の方が魅力的に映るということが書かれています。

実際に日本人男性と外国人女性との結婚は2006年の3万5993件がピークで減少に転じており、中国、フィリピン、ベトナムなどのアジア人花嫁にとって、もはや日本人男性は選択肢に無いということなのでしょう。

9年ほど前に書かれたこの記事と現在の日本の状況がほとんど変わっていないことに私は驚きましたが、森喜朗氏の発言にみられるような無意識の「日本社会における女性差別慣行」がまかり通っているうちは、日本の国際的な魅力は低下し続けると思います。

 

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