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2013年2月 8日 (金)

破綻寸前の米郵政公社

米郵政公社、8月までに土曜の普通郵便配達打ち切り

米郵政公社(USPS)は6日、8月までに土曜日の第一種郵便(普通郵便)の配達を打ち切るとの計画を明らかにした。昨年度に約160億ドルの損失を計上したことを受け、コスト削減の一環としての措置という。
USPSによると、サービス停止により年間20億ドル程度のコストが削減できる。小包配達は継続し、営業時間も変更なしという。
USPSは、将来の退職者向けの医療関連手当てが財政を圧迫、さらに、電子メール普及によるサービス利用減もあって、ここ数年は毎年多額の損失を計上している。
ドナヒュー総裁は声明で「USPSは、小包配達の需要増と、米国における郵便利用傾向の変化に伴う財務上の現実に対応するため、配達に対して重要かつ新たなアプローチを進めていく」と述べた。
USPSは昨年、法律で定められた借り入れ上限を突破。必要な連邦政府への支払いが2度、不履行となっている。
(Yahoo!ニュース-ロイター2月7日(木)11時31分)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130207-00000062-reut-bus_all

米郵政公社は、慢性的な赤字で破綻寸前です。そうなってしまった原因は、電子メールの普及や景気後退による企業のダイレクトメールの削減、また、フェデックスなどの民間企業との競争に勝てなくなったというもので、その点は日本と似ています。

更に、郵政公社には週6日の集配業務が課されており、それを変えるにはいちいち議院の委員会の承認が必要だといった具合に、経営改善の見直しが自由にできません。また、経営の多角化を図るといった改善策も、民業を圧迫するとの理由で厳しく制限されています。

そういう事情がある一方、人件費に占める割合は売上の8割に上っています。労働組合との解雇禁止協定があること、また、健康保険の条件が他の公務員よりも好条件であることがその理由です。こんな硬直した状態で改革ができるはずがありません。

それでもドナヒュー総裁は、以前からいろいろな改革を考えていました。
・集配業務を週5日とする
・効率の悪い郵便局の閉鎖
・人員の約4割削減
といったものですが、どれも実現は大変難しいものです。

今回の改善計画のような、土曜の普通郵便配達打ち切りや郵便局の閉鎖は議会が抵抗しています。農村地域選出議員の中には、地元選挙区の郵便局が閉鎖されることに反対の議員もいます。これは民主党にも共和党にも共通の問題です。
また、郵政公社は常勤だけで55万人以上いると言われており労組の力が非常に強く、人員削減計画は組合との合意が非常に困難です。

何か日本よりひどい状態のように思えますが、日本は銀行業や保険業などの黒字部門が手数料という名目で窓口業務を行う郵便局の赤字を事実上補てんしている状態なので、米国との単純比較はできません。
つまり、郵政金融2社がなければ郵便局が成り立たない日本は非効率な郵便局や業務を温存しているだけかもしれないのです。銀行業や保険業については未だに完全民営化されていないので民業圧迫との批判もあります。

破綻寸前に追い込まれている米国の郵政公社の方が、国民の目に分かりやすいので、ある意味健全なのかなと思います。
日本も一度郵便業務が破綻してしまえば、郵政民営化の必要性がより明確になったのかもしれません。
いずれにしても、米国の問題解決は容易ではないようです。

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