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2010年4月 6日 (火)

開かれた官邸に複雑な思い

焼きそば名人…お味は!? 官邸で「リアル鳩カフェ」

 鳩山由紀夫首相は4日、首相ブログの読者を首相官邸に招いて対話する「リアル鳩カフェ」を開いた。2月に続き2回目。農家や料理研究者ら9人が参加し、「食と農」をテーマに熱い議論を繰り広げた。
 首相は対話に先立ち、官邸の庭でバーベキュー大会を開催し、自ら焼きそばを取り分けて気さくさをアピール。参加者は赤、黄、緑、青、紫の派手な色使いの長袖シャツで登場した首相にびっくり。「さすがだ」「ファンサービスの意識がある」と驚きの声を上げていた
(Yahoo!ニュース-産経新聞4月5日7時56分)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100405-00000052-san-pol

ニュース番組をボーッと見ていたら、鳩山さんがド派手なシャツを着て焼きそばを取り分けている映像が流れてびっくりしました。シャツが派手なのはいつものことなので、驚いたのはそのことではありません。驚いたのは、それが首相官邸で行われた「リアル鳩カフェ」だったからです。

もちろん、鳩山さんが始めたこの企画のことは知っていますが、第1回の「リアル鳩カフェ」はついこの前やったばかりのような気がしたので、『ずいぶん頻繁にやるんだな・・・』と思ったわけです。

鳩山さんは『開かれた官邸』を目指しているようなので、これからも一般の方をどんどん官邸に招き入れると思いますが、新官邸の歴史を知っている私としてはちょっと複雑な気分。入りたくても入れなかった私としては、こういう状況を喜ぶべきなのかどうかちょっと迷います。

私は小泉内閣の頃、官邸のメールマガジンに寄稿された曾野綾子氏の考えに賛同して『もっと官邸を国民に公開するように』と官邸にメールを送ったことがあります。
以下、メールマガジンより曾野綾子氏の寄稿文を引用します。

[特別寄稿]
総理と官邸(教育改革国民会議委員 曾野綾子)

 日本人があまり考えたこともなく、マスコミもあまり言わないが、新しくできた、と言われる総理官邸ほど不思議なものはない。理由は、一般の国民は誰も見たことがない、ということである。
 確かに幾つかの週刊誌で、その一部の写真は公開された。しかし私は東京に住み、私の職場は総理官邸のごく近くにあるのだが、官邸の前の道路は一般の車に対しては封鎖されているので、総理官邸の建物の一部さえ、ちらとも見る機会がないのである。裏側からちらと見える角度はあるそうだが・・・
 もちろんこれは総理の責任ではない。それだけの建物ができるまでには、長い年月がかかっている筈だから、最初の企画者たちが案を練り発注したのである。しかし一般の国民は、建物がだめならせめてその前を自然に通りかかることがあって門だけでも見ることができることは必要だろう。皮肉を言えば、総理官邸というものは多分あるのだろうが、実証的な小説家である私は、見たことがない以上その存在を信じないことにしようと思っている。
 世界中の首相官邸とか大統領府とかいうものは、直接関係のない人でも一部は見ることができるものである。ダウニング街十番地という名で通る英国の首相官邸は、写真で見る限り普通の家のようである。アメリカの大統領官邸はよく知っている。近づいたことさえないのだが、アメリカ映画でさんざんあの楕円形の執務室が出て来るから、知っているような気分になれるのである。
 皇居も自然林の中だが、二重橋という抽象的な姿で国民の眼にふれる。しかし総理官邸だけは全くわからない。つまり顔がないのである。
 安全を考えたのかもしれないが、それなら広大な地下壕でよかったのではないか。去年の9月11日のテロ以来、確かに要人警護は困難な仕事になった。しかし、一国の総理のいる場所を国民が全く見られない、ということは異常であるし、政治の基本姿勢と関係があるだろう。
 警護に当る警察には申し訳ないことだが、一国を指揮する人のいる場所は、いかなる危険に遭おうとも、毅然として人の眼にふれていなければならない。
そこに国旗がはためき、観光バスが停まり、人々がその前で記念写真を撮れるようになっていなければならない。それでこそ、総理という人は多分生命を賭して国家を担っているのだろう、と実感できるのである。
 ヒットラーの最期は、ベルリンの地下壕の中であった。
(小泉内閣メールマガジン第73号2002/12/05より引用)
http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2002/1205.html

私は小泉内閣の頃は何度も官邸にご意見を送信していましたが、膨大なご意見が届くためか官邸からの返信は常に『ご意見ありがとうございました。』というような定型文ばかり。しかし、この曾野氏のご意見に関する官邸からの返答はいつもの定型文ではなく丁寧な内容でした。

詳しくは覚えていないのですが、ひと言で言えば『警備の都合上一般の方には公開できない』ということ。9.11テロから間が無かった時期ということもあり、私も仕方がないことだと納得した覚えがあります。その後の自民党内閣においても一部の例外を除いて基本的にこの方針は守られてきたようです。

ところが最近、この「リアル鳩カフェ」以外でちょっと驚いたことがありました。ネット上で何かを検索していた時、ある民主党議員さんのサイトで、ご自分の支持者と官邸内で記念写真を撮ったものを見たのです。こういうことは今では普通なのでしょうか?

かつて官邸に意見を送った私としては、こうして官邸が公開されることがうれしいはずなのに、どうも素直に喜べませんでした。やはり国会議事堂とは違って官邸は機密の塊のようなところなので、あまり簡単に一般人は入れない方が良いような気がするのです。

その代わり、英国の首相官邸のように外側から普通に覗くことが出来、自由に写真も取れる程度にはして欲しいとは思います。(日本だと警護の方に職務質問を受ける可能性が高い)
まぁ、鳩山さんの奥さんがご贔屓の韓流スターを自由に公邸に招き入れているようなので、国民に対して厳しいことは言えないのかもしれませんね。

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