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2009年12月 4日 (金)

谷垣自民党総裁に求めるもの

自民党改革で10項目要請 参院若手議員17人

 2007年の参院選で初当選した17人の自民党議員で構成する「一七会」(会長・中山恭子元首相補佐官)が2日、谷垣禎一総裁に、若返りや影の内閣の設置など10項目の党改革を申し入れた。記者会見した礒崎陽輔参院議員は衆院選で落選したベテランの参院へのくら替えについて「若い自民党をつくっていかなければだめだ。それに反することはやるべきではない」と批判した。
(NIKKEI NET(日経ネット)2009年12月3日23:39)

自民党の再生が遅れている原因はいくつもあると思いますが、未だに野党に転落したという危機感が無く、旧態依然とした体質が残っていることも一つの原因ではないでしょうか。それが最もはっきりとした形として表れるのは来年夏の参院選候補者の選定だと思います。
このニュースに見られるように、衆院選の落選議員(特にベテラン議員)が安易に参院へくら替えすることは相当慎重に検討しないと自民党は惨憺たる選挙結果になると予測します。

この申し出をしたのは2007年の参院選で勝ち抜いてきた議員達。あれは自民党が壊滅的な打撃を受けた安倍政権時の選挙でした。あの厳しい選挙を勝ち抜いてきた議員達の言葉は執行部も重く受け止めて欲しいです。

小泉政権後の初めての選挙でなぜこれほど負けてしまったのでしょうか。私は当時の安倍首相が郵政造反議員を復党させたのがすべての始まりだったと何度も書きました。それに関連して直近の竹中平蔵氏のインタビューがありましたので紹介したいと思います。

―――安倍政権が成立した2006年秋に私は『国民をつかめる議題を持たなくてはならない』という点を力説した。そうすれば改革で損をする既得権勢力が強く反発し、合わせてその改革の支持勢力も強く浮上することになる。この支持勢力が改革のモメンタムを創出し、改革を主導することになるためだ。しかし安倍政権周辺の人たちは『安倍はまだ若いので長く執権しなくてはならない。竹中の話す挑発的な議題で乱れを起こすべきではない』と助言した。結局彼の公約は“美しい日本を作ろう”という曖昧でだれも気分を悪くしないものだった。いったい中身がなんだったのか。安倍政権を支えた人たちはとても弱気だった。彼らは改革推進に伴うリスクや摩擦を避けようとした。
2006年12月に重要な事件が起きた。安倍首相が小泉改革に反対していた人たちを“歓迎”し受け入れることを決めたのだ。もちろんわれわれ(小泉氏や竹中氏)は反対した。これが自民党政権が推進してきた改革のモメンタム喪失のスタート点だった。―――
(中央日報- 【Close-up】「自民党の没落は抵抗恐れ改革あきらめたせい」より引用)

「自民党の没落は抵抗恐れ改革あきらめたせい」(1)
「自民党の没落は抵抗恐れ改革あきらめたせい」(2)
インタビュー全文は上記リンク先をお読み下さい。

竹中氏は「安倍政権周辺の人たち」というやや遠まわしな言い方をしていますが、やはり安倍氏本人に改革に対する強い意志が無かったことが原因でしょう。彼は何と言っても最高権力者の首相だったのですから。

小泉元首相が以前、「国民に対して大きなテーマを示す。大きな反対があるテーマの裏側には必ず強烈な賛成があるのだ」という意味のことをおっしゃっていたと思います。構造改革は既得権益に手を突っ込むので大きな反対があって当たり前。それに立ち向かう勇気ある姿勢を改革の支持勢力は強烈に支持するのですからリーダーには決断力が必要なのです。

自民党の谷垣総裁は今のところ強烈なテーマを打ち出す姿勢がみられません。郵政問題については党内で議論することさえ避けているように見えますし、鳩山首相や小沢幹事長の偽装献金に対しても、自民党内の鳩山邦夫氏や二階俊博氏に同様な疑いがあるため腰砕けに終わっているようです。

これでは積極的に自民党を支持しようという有権者は少ないでしょう。「みんなでやろうぜ」という言葉自体対立を避けているようにみえますし、これは竹中氏の言うように「美しい日本を作ろう」と同じくらい曖昧なものです。

谷垣総裁には郵政問題では審議拒否をするのではなく委員会や本会議できちんと反対意見を述べて欲しかったですね。その上で決議では反対する。造反議員は処分する。そういう勇気と決断力を持って欲しかったです。その結果党内に亀裂を生じても、むしろそういう決断ができる自民党を支持する国民の方が多いような気がします。

参院選候補者も、勝てそうも無い候補者は総裁権限で差し替えるくらいの決断をしなければ『自民党よりはまし』と思っている消極的民主党支持者さえ取り戻すことは難しいのではないでしょうか。谷垣総裁には決断力とリスクを恐れない勇気を持って欲しいと思っています。

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コメント

ここぞという所で決断から逃げるリーダーに、重要な問題を任せたくないというのは、一般社会でもよく見られることだと思うんですけどねえ・・・

投稿: M・M | 2009年12月 5日 (土) 09時05分

>M・Mさま
こんにちは。
ネットで『優れたリーダーの条件』を検索すると1.明確なビジョンを持っている2.決断力がある3.言動と行動が首尾一貫し、信用・信頼がある4.意思が強く、簡単に揺らぐことはない5.リスクを恐れない勇気がある6.率直で単純なメッセージを発する7.問題に悩まされず、集中して目的達成に突き進む8.誰にでもわかりやすく伝える高いコミュニケーション能力を持っている9.人を魅了するカリスマ性がある10.部下を感動させ心で動かす。とありました。全部を備えたリーダーはなかなかいないと思いますが、小泉さんはかなり理想に近い人だったと思います。

投稿: minori | 2009年12月 5日 (土) 10時18分

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