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2009年9月30日 (水)

居酒屋ではしゃぐ首相

<鳩山首相>居酒屋の窓開け「宇宙人ですから」

政界の常識にとらわれないため「宇宙人」とのあだ名もある鳩山由紀夫首相が29日夜、自らを「宇宙人」と称する一幕があった。この日、首相は東京都渋谷区の居酒屋で、火星探査計画に協力する惑星科学者、松井孝典氏らと懇談。居酒屋の2階の窓を突然開け、通行人らに「これ、火星儀。宇宙人ですから」と笑顔ではしゃいだ。火星儀は松井氏からのプレゼント。【狩野智彦】
(Yahoo!ニュース-毎日新聞9月30日0時7分)

「日本は日本人だけの国じゃない。宇宙人のものでもある」
なんて本当に言いそうな雰囲気。
それにしても、ずいぶん余裕ありますね~
そういえば国会開いてないし・・・
これが麻生さんだったら滅茶苦茶叩かれたんだろうな~
はしゃいでいるのはいいのですが、首相に就任してから外国に行く予定ばかり入っていて、一体いつ臨時国会を開くのかなぁと思っています。
所信表明演説もまだですよね。
委員会での野党自民党との論戦も楽しみなんですが。
と言っても、その自民党の方も何だか頼りないんですけどね。
まぁとにかく早く国会開いて下さい。

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2009年9月29日 (火)

自民党総裁選、票の内訳

自民党総裁選、票の内訳は以下の通り。

谷垣禎一:300票(議員票120票、地方票180票)
河野太郎:144票(議員票 35票、地方票109票)
西村康稔: 54票(議員票 43票、地方票 11票)

この結果、予想通り谷垣氏が新総裁に決定したわけですが、この票の内訳を見ると面白いなと思います。

河野氏は地方票で100票を越える健闘をしているのに対し、西村氏はたったの11票しか獲得できませんでした。その貴重な11票の内訳は、兵庫県3票、石川県、宮崎県が各2票、茨城県、東京都、山口県、沖縄県が各1票です。

兵庫県は西村氏の地元ですから当然として、石川県は森元総理、山口県は安倍元総理の働きかけがあったから獲得できた票だと思います。それより深刻なのは、地元兵庫県の持ち票8票のうち、谷垣氏に3票、河野氏に2票獲得されており、地元ですら圧倒的な強さを見せることができなかったこと。これは今回の立候補が地元でもそれほど支持されていなかったことを示しています。

一方、河野氏は谷垣氏ほどではありませんが全国で満遍なく票を集めており、まったく票を獲得できなかったのは京都府と高知県のみです。京都府は谷垣氏の地元ですから仕方ありませんね。地元の神奈川県では持ち票9票のうち7票獲得し、残り2票は谷垣氏と圧倒的。西村氏は1票も取れませんでした。

こうして地方票だけを見ていくと西村氏がいかに支持されていないかがわかるのですが、これが国会議員票となると不思議な現象が見られます。なんと西村氏が河野氏を8票も上回り、河野氏を抑えて第2位。これは何を意味しているのでしょうか。

西村氏の獲得票の約8割が議員票であるのに対して、河野氏は獲得票の8割弱が地方票です。この逆転現象は、派閥や長老議員の影響力が党内では相当強いということではないでしょうか。河野、西村両氏のみを比較すると自民党の抱えている問題がかなり深刻だなと思います。

それにしても谷垣氏は強かった。やはり自民党員は急激な変化を嫌ったということでしょうか。温和な印象の谷垣氏は誰からも好かれる人だと思いますが、それは誰からも嫌われないかわりに、圧倒的な支持も得られないということです。

私は一部の自民党支持者を斬って捨てても強烈なメッセージを発信できる総裁を望んでおりましたので今回の結果は少し残念です。河野氏が今後どういう行動を起こすのか注目しています。

(都道府県党員票内訳は自民党サイトを参照させていただきました。)

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2009年9月27日 (日)

安倍氏は西村氏を支持

自民党総裁選はほとんどテレビで報道されていませんね。野党党首の選挙なので仕方がないのかもしれません。今日は党員投票の締切日、明日は議員票の投票とすべての票の開票を行う日程なので、もうここで何を言っても仕方がないのかもしれませんが少しだけ書きます。

安倍晋三元首相は自民党総裁選候補者のうち西村康稔氏を支持すると明言しました。
これはご自身のホームページ上で公開されています。以下その部分を引用します。

自民党総裁選 西村氏を支持

今回の自民党総裁選、私は西村康稔議員を支持します。
私が重視するのは外交、安保、教育政策ですが、彼は私が進めた主張する外交路線の支持者であります。
私が幹事長代理のとき、インドを訪問した際、同行し、日印グローバルパートナーシップ関係の基礎作りを手伝ってくれました。
この訪問は総理時代の日、印、豪、米関係の関係の緊密化、価値観外交の展開につながってゆきました。
教育についても教育再生推進派であり、また外国人地方参政権、危険な人権擁護法案、夫婦別姓等には反対を表明しており、しっかりとした保守派の候補です。
河野氏には党改革へむけた突破力も期待できますが、保守の理念のはっきりした西村氏に投票する事にいたしました。
(安倍晋三メールマガジン2009年9月24日)
http://www.s-abe.or.jp/topics/mailmagazin/090924.html

西村氏の総裁選出馬は、長老議員が仕組んだ河野太郎氏への妨害工作であることは衆目の一致するところですから、安倍氏は事実上谷垣禎一氏を支持するということでしょう。

やはり安倍氏は構造改革路線をどうしても支持できなかったということがわかりました。
郵政造反議員を復党させたのは参院のドンといわれた青木幹雄氏の圧力があったからだと言われましたが、造反議員にいわゆる真正保守派と呼ばれる議員が多かったことから、安倍氏自ら望んでいたのは間違いないと確信しました。

安倍氏は『保守の理念のはっきりした西村氏に投票する事にいたしました』と述べていますが、保守の理念って何でしょう?

保守といっても非常に幅広く、安倍氏らの自称真正保守と呼ばれる人たちだけが保守ではないはずです。私は構造改革派で自分は保守だと思っていますが、憲法違反の外国人地方参政権に反対していますし、それは言うまでもないことです。国旗を敬うことも当然ですし、靖国参拝もします。それでも安倍氏や麻生氏にしてみれば、構造改革を重視する私は保守じゃないのかもしれません。

恐らく私と彼らとは優先順位が違うのだと思います。事実、上記安倍氏の文章を読むと、外交、安保、教育という言葉は出てきますが、経済対策については何も触れていません。もちろん、私も国あってこその内政だとは思いますが、それにしても経済問題に何も触れていないというのも不思議な気がします。

総選挙の終盤に民主党の国旗切り裂き事件がありましたが、私はそのことに固執した麻生首相に少し違和感を持ちました。保守政党として主張すべきところはそういうナショナリズムを刺激することではないだろうと。

国民は生活を何とかして欲しい、経済を立て直して欲しいと願っている。その時に民主党に対抗できる対立軸を示すことが一番重要だったのではないでしょうか。それは国旗を敬うことより優先すべきことだったと言う思いです。

自称真正保守の方々は、靖国、靖国と騒ぐならば、終戦記念日でなくとも曲がりなりにも一年に一回参拝を続けていた小泉氏のことはどう評価するのでしょう。安倍氏は首相在任中、一度も参拝できなかったというのに。また、安倍氏が河野太郎氏の考えを何も知らずに一方的に西村氏支持を表明していることにも失望しています。

安倍氏や麻生氏は幅広い考えを持つ保守層を真っ二つに分断してしまいました。その結果、民主党の出してくる危険な法案に反対できる勢力を保つことができなくなっています。厳しいようですが、安倍氏の責任は大きいと思っています。

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鳩山夫人のファッション

Mhatoyama4 今回、鳩山首相と共に米国を訪れた幸夫人も本格的な外交デビューを果たされましたが、幸さんのファッションってあちらではどんな風に評価されたのでしょう?

あのお洋服はコシノヒロコさんのものだと聞きましたが全部そうなのかな?

ネットでいくつか画像を見ましたが、想像していたよりも普通のファッションだったような気がします。

実はもっと奇抜なファッションで登場するかなと思っていましたので…

Mhatoyama2 バルーンスカートがお好きなようですが、あれはどうなのかな。

ゴールドのジャケットとかも。

画像載せておきましたが、これゴールドですよね?

シャンパンゴールドなら結構好きですが。

Mhatoyama3 気になったのは白っぽいストッキング。

比較として仏大統領夫人のカーラ・ブルーニさんの画像を載せておきましたが、彼女はディナーの時のワンピースもすごく素敵で私は一番好きだなぁ。

まぁ、カーラさんはファッションモデルで歌手でもあるから、そもそも幸夫人と比較してはいけないのかも。

それから、オバマ大統領夫人のミシェルさんと並んでいる時に持っていらっしゃったバッグもちょっとああいう時に持つにしては大きすぎるような感じ。

Mhatoyama5_2 ニュースで見た時、あまりに大きく見えたので帽子だと思ってしまいました。

ファッション専門家の意見がどうだったのか知りませんが、とりあえず想像していたよりは無難に外交デビューされたんじゃないでしょうか。

Miyukicarla

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2009年9月25日 (金)

首相のビジュアル的パワー

鳩山首相CO2演説、ヨーロッパで「惨敗」

22日、鳩山由紀夫首相がニューヨークの国連気候変動サミットで温室効果ガス25%削減を表明し、日本では「世界に発信」といった見出しとともに大きく報道されたが、ヨーロッパの主要テレビ局で鳩山氏を詳しく採り上げたところは見られなかった。
フランスの「フランス2」、イタリアの「RAI」、イギリスの「BBC」、ドイツの「ZDF」の各テレビニュースは、同じニューヨークからの報道でも、オバマ米大統領と中国の胡錦濤国家主席の米中首脳会談を中心に採り上げた。
そのいっぽうで鳩山首相の演説について詳しく触れた局はなく、鳩山氏をクローズアップした映像を放映した局もなかった。翌23日も、各局はオバマ大統領の国連総会演説や潘基文国連事務総長などを報じたものの、鳩山氏に関して触れた主要テレビ局はみられなかった。
「フランス2」はニューヨーク滞在中のサルコジ大統領にインタビューを行ない、来年からガソリンなどに課税する「炭素税」などについて触れた。イタリアのテレビ各局もベルルスコーニ首相の動静や、リビアのカダフィ大佐と、彼のニューヨーク滞在先であるテントの映像などに時間を割いた。
先月8月30日の民主党圧勝に関して、欧州のテレビメディアは日本の話題としては近年珍しい規模で報じた。だが今回の鳩山外交デビューは、オバマ演説や自国首脳の話題、さらに近年欧米と連携を模索しているカダフィ大佐に完全に負けてしまったかたちだ。
ちなみにイタリアでは「日本の首相は?」と質問すると、いまだ「名前は知らないが、ウオモ・カペッリ・ビアンキ(白髪の男)」もしくは「和製リチャード・ギア」と答える一般市民が意外に多い。今になってみると、小泉元首相のビジュアル的パワーはそれなりに国際的だったようだ。
《Yahoo!ニュース-レスポンス 大矢アキオ9月24日9時40分》

Hatoyama5 まあこれが現実なんじゃないでしょうか。
わが国の首相はカダフィ大佐以下ってことですね。
そして鳩山首相のビジュアル的パワーは到底小泉元首相にかなわないということ。

それにしても日本のマスコミの異常なくらいの鳩山ageはちょっと気味が悪いくらい。
新政権へのご祝儀と言う意味があるとしても、やりすぎかなと。
外国の人が日本のテレビを見たらかなり異常だと思うでしょうね。

Gadhafi1 私は普段CS放送以外ほとんどテレビは見ないのですが、たまにワイドショーを見ると鳩山夫妻の特集をやっていたりするので、すぐにチャンネルを変えてしまいます。
ところが、変えた先のチャンネルでも鳩山特集をやっていたりするので、結局テレビを消すことになってしまう。
本当に近年テレビを見なくなりました。

マスコミってこうやって本気で国民を洗脳できると思っているのでしょうか?
ネタとして見ている分には面白いんですけどね。
幸夫人のファッションとか・・・
結構突っ込みどころがあるし(笑)

Koizumi45 ところで、イタリアでは未だに日本の首相は小泉さんのままなんですね~
やっぱりリチャード・ギアに似てると思ってるのね。

Koizumi46 『小泉元首相のビジュアル的パワーはそれなりに国際的』と外国からお墨付きをもらったように、やはり小泉さんは別格ですね。

Koizumi47 小泉政権の頃は日本のメディアが持ち上げなくても、放っておいても外国メディアが小泉さんを取り上げてくれたから、日本メディアとしては悔しかったのかも。

Koizumi48 エルビス・プレスリーの自宅を訪問した時はCNNニュースを見ていたのですが、あちらの女性キャスターは大うけしてましたよ。
日本の首相が自国のスターのファンだというのはとてもうれしいことなんでしょう。
日本では批判的に報道してるところもありましたが。

Koizumi49 海外のメディアが好意的に取り上げてくれるかどうかはとても重要なことだと思います。

そういう意味でも首相のビジュアル的パワーは重要なんだと思いますね。

画像は2001年イタリア、ジェノバサミットの時ニュースで流れたもの。
現地の女性にから「和製リチャード・ギア」にメロメロって言われてます。
画像をクリックすると拡大します。ちょっとヴォケてますが・・・

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2009年9月23日 (水)

村山談話と友愛外交

東アジア共同体を提案 鳩山首相、胡主席と初会談

【ニューヨーク共同】鳩山由紀夫首相は21日夜(日本時間22日午前)、中国の胡錦濤国家主席とニューヨークで就任後初めて会談し、日中関係について「互いの違いを認めながら信頼関係を構築し、東アジア共同体を構想したい」と提案した。両首脳は朝鮮半島非核化に向けて努力する考えで一致した。会談後、首相が記者団に明らかにした。
 首相は会談で「鳩山外交」の立場として、侵略戦争と植民地支配を謝罪した「村山談話」を基本的に踏襲する方針を表明。「お互いの立場の違いを乗り越えられるような外交、違いを認め合える関係が『友愛』だ」と述べた。同時に、日中間の「戦略的互恵関係」に触れ「もっと中身のあるものにしたい」と指摘した。(中略)
 チベット問題に関して胡主席が中国の立場に理解を求め、鳩山首相は「チベットの地位は国内の問題だが、もし可能なら対話による解決を祈念する」と促した。(以下略)
(共同通信2009/09/22 13:27)

「村山談話」の撤回を願う人々にとっては、こうやって代々の総理大臣がこの談話を踏襲していくことに非常に不快感を持っていると思います。彼らにとって一番不快なのは以下の箇所でしょう。

『わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします』

日本は戦後まだ国が貧しかった時代に、誠実に補償や経済援助という形で戦後処理を完了しています。その点においては国際法規上、日本は何ら非難されるべきところはないのです。それにもかかわらず、改めてこういう談話を出したことに疑問が投げかけられているのでしょう。「侵略」と言う文言が許せないと考える方たちもいると思います。

確かに、欧米諸国がこういった談話を出していないことと比べれば、自虐的な談話だと受け止めることもできます。その気持ちもよくわかるのですが、私はこの談話は上手く利用した方が日本のためになるのではないかと思っています。例えは良くないですが、水戸黄門の印籠のように、相手にかざして黙らせる役目を持っているものだと思います。
「もう十分に日本は謝罪している」という証明としてこの談話を利用するということです。
ただし、「村山談話」を持ち出すのは効果的な時と場所、そして誰に対して表明するかということを戦略的に考えるべきでしょう。

私が印象に残っているのは、2005年4月22日に行われたアジア・アフリカ首脳会議(通称バンドン会議)における小泉首相の演説です。小泉首相は「村山談話」の上記に示した部分を冒頭部分で引用し以下のように述べました。(演説全文はこちら

 『50年前、バンドンに集まったアジア・アフリカ諸国の前で、我が国は、平和国家として、国家発展に努める決意を表明しましたが、現在も、この50年前の志にいささかの揺るぎもありません。
 我が国は、かつて植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。こうした歴史の事実を謙虚に受けとめ、痛切なる反省と心からのお詫びの気持ちを常に心に刻みつつ、我が国は第二次世界大戦後一貫して、経済大国になっても軍事大国にはならず、いかなる問題も、武力に依らず平和的に解決するとの立場を堅持しています。今後とも、世界の国々との信頼関係を大切にして、世界の平和と繁栄に貢献していく決意であることを、改めて表明します』

2005年の4月といえば、中国における反日運動がピークに達していた時期であり、日中ともナショナリズムが高揚していました。当然のことながら、このような時期に村山談話を引用し国際会議で演説した小泉首相には国内の右派から非難が集まりました。

しかし、小泉首相はなかなかしたたかであったと思います。これはかなり戦略的な演説だったと。というのも、この演説が多くの国が集まる国際会議で行われたものだからです。アジアだけではなく同じく植民地支配を受けていたアフリカ諸国も加わっていた会議であったことも効果的でした。

決して中国や韓国だけに向けられた演説ではなかったこと、これが重要なポイントでした。
演説後、早速インドネシア政府からは歓迎と感謝の意を伝えられましたが、中国は賛意も批判もせず黙るしかありませんでした(韓国は相変わらずでしたが)。中国が日本を非難すれば逆に中国が国際社会から非難されることになりますから、「小泉にしてやられた」と思ったのではないでしょうか。

これだけ公の会議で謝罪の意を示したのですから、もう「日本は謝っていないとは言わせない」と言うわけです。それほどの効力がこの談話にはあります。これは上手く利用した方が得策だと思いますね。

今回、鳩山首相は日中首脳会談で村山談話の踏襲を表明したわけですが、胡錦濤主席にしてみれば「ああ、そうですか」程度でしょう。鳩山さんは中国との友好関係のため積極的に発言したのかもしれませんが、実利を求める中国にとって「村山談話」はそれほどありがたいことではないと思います。

それよりも「チベットの地位は国内の問題だ」と言ってくれたことのほうがありがたかったのではないでしょうか。ここで鳩山さんが「靖国問題は国内問題だから内政干渉しないでね!」と言っていたらすごかったんですけど。

まぁ、鳩山さんには国際関係に「戦略」とか「計算」といった考えはないのかもしれませんね。存在するのは「友愛」のみ。外交交渉はひとつ間違えば日本の未来が危うくなるので慎重に考えていただきたいです。今回のことで鳩山外交には戦略がないことがよくわかりました。

そういうわけで「村山談話」は上手く使えば日本の利益になると思います。それに対して私が断固撤回を求めたいのは「河野談話」の方ですね。こちらはありもしないことを韓国の圧力に屈して認めさせられたもので、「村山談話」とは比べられないくらいたちの悪いものですから。

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2009年9月21日 (月)

嫉妬が招いた悲劇

昨日は新国立劇場で「オテロ」を観ました。
いきなり冒頭シーンから大迫力。雷鳴轟く嵐の中繰り広げられる戦い、勝利し大歓声に迎えられオテロが帰港、祝宴では花火が次から次へと華麗に打ち上がり息もつかせぬ展開です。オーケストラ、合唱の力強さと相まって一気にオテロの世界に引き込まれました。音楽と演出の力でこれだけスケールの広い世界を描き出せるというのは凄いことです。

このお話の舞台は本来キプロス島なのですが、今回はヴェネツィアをイメージした舞台装置になっています。水路に見立てた部分には本物の水が張ってあり、その水を生かした演出が随所に見られなかなか効果的でした。
舞台はこの一面のみで、真ん中のオテロの家が場面に応じて回転するというシンプルなもの。しかし、それが非常に効果的に使われるため、単純さを感じさせません。

昔やはり一面だけの舞台を観たことがあるのですが、その時は照明の色を変えるだけという単純な演出でがっかりしたことがあります。チケット代がそれなりにお安かったので、舞台装置にまでお金をかけられなかったのだと思います。しかし、先日観たミラノ・スカラ座の「ドン・カルロ」もそれほど凝った装置ではなかったのに、単純さを感じさせなかったことを考えると、やはり演出家の腕次第なのかなとも思いました。

肝心のオペラの方ですが、音楽の専門的なことはわからないので感じたことだけ書きます。
この「オテロ」という作品はヴェルディ晩年の作品です。ヴェルディといえば、「椿姫」や「アイーダ」などが有名ですが、「オテロ」の初演は「アイーダ」の初演から16年も経っているのですね。「オテロ」と最後の作品「ファルスタッフ」はそういう意味でもちょっと異質な感じがします。「ファルスタッフ」も観ましたが、それほど印象に残っていないです。

私がオペラを深く聞き込んでいないからだと思いますが、「イル・トロヴァトーレ」や「アイーダ」の方が何度観ても好きです。ちなみにオペラに詳しい小泉元首相は「オテロ」も「ファルスタッフ」も好きではないそうです。『名声を確立した後より、その前の方が我々素人にとってはメロディーの美しい曲が多い。名声を得てしまうと、「俺の曲をわからなければいけない」「わからない人にはわからなくていい」という芸術家としての自負が強くなりすぎるのではないだろうか』と著書で語っています。(注*)

確かに、そんな感じはします。私はメロディーのわかりやすさといいますか、旋律美を求めてしまうので、「オテロ」は物語として、あるいは心理劇としては大変面白いのですが、音楽としてはそれほど印象に残らないのです。ヴェルディはこの作品で「歌うのではなく、語ってほしい」と歌手に求めたそうですが、もしかしたら音楽以上に人間の心を描くことを求めていたのかもしれません。

確かに、オテロ、デズデーモナ、イアーゴの三人を見ていると、人間が持っている様々な側面をそれぞれが象徴しているように見えます。

私が好きなのは主役のオテロではなく、悪の化身イアーゴ。今回イアーゴを演じたのはルチオ・ガッロさん。素晴らしかったですね。彼への拍手が一段と大きかったことを見てもそれは明らかだと思いました。「オテロ」の場合、この悪役がどれだけ人間のどす黒さを描けるかにかかっているでしょう。それによってオテロやデズデーモナとの対比がより際立つというものです。

ソプラノのタマール・イヴェーリさんの歌声は純潔で清らかなデズデーモナを良く表していたと思います。「柳の歌」はもの悲しく壊れそうなくらい繊細で、聞いていて胸が詰まりました。

それに対して、オテロという人物は私にとってはちょっと微妙です。非常に勇敢で力のある武人でありながら、性格的にはとても単純。騙されやすく、嫉妬深く、色々な意味でコンプレックスのかたまりのような人。「ちょっと妄想しすぎ、思い込みすぎ」って思うくらい。こういう人も苦手だなぁ。

イアーゴも嫉妬深いのだけれど、その気持ちを決して表面に出さないところが屈折しています。しかし、オテロとイアーゴは表裏一体のようなところがあって、人間の二面性を表しているように見えます。
オテロはムーア人。ムーア人とは回教徒である黒人です。そういう意味でもイアーゴとは黒人と白人、回教徒とキリスト教徒という相対する人物として描かれます。お互いに自分にはないものを持っていることが嫉妬の炎を燃え上がらせ悲劇となります。

話は違いますが、日本という国は他国から嫉妬されることはあっても、他国を嫉妬するという感情をほとんど持っていない幸せな国だといわれます。それが嫉妬する側にとっては無視されているようにも感じられ、より嫉妬するという悪循環に陥るらしい・・・

嫉妬とは厄介な感情ですが、たまには嫉妬する側の感情に思いやることも大事だなとこのオペラを見ながら思った次第です。

(注*)小泉純一郎『音楽遍歴』(日本経済新聞出版社)2008年より引用

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2009年9月20日 (日)

自民党総裁は誰がふさわしい?

各種世論調査では「民主党政権に期待する」という数値が高い一方、「自民党に立ち直って欲しい」という数値も高いです。それだけ自民党の再起を願う国民が多いことを考えれば、新総裁が誰になるか、また、民主党に対してどのような対立軸を示せるのかということは極めて重要です。

自民党が進路を誤れば、今度こそ本当に自民党は崩壊し民主党の一党独裁が続くことになります。多くの国民は健全な二大政党制が育つことを望んでいるのですから、ここで自民党に踏みとどまってもらわなければなりません。

では自民党総裁として誰がふさわしいのでしょうか。それは逆に民主党側の立場に立って考えれば明確な結論が出ます。
自民党は「来年夏の参議院選挙で民主党が一番戦いたくない自民党総裁」を選ぶべきでしょう。

それは一体誰なんだ?ということで三人の候補者の主張を簡単に比較してみます。

■谷垣禎一氏
 <みんなでやろう自民党再生>
 申し上げたいことはたった一つ「みんなでやろうぜ」です。
 私たち日本人はみんなで支えあっていく絆の精神を持っています。党が一丸となり、国民のために政治をするという原点に立ち返ることが唯一の再生への道です。
■河野太郎氏
 <自由民主党改革宣言>
 聖域無き党改革の断行
 自由主義経済の中での「安心」や「公平」の実現
 健全な保守政党として目指すべき国の姿の再定義
■西村康稔氏
<政権奪取へ>
 世代交代で民意の得られる自民党へ
 霞ヶ関改革と、官僚に頼らない政策づくり
 世界から憧れられる国・ニッポンヘ
 与党よりも信頼される〈外交の野党〉へ
 地方重視!庶民にやさしい本来の自民党へ
 子育て世代だからわかる子育て・教育支援を
 農業(畜産・酪農を含む)・水産業・林業を真に支援する党へ
 年金に、医療に、高齢者に手厚い自民党へ

西村氏の主張は推薦人になられた方々の主張を単に並べただけでメリハリがないですね。これでは民主党の主張と何ら変わりなく対立軸になっていません。やはり彼は河野氏つぶしのために出馬しただけなのでしょう。

谷垣氏と河野氏の主張は党改革ということでは一致しています。しかしその手法が違います。谷垣氏は「みんなで支えあっていく絆の精神」を大事にしてやっていきたいと主張していますが、河野氏は人事、資金、候補者選定など党運営から派閥の関与を排除したいと明確に主張していますので、これは長老議員を中心にかなりな反発があると思われます。

私は、今自民党に必要なのは「みんなでやっていく」ことではないと思います。そもそも、みんなで仲良く党改革なんてできるのでしょうか。かなり血を見ることになっても古いやり方は切り捨てなければ変われないと思います。

本当は4年前の選挙で党は生まれ変わったはずでした。血を見るくらいの相当な犠牲も払いました。しかし、勝ちすぎたことによって党に残って欲しくない人まで当選してしまった。本心では小泉構造改革に賛成ではなかったのに、小泉氏の威光にすがりついていただけの議員達のことです。小泉後はそういった議員達の化けの皮がはがれ、さらに復党議員らも加わることによって改革派は片隅に追いやられてしまったのが現状です。

そのあたりの状況は、自民党を離党した山内康一議員(現みんなの党)のブログを読むとよくわかります。特に彼が自民党を離党した日のエントリは、まるで今の私の気持ちを代弁してくれているかのようで胸が詰まります。「前回総選挙後の2005年の「小泉自民党」と、今の自民党は別の政党のようだ」という彼の言葉が今の自民党を表しています。

自民党って、みんなで仲良くやっていた昔を懐かしむ人たちが多いんですね。しかし、そうやって仲良くやってこられたのも政権党だったからでしょう。今は野党なのですからそんな悠長なことを言っていられる場合ではないはずです。

それでいいじゃないか、という方は谷垣氏に投票すれば良いでしょう。しかし、谷垣氏が総裁になった瞬間に党は崩壊を始めると思います。まず、河野氏を担いだ改革派はそれでも党内に留まれるとは思いません。「みんなの党」と行動を共にする議員が出てくるかもしれませんね。それより何より、民主党にとって派閥の長老がバックにいる谷垣総裁ほど選挙で戦いやすい相手はないということです。

総裁選は事実上、谷垣氏と河野氏の対決になると思われますが、党員・党友の皆さんはどちらを支持するのでしょうか。
今回の総裁選は、国会議員199票、党員・党友票300票で行われるため、前回と異なり地方票の重みが増します。議員票では谷垣氏が勝つことが明らかなので、地方票でどれだけ河野氏が取れるかにかかっています。長老派が恐れるのは、2001年の総裁選で小泉氏が地方で圧倒的な勝利を収めたようなパターンになること。あの時は総取り方式でしたので今とは違いますが、それでも少しでも河野氏に票が流れないように西村氏を擁立したものと思われます。

自民党によれば、今回は特例として「前2年の党費・会費を納入した党員・党友」という規程を外し、党員・党友の方全てが投票権を持てるようにしたとのこと。そのため、より多くの方たちが投票できることになりました。しかし、従来と異なり実質総理大臣を選ぶ選挙ではなくなったため、選挙戦がどれだけ盛り上がるのかが疑問です。

私が構造改革支持者だからかもしれませんが、谷垣氏が総裁になったら自民党は終わりだと思います。谷垣氏が悪いのではなく、今の自民党にはふさわしくないということ。少々劇薬かもしれませんが、河野氏を総裁に据えるくらいでないと自民党は変われないと思います。

仮に河野総裁になったとしてもしばらくは自民党の低迷は続くでしょう。政治の世界はなんと言っても数の力が絶対ですから、巨大な民主党に対して一気に政権交代をすることは難しいと思います。それでも来年の参院選を大勝利ではなくても良い勝ち方をして力をつけ、徐々に党勢を回復していくのが現実的な対応ではないでしょうか。そうやって健全な二大政党ができていくことが理想だと思っています。

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2009年9月18日 (金)

自民党総裁選について

自民新総裁、世論は谷垣・河野氏…読売調査

 読売新聞社が16日夕~17日に実施した緊急全国世論調査で、自民党の新総裁に誰がふさわしいと思うかを聞いたところ、谷垣禎一・元財務相が34%、河野太郎・元法務副大臣が33%だった。
 西村康稔・前外務政務官は2%、17日に出馬断念を表明した小野寺五典・元外務副大臣は4%だった。
 自民支持層に限ってみると、谷垣氏46%が河野氏27%を大きく上回った。支持政党のない無党派層は谷垣氏31%、河野氏25%だった。
 麻生太郎・前総裁の後継を選ぶ総裁選は「18日告示―28日投開票」で行われる。
(Yahoo!ニュース-読売新聞9月17日21時23分)

鳩山新内閣のニュースで忘れ去られているようですが、18日は自民党総裁選の告示日です。これまで自民党総裁選といえば連日のように話題になったものですが寂しいですね。しかし、小泉総裁以降人気先行型で行われてきた総裁選が失敗してきたことを考えると、静かな環境で総裁選びができるのも悪くないかもしれません。

静かな環境と書きましたがそれは表向きで、議員ブログを何件か覗いてみると、党内では熾烈な戦いが展開されているようです。特に河野太郎氏への圧力はかなり強い様子。ご本人のブログには『推薦人を二十人集められないような奴が出たいと言うな』と言う声があると書かれていますし、長老議員による若手議員の分断工作が凄まじいようです。

自民党の再生は今回の総裁選にかかっていますが、こういう状況が本当であるならば自民党の再生は難しいのではないでしょうか。

私ががっかりしたのは、総裁選立候補に必要な推薦人を20人から10人に引き下げる動議に賛同者がほとんどいなかったことです。若手議員が減ったことも影響しているのかもしれませんが、ベテラン議員の中には若い総裁が誕生することに潜在的な拒否感があるような気がします。64歳の谷垣禎一氏の支持が高いのはそういった理由でしょう。

谷垣氏が悪いとは思いませんが、彼は平時の総裁が適任だと思います。結党以来の危機を乗り越えるには思い切って中堅・若手議員に党の再生を託すことも必要ではないでしょうか。

河野太郎氏に対しては、年齢だけではなく保守派議員の抵抗もあり、いわれのない噂を流されているようです。河野氏を支持する世耕議員のブログにはこんなことが書かれています。

―――今回河野太郎氏擁立に向けて各議員を説得に歩いている中で、よく出てきた指摘が「社民党に近いくらいのリベラル派ではないか」というものであった。
 しかし河野氏自身に確認してみると、それは大きな誤解、曲解であることがよく分かった。
 例えば、河野氏は人権擁護法については推進する立場には立っていない。
 また外国人への参政権付与についても絶対反対の立場だ。国籍法改正に参画したのも「参政権がほしいのならばきちんと日本国籍を取得してほしい」との極めてまっとうな立場からだ。
 皇室典範改正による女系天皇容認にも絶対反対の立場だ。
 このように河野氏は極めて穏当な保守政治家であり、決して過激なリベラル政治家ではないことがはっきりとしている。―――

これが事実だとすれば相当な嫌がらせですね。世耕氏がいい加減なことを書くはずがありませんから恐らく事実なのでしょう。安倍晋三氏の側近とされる西村康稔氏が突然総裁候補者として浮上してきたのもそういう流れから来ていると思われます。

自民党は今内輪もめしている余裕などないはずです。こういうごたごたを見ていると一度解党したほうがいいんじゃないかとさえ思えます。党内には小泉構造改革に対する賛否があり、未だ党としての方向性が定まっていません。民主党への対立軸を描けないまま総裁を選んだとしても保守派、構造改革派どちらの支持も得られないでしょう。

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2009年9月17日 (木)

権力側に立つみずほさん

Hatoyama4 鳩山新内閣がスタートしました。

色々な意味で見どころがたくさんあります。

とりあえず記者会見場には「国旗」があり、なぜかホッとしました。

こんな当たり前のことで胸を撫で下ろすというのも初めての感覚です。

天皇陛下、皇居、日の丸等々が、およそ似つかわしくない方たちが何名かいらっしゃるようですが、権力というものはそれほどまでに魅力的なものなのでしょうか。

Fukushima4 まさか、みずほさんがドレスを着て官邸の階段に立つ姿を拝めるとは思ってもみませんでした。

昨日まで反権力を標榜していた方々が、いざ権力側に立った時、今度はその権力維持が目的となり、さらに大きな権力を求めていくのかもしれません。権力闘争に終わりはないということでしょうか。

みずほさん女王様のようですね。

このドレス、いつ用意したのかな・・・

Fukushima5

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2009年9月16日 (水)

英米関係と日米関係の違い

対外戦略ほぼ不変=日本の新政権-英戦略研

【ロンドン時事】英国際戦略研究所(IISS)は15日、2009年版「戦略概観」を発表し、先の日本の総選挙を受けて民主党が政権の座に就くことについて、新政権下でも「戦略的な方向性が大きく変わる可能性はほとんどない」との見方を示した。
 同報告の日本関係部分は、8月30日の総選挙投票前に執筆された。しかし、「どんな政権が誕生するとしても北朝鮮の(ミサイル発射などの)挑発や中国の台頭への対応という問題に直面するはずで、米国との安全保障上の協力強化に向かわざるを得なくなる公算が大きい」と分析。総選挙で圧勝した民主党主導の連立政権下でも「戦略上の方向性はほとんど不変」と予想している。 
(Yahoo!ニュース-時事通信9月15日19時21分)

新政権関係のニュースは、どれもこれも突っ込みどころが満載なので何を話題にしようか迷うほどです。
なかでも『国民新党の亀井静香代表が、郵政問題・金融担当相に内定』のニュースは特に興味深いですね。今後の展開がある意味とても楽しみです。
『小泉・竹中逮捕 キタ━(゚∀゚)━! 』
とか言ってる皆さんには是非こちらのサイトをお読みになって頭を冷やしていただきたいですね。

ところで、今日は英国から見た民主党の対外戦略のお話を取り上げてみました。英国際戦略研究所によれば民主党の対外戦略はほぼ不変とのこと。私はとても心配しているのですが、専門家の考えは冷静なようです。
しかし、ひとつ疑問があります。それはこの分析を行ったのが英国人だということです。英国人の常識が日本の常識ではないところが問題なのですが・・・
先日、私の愛読ブログ雪斎先生のこちらの記事にこんなことが書いてありました。

―――日米同盟とは、日本にとっては、米国を再び「敵」にしないための保障である。六十余年前の戦争の失敗は、平和主義者が考えているように、「戦争をした」ということそれ自体ではなく、「敵にしてはならない国家を相手にして戦った」ということにあるのである。民主党内閣には、このことが適切に諒解されているのであろうか。―――

これは雪斎先生の「心の師」、永井陽之助先生の影響を受けたお言葉ですね。私は以前から永井先生の御著書を読まなければいけないと思っていたのですが、絶版になっているものが多く、恥ずかしながら最近になって『平和の代償』を読み始めました。その中にこんな言葉があります。

―――英国は現在、米国に対して無防備に近い状態を、ちょっとでも心配する英国人はひとりもいない。それは、米国が英国を攻撃しないという「意図」を知っており、また米国も、英国がすぐ中立化したり、共産化したりする「不安」をもっていないからである。英国と米国は、われわれが考えるほど、類似した国民性と共同の利益で結ばれたものではないにしても、そこには、ふかい信頼感と連帯感がある。対米防衛に関するかぎり、英国は、ほとんど半恒久的な同盟関係で、軍事力をまったく節約することができる。
 わが国も、米国に対しては、英国とほぼ同じ立場にあるが、英国と米国とのむすびつきほどのふかい歴史、経済、宗教、人種の紐帯はない。近々二十年まえまでは、〝鬼畜米英〟と叫んでいたアジアの日本とは比較にならない。このことはけっして忘れるべきではない。日米の友好関係は、英米関係ほど自明でもなければ、なんら相互理解の努力なしに達成しうるものではない。日米間に友好関係の自然状態がつねにあるなどと錯覚してはならない。(中略)
 もし、〝大東亜戦争〟に、なんらかの歴史的意義があったとすれば、それは、〝アジア人の解放〟などという後からのコジツケよりも、太平洋という海洋をはさんで相対峙した二大海軍国が、心から手を握るために、支払わねばならなかった巨大な代償であったという点に求められる。
 われわれが、つねに留意しなければならない国防と外交の第一原理は、米国を敵にまわしてはならない、ということである。この根本を忘れるならば、あの太平洋で散った英霊の死をまったく犬死にすることになろう。―――
(永井陽之助『平和の代償』(中央公論社)1967年より引用)

この本が書かれたのはほぼ四十年前ですが、今でもほとんどの日本人は当時の意識と変わらず日米同盟は空気のような存在だと思っているでしょう。しかし、米国と深い信頼感と連帯感を持つ英国人に成り立つ関係が日米でも成り立つとは限りません。日米はもっとクールなギブ・アンド・テイクの関係であることを忘れてはならないということです。

新政権は「対等な日米関係」を掲げており、それ自体間違っているとは言いません。しかし、日米が英米ほどの深い絆に結ばれた関係ではない以上、それ相応の軍事的な負担が増える覚悟を持たなければならないと思います。そういったことを思考停止状態の平和主義者だけではなく、大部分の国民もほとんど意識していないところが問題ではないでしょうか。

英国際戦略研究所の分析は英国人にしてみれば普通でも、やや楽観的過ぎるような気がします。北朝鮮の(ミサイル発射などの)挑発や中国の台頭への対応という問題に直面した時、新政権がどういう対応をとるのかまったくわかりません。郵政民営化の見直しには素早い対応を示したのですから、安保問題についても具体的な方向性を示して欲しいと願っています。

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2009年9月14日 (月)

国家戦略局の役割

いよいよ今週鳩山新政権が始動しますが、その目玉となる政策のひとつに「国家戦略局」の設置があります。民主党のマニフェスト(テキスト版)には以下のように説明されています。

―――官邸機能を強化し、総理直属の「国家戦略局」を設置し、官民の優秀な人材を結集して、新時代の国家ビジョンを創り、政治主導で予算の骨格を策定する。 ―――

この説明だけでは具体的にどういうことを行うのかよくわかりませんね。予算の骨格の策定という意味では、小泉政権下の「経済財政諮問会議」に相当するようなものとも考えられますが、国家ビジョンというからにはもっと総合的な政策決定機関なのかもしれません。

ところが、産経新聞の記事によると新政権の中枢機関となる「国家戦略局」に外相は加わらない方向とのこと。以下、当該部分を引用します。

新政権の中枢機関となる「国家戦略局」に外相は加わらない方向だ。「岡田外し」ともいえるこの動きに不安を感じたのか、岡田氏は11日、「国家戦略局がすべてを神のごとく決めることはできない。役所の所掌事項まで議論することはない」とさっそく牽制(けんせい)してみせたが、「鳩山-岡田外交」は前途多難といえそうだ。
(産経新聞2009.9.13 00:04)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090913/plc0909130005000-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090913/plc0909130005000-n2.htm

国家ビジョンを創るというのに外交は関係ないとはどういうことでしょうか?
私は国家の基盤として最も重要なのは外交・安保政策だと考えています。その方向性がしっかりと定まっていてこそ内政が安定するのではないでしょうか。
その点、民主党は党内の意思統一が未だにできていないので国家観が定まっていません。そもそも鳩山代表には国家観など無いのではないかとさえ思う動画がYouTubeにありました。urlは以下。
http://www.youtube.com/watch?v=xD97fFxQVgc

これは報道2001での発言ですね。ちょっと文字で起こしてみます。

黒岩:選挙を通じて一番国民が知りたいのはね、要するに政権交代がかかった選挙というなかで、次の日本をどういう国にするのかっていうことを考えてるかと。国家ビジョン、まさに聞きたいわけですよね。例えば今中国がこういう状況になってるという中で日本は大きなもっと強い国になるのか、また違った国になるのか、何を目指しているのか、鳩山さん、そこのところわかりやすく。

鳩山:別に強い国なんてものをね、日本を私は求めるべきではない。むしろ、一番大事なことはですね、たとえばこういうグローバルな社会の中で、私が一番心配しているのは、子供たちのコミュニケーション能力というものが極めて落ちてしまっていると。これがですね、世界に向けてこれから日本が戦っていくというか協力をしていく中で一番の阻害要因になってきている。それは世界ではもうどんどんやってますよ。日本が非常に遅れてしまって、こういった教育の中におけるコミュニケーション能力をいかに高めるかということとか、あるいは国家的なこの科学の水準を上げなきゃならない時に、これは数年前に国立大学を独立行政法人化したんですよ。これは完全な誤りでね、あのことによって基礎的な科学の力がぐんぐん落ちてきてしまっている。こういうものを、もっと基礎的なものを持ち上げていくことが今の日本にとってものすごく大事なことだと申し上げておきたい。

黒岩:それが目指すべき国家の姿?

鳩山:したがってそういう意味で私は自立と共生ということをこの地域の中においても、すなわちコミュニティーの中においても、世界の中においても重要な発想の中に考えていきたい。
(以上)

鳩山さんは宇宙人と言われるだけあって、どうもおっしゃっている意味が今ひとつわかりづらいのですが、「自立と共生」がキーワードなのでしょうか。

恐らく司会の黒岩氏は、例えていえば「日米同盟をどう考えるか」といった安保の基本戦略について答えて欲しかったのだと思います。鳩山さんは党内事情を考えて、わざと論点を外したのかもしれませんね。

「強い国を目指すべきではない」という意見については、「軍事力における…」と限定すれば私も賛同します。しかし、国際政治では様々な権力が重要な位置を占めていることも忘れてはいけません。世界で軍事が一定の役割を果たしていること、また、国際政治の本質は権力であることは事実です。経済分野では国際競争に勝てることも必要でしょう。

そういった現実を抜きに、一方的に権力を放棄し友愛や共生を求める姿勢は危機感に乏しいと思います。鳩山さんは理系人間ですから政治を科学的に捉えているのかもしれませんが、政治は方程式に当てはめれば解けるというものではなく、様々な駆け引きや利害調整が必要な面倒な世界です。

通常、国家戦略の7、8割が外交戦略であることを考えれば、「国家戦略局」に外相が加わらないという新政権の方針は理解できません。意図的に日本の国力を喪失させようとしているのであれば大変な問題です。新政権は「国家戦略局」の役割を具体的に示すべきでしょう。

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2009年9月13日 (日)

重いテーマと斬新な演出

今日は久しぶりにオペラを観に行きました。演目はミラノ・スカラ座の「ドン・カルロ」(東京文化会館)。
内容についてはオペラに詳しいブロガーさんが大勢いらっしゃいますので、そちらをお読みいただければと思います。

ハイテックな舞台演出に古典的な衣装が映えて素晴らしかったです。2003年にスカラ座が来日した際「マクベス」を観たのですが、その時の演出も斬新で印象的でした。今回と同様いわゆる現代風の読み替えではありません。

人間の心の葛藤や宗教が関わる重いテーマを描くためには、演出はかえって無機質でシンプルなものの方が良いのだと悟りました。日本のお能は究極のシンプルさだと思いますけどね。

オペラの内容ではないのですが、会場で出会った素敵なお嬢さんから公演プログラムを頂きました。簡単なお礼しか申し上げられなかったのが心残りです。
改めてこの場を借りてお礼申し上げます。

shine素敵な彼女に幸運が訪れますように!shine

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2009年9月12日 (土)

「郵政民営化見直し」には納得のいく説明が必要

民主党は郵政の「官営化」を目指すのか(9/11)

 民主党の鳩山由紀夫代表は社民党、国民新党との3党連立合意を受けた記者会見で、新政権の発足後に日本郵政の西川善文社長の辞任を求める考えを改めて表明した。経営陣の人事に政府が安易に介入するようでは、民営化会社とはいえない。新政権は辞任を迫る具体的な理由と、郵政民営化を進めるか、後退させるかの姿勢をはっきり説明すべきだ。
 鳩山代表は6月17日、麻生太郎首相との党首討論で、西川氏の続投人事に反対した弟の鳩山邦夫前総務相の更迭を批判し「政権を獲得した時には西川氏にお辞めになってもらうしかない」と明言した。鳩山氏は9日の会見で「考えに変わりはない」と述べた。今回は野党でなく次期首相としての発言で、重みは違う。
 西川氏は三井住友銀行のトップを務めた後、小泉純一郎元首相に請われて、2007年10月に民営化した日本郵政の社長に就いた。宿泊施設「かんぽの宿」のオリックスへの一括売却の決定が不適切だったと前総務相が批判し、野党の民主党、国民新党なども同調した。
 辞任要求はその延長線上にあるのだろうが、民主党が政権に就く以上は、納得のいく理由もなく民営化会社の人事に介入するのはおかしい。かんぽの宿の売却で何か不正があったのか、西川氏の経営のどこに落ち度があったのかを政権与党として具体的に示すのが先決だろう。
 経済界から起用した西川氏を辞任に追い込んだ場合の後任選びも容易ではない。25万人の巨大組織を運営しながら、収益力を向上させる経営者を見つけるのは至難の業だ。官僚出身者の起用は論外だろう。
 連立を組む民主など3党は、日本郵政とゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の金融2社の株式売却の凍結法案を「速やかに成立させる」と合意した。政府が各社の株式を少なくとも当面は100%持ち続け、民営化は立ち往生する。日本郵政の傘下に金融2社と郵便局、郵便事業の各社がぶらさがる4分社制も見直す方針だが、具体的な姿は示していない。
 民主党はいったい「官から民へ」の改革を進める意志があるのだろうか。反民営化を党是とする国民新党との連立を優先した結果、郵政事業は以前の官営に逆戻りしていく印象が濃い。政権公約では郵政を「国営や公社には戻さない」と指摘しているが、説得力を欠く。
 私たちは巨大な「官製金融」の郵政を民の手に委ね、資金の流れを変えていくことが経済の持続的な成長に不可欠だと考える。民営化についての民主党の考えが聞きたい。
(日本経済新聞2009年9月11日社説)

これは日経の社説ですが、ネットの記事はすぐ消えてしまうので、あえて全文転載させていただきました。
普段紙面をよく見ているのは日経と朝日なのですが、基本的に両紙とも小泉構造改革路線には賛成の立場をとっています。読売や産経がどういう論調なのかは読んでいないのでわかりません。
ポイントの部分を取り出してみます。といってもほとんどなのですが・・・

■ 経営陣の人事に政府が安易に介入するようでは、民営化会社とはいえない。新政権は辞任を迫る具体的な理由と、郵政民営化を進めるか、後退させるかの姿勢をはっきり説明すべきだ。

■ 民主党が政権に就く以上は、納得のいく理由もなく民営化会社の人事に介入するのはおかしい。かんぽの宿の売却で何か不正があったのか、西川氏の経営のどこに落ち度があったのかを政権与党として具体的に示すのが先決だろう。

■ 経済界から起用した西川氏を辞任に追い込んだ場合の後任選びも容易ではない。25万人の巨大組織を運営しながら、収益力を向上させる経営者を見つけるのは至難の業だ。官僚出身者の起用は論外だろう。

■ 政府が各社の株式を少なくとも当面は100%持ち続け、民営化は立ち往生する。日本郵政の傘下に金融2社と郵便局、郵便事業の各社がぶらさがる4分社制も見直す方針だが、具体的な姿は示していない。

■ 民主党はいったい「官から民へ」の改革を進める意志があるのだろうか。反民営化を党是とする国民新党との連立を優先した結果、郵政事業は以前の官営に逆戻りしていく印象が濃い。政権公約では郵政を「国営や公社には戻さない」と指摘しているが、説得力を欠く。

まったくの正論で反論のしようがないです。特に郵政民営化に反対している方々に答えて欲しいのは『かんぽの宿の売却で何か不正があったのか、西川氏の経営のどこに落ち度があったのかを政権与党として具体的に示すのが先決だろう』の部分。

前総務大臣の鳩山邦夫氏をはじめ「何が何でも反対!」と叫ぶ人ほどこの疑問に答えようとしないのは何故なのでしょう。まさか本当に郵政民営化は米国の陰謀だと信じているのではないでしょうね。それならそれで納得のいく説明が必要です。

郵政民営化見直し法案が上程された際、自民党は政権与党に対しこの点を徹底的に追及すべきです。そのためにも自民党は小泉構造改革をどう評価するのか立場を鮮明にしておかなければなりません。

『「官から民へ」の改革を進める意思があるのか?』という問いかけは新生自民党にとっても重要です。この点は麻生内閣時に曖昧になってしまいましたが、民主党に対する対立軸にもなり得るので方向性を明らかにして欲しいと思います。

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2009年9月11日 (金)

ほのぼのネタが無い…

毎日政治家さんのほのぼのネタは無いかなぁとネットニュースを探しているのですが、昨年のリーマンショック以来政局が不安定なこともあって全然無いですね。本当にブログネタが無くて困ります。
最近は民主党人事の話ばかり。民主党は事実上、小沢さんが実権を握っている小沢党だから権力闘争の話ばかりで楽しくないです。
政治にほのぼのした話を求めてはいけないのかもしれませんが、何となく今度の鳩山内閣は面白みが無さそう。毎日ワイドショーで鳩山夫妻のヨイショ報道がすごいけど、正直やらせだと思っているので速攻でチャンネルを変えてしまいます。
マスコミは麻生さんのバー通いを散々批判していたくせに、鳩山さんのセレブっぷりは完全スルー。これだけわかりやすい持ち上げ方もないわけでして、鳩山夫妻がモスバーガーに行ったなんて話しを聞いても全然ほのぼのとした気分になれません。
人間的に魅力があるとか萌えるところがあるとかいうのは、その人物に自然に備わっているものなので、無理やり演出しようとしても無理があります。鳩山さんは大金持ちなんだから正直にその点を報道した方が興味深いと思うけど・・・
これから民主党や社民党の皆さんの露出が増えるのでよ~く観察させてもらおうと思います。

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2009年9月10日 (木)

民意を置き去りにした新政権

郵政民営化逆行と批判=自民幹事長

 自民党の細田博之幹事長は9日夜、都内で記者団に、民主、社民、国民新3党の連立合意文書に「郵政事業の抜本的見直し」が盛り込まれたことについて「郵政民営化が完全に覆っていることは悲しい。民営化逆行だ」と批判した。また、合意した政策について「具体的に実行する内容を注視したい」と述べた。(以下略)
(Yahoo!ニュース-時事通信9月9日21時26分)

いまさら細田幹事長が叫んだところで負け犬の遠吠えにしか聞こえませんね。選挙に負けるとはこういうことです。そもそも総理大臣自ら「民営化には賛成じゃなかった」なんて国民新党が喜びそうなことを言ったのですから、それも敗因の一つでしょう。

しかし、民主党も参院対策があるとはいえ、社民、国民新党の弱小政党に妥協しまくりですね。こだわるべき政策の論点は郵政問題の他にたくさんあるでしょう。

国民にとって郵政民営化問題はすでに終わった問題で、それは郵政民営化反対を党是とする国民新党の綿貫民輔代表が今回の選挙で落選したことと、郵政民営化に賛成の立場を表明している「みんなの党」の得票数が国民新党を上回っていることなどを見れば明らかです。

先日も日本郵政グループが新政権に配慮して、旧特定郵便局の局舎の家賃の値下げを見送ったというニュースがありました。

局舎の家賃は周辺相場より2~3割高いとされており、経営の効率化を図るため日本郵政グループが家賃の値下げや局舎の買い上げなどを交渉していたものです。しかし、全国郵便局長会(全特)の反発により値下げを断念。今後も年間670億円払い続けることで経営が圧迫されるのではないかと懸念されています。

郵政民営化に反対するということは、こういった全特の既得権益を守るということで、郵政選挙で示された民意を踏みにじることです。今回の選挙で民主党に投票した有権者の意思は政権交代が主目的で、郵政民営化見直しではありません。

新政権に警告したいのは、政権維持を取り繕うことだけを考えていると民意から離れ支持を失うということ。国民の利益に反すると判断すれば社民、国民新党を切り捨てる覚悟も必要です。野党になった自民党にも言いたいことですが、国民が何を求めているのか見誤らないで欲しいですね。

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2009年9月 8日 (火)

変わらなかった推薦人要件

<自民総裁選>「推薦20人必要」決める

 自民党総裁選管理委員会(野田毅委員長)は7日、総裁公選規程に従い、党所属国会議員20人の推薦を立候補の条件とすることを決めた。「18日告示、28日投開票」の日程とともに、8日の党総務会と両院議員総会で正式に決定する。党内では、中堅・若手に立候補の機会を広げるため、推薦人要件の緩和を求める意見が出ていた。
(Yahoo!ニュース-9月7日20時41分)

自民党は「これまで通りのことをやっていてはだめ。新人や若手議員が自由に意見を言える党にならないといけない」と先日書いたばかりだったのですが変われなかったようです。

もちろん、推薦人があっという間に20人以上集まるような総裁候補がいるのであれば別です。しかし、これだけ自民党が負けて議員数が減り、派閥も事実上機能するとは思えない状態で「推薦人20人」という規程は厳しい。思い切って10人程度に緩和するなど従来の考えにとらわれないことをやって欲しかったのですが中堅・若手の意見は通らなかったようです。

話は総裁選とは離れますが、そもそも総裁選管理委員長の野田毅氏という人物を私は支持していません。彼は河野洋平氏も驚くくらいの親中派で、小泉首相(当時)の靖国参拝や外交姿勢を批判しまくっていました。

どうしてこういう人物が今回の選挙で当選したのかというと、彼は「比例九州ブロックの名簿順位1位」だったんですね。こういうことをやっていたから自民党は旧態依然としていると思われてしまう。今回の名簿順位は他のブロックを見てもいわゆる守旧派議員が上位に優遇されており、中堅、若手が当選できなかった原因にもなっていたと思います。

これからの自民党を担う世代の議員が大量に落選し、党の議員構成がいびつになっていることを考えれば、長老議員は前面に出るのではなくアドバイス役に徹するべきだと思います。とにかくこれまで通りのことをやっていてはだめなんだという強い危機感を持って欲しいですね。

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2009年9月 6日 (日)

演者が変われば趣も変わる

昨日国立能楽堂で行われた「ござる乃座42nd」に行って来ました。

3月に「観世清和・三郎太、野村萬斎・裕基、ダブル親子公演」を観ていましたので、今回の「蝸牛」は萬斎・裕基親子の山伏、太郎冠者の組み合わせとしては二度目でした。前回と異なるのは主が野村万之介師から遼太君に変わったことですね。3月の公演では観客の反応が非常に良かったので萬斎師も自信を深めたのでしょう。

同じ演目でも演者が変わると当然趣も変わります。太郎冠者がまだ幼い裕基君なのでより年齢の近い遼太君が主を務めたことにより、この組み合わせのほうが現実味があるのかなという気も致しました。

「蝸牛」はこれまで何度も観ているのですが、これだけ平均年齢の若い組み合わせはなく、無邪気で明るく表現されていたと思います。
また、遼太君、裕基君とも舞台の回数を重ねるごとに存在感が増しており、時として山伏役の萬斎師の存在を忘れてしまうほどでした。

この演目の面白さは色々あるのですが、最後に囃子物の楽しさに思わず主までもが引き込まれてしまうところは見どころです。

でんでんむしむし、でんでんむしむし、
雨も風も吹かぬに、出ざかま打ち割ろう

ノリの良いリズムは一度聞いたら忘れません。おおらかで楽しい気分にさせてくれる狂言です。

「月見座頭」は万作師の会で以前拝見したことがあるのですが、萬斎師の座頭は初めてです。上京の者は石田幸雄師でした。
虫の音、仲秋の名月、舞、謡、和歌と季節感あふれる風情と哀愁を帯びた演目です。昔なら座頭の役は還暦を過ぎたようなベテランの狂言師が演じるものだったそうです。萬斎師は43歳ですから相当若いですね。

また、この演目は万作師が鷺流の台本を中心に大蔵流も参考にしながら台本を作り再演を重ねてきたものです。そういった経緯もあり、ご子息の萬斎師としては初の座頭役を演じるに当たって相当な覚悟を持っていらっしゃったと思います。

確かに、若い萬斎師に枯れた味わいを出すのは難しかったと思いますが、万作師も若い頃から「川上」のシテなど難しい役柄に積極的に挑戦されていたので、萬斎師もどんどんやっていただきたいと思いました。何事も伝統にとらわれずに挑戦していく姿勢は野村家の家風だと思います。

前半の和やかな場面と異なり、後半は一転して世の中の不条理を感じさせられます。最後に座頭は「クッサメ」(くしゃみのこと)と発し去って行くのですが、この表現にこめられた思いは深いです。

人間の心の温かさと残酷さが表裏一体であること。この二面性を現実のものとして受け止めなければならないという心の葛藤もある。しかし、気持ちを切り替えて明日に向かって生きていかねばならない。そういった自分自身への区切りの意味もあるのかなと思いました。

最後の演目は狂言に詳しくない方にもおなじみの「附子」。
猛毒だといわれた附子の入った桶の番をさせられる太郎冠者と次郎冠者。実は桶の中身は黒砂糖でしたというお話。

この演目は何回上演したかわからないという万作師、万之介師のお二人が演じました。何度観ても新たな発見があり楽しめます。二人の冠者が苦し紛れの言い訳をする様は、現代人と違うところはありません。話の展開、笑いのツボがバランスよくできており、やはり人気の演目であると思いました。

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鉄は宇宙からやって来た

Toudai9 昨日は狂言を観に行くことが主目的だったのですが、午前中はぷらぷらと東大へ行ってきました。

現在、私のお気に入りの東京大学総合研究博物館で「鉄――137億年の宇宙誌」が開催されています。

鉄は私達の生活の中でとても身近な存在ですね。この展示では、普段何気なく使っている鉄を物理学、天文学、考古学等々、様々な角度から考察しています。

いつもこの博物館に来て感動するのは、自分がまったく気がつかなかった価値観を教えられることです。

鉄といえば大きな建造物を作る際に無くてはならないもの。また、私達人間の血液に含まれるヘモグロビンは鉄を中心とした構造を持っています。

地球の重量の3分の1は鉄だったということをご存知ですか?
そしてこの鉄は宇宙における超新星爆発によってつくられるのです。鉄は宇宙からやって来るのですね。何かものすごくスケールの大きな話です。

展示場の入り口を入ってすぐの所に「世界最高純度の超高純度鉄」が展示されています。ディスプレイも素晴らしいこともあって、一見キラキラ光るケーキみたいに見えます。思わずナイフで切ってみたくなるような感じ(笑)

説明によればこの鉄は「錆びない、柔らかい、塩酸に溶けないなど、鉄の常識を超えた性質を持ち、鉄系材料の飛躍的発展につながる可能性を秘めている」そうです。

他にも「世界が驚いた鉄系超伝導物質」などが展示されており、こういった素晴らしい研究開発の成果を見ていると、「これぞ日本の底力だ!」と感動しました。

日本は政治はグダグダだけれど、こういった地道な研究開発分野の力が無くならない限り日本は大丈夫だと自信を取り戻しました。それ故日本は古い分野にしがみついていないで、技術革新や産業構造の転換が必要だと思うわけです。(これも構造改革のひとつ)

鉄の展示は特別展ですが、常設展の展示も「骨」と「先史」に変わっていました。これがまた感動ものでしたね。特に東大が誇る「古人骨コレクション」は素晴らしかったです。

ずらりと並んだ古代人の人骨は丁寧な解説が施されており、素人の私でもわかるようになっていました。

古代人と比べると現代人の骨は華奢ですね。歯だって古代人はすごく綺麗な歯並びで丈夫そう。狩をしたり、重いものを運んだり、硬いものを噛んだりしていたからだと思いますが、人間ってこれ以上楽をしたら滅亡してしまうのではないかと心配になりました。

骸骨を見るとショックを受ける方は見ないほうがいいかもしれませんが、私は古代人の骨から彼らの生きていた時代のことなど想像して楽しんでいました。

Marunouchi1 話は変わりますが、帰り際に出来たばかりの「丸の内ブリックスクエア」を覗いてきました。レトロな部分を上手く生かしたオシャレな建物でしたね。写真のように古い建物と新しい建物が融合したものです。

建物の内側には写真のような広場があります。草花に囲まれた都会のオアシスという感じ。個性的で素敵なお店がいろいろあって楽しめます。
Marunouchi2

狂言「ござる乃座42nd」の感想はまた後日・・・

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2009年9月 4日 (金)

総裁選びは慎重に

自民党は総裁選をどうするかで結論が出ていないようですね。
自民党にとって今度の総裁選びは来年の参院選で党勢を回復できるかどうかにかかってくるので大変重要です。失敗したら自民党の消滅が待っているだけです。

そんなことを考えながら、小泉首相(当時)がなぜ安倍さんを後継に指名したのか昔の経緯を調べていました。もう今となっては忘れてしまったことばかりなのですが、こんなことがありました。

小泉さんの総裁任期が1年を切っていた2005年の暮れのことです。森元首相はテレビ番組で「安倍晋三官房長官(当時)は来秋の総裁選に立候補させず、次期衆院選まで温存すべき」だとの考えを示唆しました。そして、この安倍氏温存論を記者団に聞かれた小泉さんは「チャンスはそう来ない。困難に直面して逃げたらダメ」と出馬を促す意向をにじませていました。「(森さんが)どういう真意か分からない」とも。

そして、小泉さんは首相退任直前の2006年9月「総裁選は安倍氏に投票する」と明言します。その理由を「一番身近にいて、小泉改革を傍観するのではなく推進してきた。(改革の)重要性を一番知っている。最も重要な職責を続けながら、評価が下がるどころか高まってきた。若くても将来を担う指導者として評価して頂けるのではないか」と述べています。

小泉さんは後継総裁条件として一番譲れないものは「改革の継続、推進ができる人」と考えていたので安倍さんを早くから決めていたようですが、今思うと森さんの「安倍氏温存論」が正しかったような気もします。福田さんなど他の方が次期衆院選までやった後、安倍さんにつなげたほうが政権としては安定していたかもしれません。後継総裁選びだけは小泉さんは見誤ったかもしれないと思うわけです。今となっては遠い過去の話ですが。

確かに、当時安倍さんの人気は高かったので、国民の期待に応えるという意味でも安倍さんという選択肢が一番だったのかもしれません。しかし、「改革の継続、推進」という条件さえはずさなければ他の候補でも良かったわけです。安倍さんも経験を積んだ上で登場すればまた違った展開になっていたかもしれません。

このような過去の経緯を踏まえて今回の総裁選びは慎重にして欲しいと思います。人気先行ではなく、改革政党としてやっていくのか、それとも昔の自民党に戻るのか、これからの党の方針をしっかり国民に示さなければならないでしょう。

今の自民党は何をしたいのかさっぱりわかりません。民主党との違いを示すことができなければ次の参院選で完全に国民から見放されるでしょう。
もしも、自民党が改革の継続を捨てる方針ならば、私は消極的自民党支持から遠慮なく無党派に戻ります。

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2009年9月 3日 (木)

歴代首相の似顔絵湯飲み

「歴代首相」湯飲み、一足先に鳩山さん登場

Hatoyama3  歴代首相の似顔絵を描いた湯飲み茶わん「歴代首相漫像」に、民主党の鳩山代表を加えた新作が完成し、2日、出荷された。
 「政権交代後の初の首相。早く欲しい」との要望が相次ぎ、初めて就任前の出荷になった。
 美濃焼で有名な、岐阜県土岐市の窯元「山志製陶所」が製作。麻生首相の左に60人目として、顔を描いた。
 この日は700個が窯出しされ、同市内の陶器商に引き取られた。土産物店などで、1個500円前後で販売される。
 同窯元の加藤晃一社長(48)は「安価な中国製品の進出や、燃料費、原料費の高騰など、美濃焼の厳しい環境を鳩山新首相に打破してほしい」と話した。
(Yahoo!ニュース-読売新聞9月2日20時1分)

この湯飲み、昔からある定番の国会土産ですね。昔もらったことがあるので家にもあります。
これは湯のみですが、福田首相の頃、歴代首相の似顔絵が書かれたタオルを買ったことがあります。

>「政権交代後の初の首相。早く欲しい」との要望が相次ぎ、初めて就任前の出荷になった。

そうですか、支持者の方なのかな。私はこの湯飲みそのものがあまり好きではないのでどうでもいいというか、そもそも鳩山さんという方に「萌え~」の要素を感じないのでねぇ。

民主党の議員さんの中にも発掘すればチャーミングな方はいらっしゃると思うのですが、どうもこれまでのイメージだとキャラ的には自民党の議員さんの方が政治家グッズになりやすかったような気がします。

政治家グッズもこれまで色々買いましたが、永田町はしばらく行くこともなくなるだろうなぁ・・・

以前国会に行った時、麻生首相のボールペンとシャープペンのセットが売り切れていて買えなかったのが心残りです。

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2009年9月 2日 (水)

「中道左派」というより「バラバラ」

<民主党>海外メディアは「中道左派」と紹介 AP通信など

 衆院選に勝利した日本の民主党を「中道左派」と表現する海外メディアが目立っている。
 AFP通信は30日、自民党との対比で「日本の有権者は、未知数の中道左派政党を圧勝させた」と伝えた。AP通信も「中道左派」と報じている。
 鳩山由紀夫・民主党代表は、8月下旬に世界の英字メディアに掲載された論文の中で、金融危機の背景として「米主導のグローバル化」を強く非難しており「左寄り」の印象があるようだ。
 一方、インターナショナル・ヘラルド・トリビューンは9月1日、民主党を「中道」とした上で、連立政権を組む見通しの相手を「左派の社民党」と「保守系の国民新党」と紹介。ワシントン・ポスト紙(電子版)は1日の社説で、民主党を「自民党出身者や元社会党員、市民活動家の集まり」とした。【鵜塚健】
(Yahoo!ニュース-毎日新聞9月1日20時25分)

「中道左派」、「自民党出身者や元社会党員、市民活動家の集まり」とはなかなか海外メディアもよくわかっていらっしゃる。また、ベネズエラのチャベス大統領からは『日本で起きている変化は興味深い。中道左派の勝利は重要だ』『鳩山氏は米国主導の市場原理主義から距離を置き、人間の尊厳回復を政策に掲げている』と評価されているらしい。

チャベス大統領はかつて『アメリカは過去の原爆投下についてきちんと日本に謝罪すべきだ』と発言している方ですから、鳩山代表は「米主導のグローバル化」を非難できる仲間だと思ったのかもしれませんね。

しかし、今回民主党に投票した日本国民は、海外でこのように報じられているほど民主党の思想的背景を考えたことなど無いと思います。それどころかこういった記事を目にして初めて民主党が左寄りの政党だと知った国民もいるかもしれません。

海外メディアでさえ民主党の本質をわかっているのに、肝心の日本のメディアが民主党の正体をほとんど報じていませんから無理もありませんね。
恐らく民主党はこれからおかしな法案を次々に提案してきますから、そこで初めて民主党という政党の正体が明らかにされるでしょう。

民主党を「中道左派」と表現するのは割りと抑えた表現だと思います。本質は筋金入りの「極左」を含んでいますからちょっと違う。しかも海外で考えられている「中道左派」は穏健な左派思想で、外交安保問題で党内がバラバラということは無いし、なにより国家の尊厳を貶めるような思想ではありません。民主党はその点かなり疑問符がつきます。どちらかといえば自民党の方が「中道左派」かもしれません。

ドイツの左派政党である緑の党は、反戦平和を主張していてもコソボ紛争では人道のため軍事介入を容認しました。そういう現実的な決断を民主党はできるのでしょうか。

民主党がこれから行おうとする社民党などとの連立政権は、正直どう表現してよいかわかりません。やはり「バラバラ」という表現がふさわしいかな。

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