派遣村報道で思うこと
坂本哲志総務政務官(自民、衆院当選2回)は5日、総務省の仕事始め式のあいさつで、東京・日比谷公園の「年越し派遣村」について、「本当にまじめに働こうとしている人たちが集まっているのかな、という気もした」と述べた。
坂本氏はさらに、「『(厚生労働省の)講堂を開けろ』『もっといろんな人が出てこい』(と要求される)。学生紛争の時に『学内を開放しろ』『学長よ出てこい』(と学生が要求した)。そういう戦術、戦略がかいま見える気がした」と語った。
年越し派遣村には、失業と同時に住まいをなくした派遣労働者ら約500人が集まった。
坂本氏の発言には、野党などから批判が出ることが予想される。
(Yahoo!ニュース-読売新聞1月5日20時52分)
昨晩は久しぶりに出会った方々と食事をしたのですが、まず出たのがこの派遣村の話題でした。メンバーは定年間近の方から若い方まで年齢は様々だったのですが、皆さん一様に一連の派遣切り問題についての報道には疑問を持っておられました。
・マスコミがこの問題を異様に煽っている。
・派遣社員も期間従業員も元々ホームレスに近い生活をしていた方たちもごちゃ混ぜにしている。
・マスコミ自体が格差社会であり、彼らに語る資格はない。
などなど、他にも厳しい意見が飛び交ったのですが、私も思わず同意せざるを得ない気持ちになったのは、こういう意見を言っていた方たち本人が、以前厳しいリストラにあった方たちだったからです。
不良債権処理の過程で勤めていた大手企業が傾きリストラされ、今は小さな企業に勤めている人。正社員が大量リストラ、自分は運良く会社に残れたが残業が増えても給与は大幅カットされた人。新卒正社員で入社したものの連日真夜中まで仕事で身体を壊して辞めた人(今は契約社員)。
皆さん過酷な経験をお持ちだったのですが、一様に「それでも今働けることがありがたい」と言っていました。
また、彼らの意見で意外だったのは「日本が2000年代前半に不良債権処理を済ませていてよかった」というもの。彼ら自身その過程でリストラや給与カットを受けたにもかかわらずです。もしあの頃不良債権処理を先延ばしにしていたら、日本は大変なことになっていたであろうこと。それを考えれば必要なことだったと言っていました。マスコミはこういう事実をスルーしますね。
また、皆さん麻生首相がハローワークを視察した時の報道が、首相にあまりに批判的だったことにも疑問を呈していました。
そういえば、私もそう思ったんですよね。というのも年末のTVタックルの放送を見たから。
ちょっとその場面を再現してみます。
首相:今までどんな仕事をしたの?
若者:今までですか?
首相:うん。
若者:土木作業員だとか、北海道出身なんで。
首相:うん、仕事は極端に落ちるからな
冬の土木作業は特に。
若者:雪もありますし。
首相:雪かきが今年はものすごく多い。
若者:そうなんですか?
首相:知らねえけど。
若者:どうせ働くなら六本木とか
そういうオシャレな所で働きたいですね。
首相:ああ確かに。なるほど。
なんとなく、だけどカッコ良いやつは
給料安いもんな。
カッコ悪い方が給料高いもんな。
なんとなく、だいたいそういうもんよ。
新しい仕事っていうのは、
これがやりたいというのがないと、
相談される方も何かないですかって言われても
ちょっと困っちゃうから、
自分のやりたいことを絞りこまんといかんな。
とここでカットされて、民主党の長妻議員のコメントが次のように入ります。
「もっと目的意識を持てとか、仕事を絞れとか、そうしないと仕事が見つからないと(総理は)言われているんですが、今ですね、ほんとに仕事を探しておられる方で困窮されてる方は、どんな仕事でもいいから何しろ正社員になりたいと、そういう現状にもかかわらず、非常に的外れ。私はあれと同じ言葉を麻生さんに投げかけたいですね。もっと絞れと。そして早くやれと。目的意識を持てと」
ほとんどのニュース番組では麻生首相の最後の言葉の部分「新しい仕事っていうのは~」以下しか取り上げてなかったですね。この部分と長妻議員のようなコメントをセットにすると、いかにも首相が冷たい言い方をしているように聞こえましたが、前のやり取りを聞くと全然印象が違うじゃないですか。六本木とかオシャレなところとか・・・
確かに「雪かきが今年はものすごく多い」って自分で言っていながら「知らねえけど」って言っちゃうところは「何言ってんだぁ~」と思わず突っ込みたくなりましたが、首相のおっしゃっていることがそれほど間違っているとは思えないです。
長妻議員もおかしい。「どんな仕事でもいいから何しろ正社員になりたい。それが現状だ」っておっしゃってますが、本当にそれが現状なんでしょうか?派遣の仕事があれば派遣で働きたい人も多いんじゃないですか?どうも長妻さんもずれてると思うんですけど・・・
ちなみに、麻生首相はぶらさがり会見では以下のように答えています。
--求職されている若者に話を聞かれていたが。
「北海道から出てきて、なんで出てきたといったら、友達っていう話をしてましたんで、友達といっしょに…といってましたんで、いままでやった仕事やらなにやら、ぜんぜん関係ない仕事、っていうんで、何を自分でしたいか決めないと、なんかありませんかね、っていうんじゃ、なかなか仕事は見つからないよ、と。きちんとオレはこれをやりたいとこういったの、という目的意識がきちんとないと、なかなか雇う方だってなかなか、その気になんないから、だから何がやりたいかということをきちんと、目的意識をはっきり出すようにしないと、就職っていうのは難しい、という話はしました」
(産経新聞2008.12.19 12:58)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081219/plc0812191304009-n2.htm
話があっちこっちに飛んでしまったので元に戻そうと思いますが、坂本総務政務官のコメントはマスコミとは逆の意味で偏見を持ちすぎているような気がします。気持ちはわかるのですが、本当に困っている派遣の方たちに対しては配慮があるべきです。
政治家の使命は国民の声を聞き、政策として具体化していくことでしょう。多すぎる国会議員を減らすこと。公務員改革に真剣に取り組むこと。同一労働同一賃金やパート従業員への差別をなくすことなど具体的な政策を示していただくことが先決ではないかと思います。
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- 話題はウニばかり(2009.07.10)
- 麻生首相、ローマ法王と会談(2009.07.08)
- 麻生首相、同行記者団との懇談なし(2009.07.07)
- マスク購入枚数の平均は41枚(2009.07.03)
- 首相のぶらさがり会見(2009.07.02)


コメント
初めまして。
google検索で来ました。
記事に共感いたします。
TB遅らせていただきます。
投稿: robita | 2009年1月 6日 (火) 10時32分
明けましておめでとう御座います。
昨年は大変、大変お世話になりました。今年もどうぞ宜しくお願いいたします。
私も派遣切りの報道には疑問を持っています。
投稿: 葉音 | 2009年1月 6日 (火) 14時55分
>robitaさま
こんばんは。
派遣切りにあった方たちを弱者としてみること。
これはどういう意味を持つかということを考えてみました。
彼らは絶対的な弱者なのでしょうか?
私は相対的な弱者だと考えますが、マスコミは絶対的な弱者という捉え方なのだと思います。
投稿: minori | 2009年1月 6日 (火) 22時51分
>葉音さま
あけましておめでとうございます。
こちらこそ今年も宜しくお願い致します。
派遣切りにあった方たちの中には様々な個別の事情があるはずなのに、それをひとまとめの弱者として捉えてしまうから矛盾すると思っています。
投稿: minori | 2009年1月 6日 (火) 22時53分