以前から民主党の安保政策は一番気になるところでしたが、ついにマニフェストの内容が明らかにされたようです。本日の朝日新聞の朝刊にその概要が載っているのですが、ネット上に記事が見あたりませんので紹介させていただきます。
民主、安保課題先送り
公約 自衛隊派遣 原則示さず
民主党が衆院選マニフェスト(政権公約)で示す外交・安保政策がわかった。小沢代表の3原則をもとに「強固で対等な日米同盟」と「国連平和活動への積極参加」を打ち出している。ただ、自衛隊の海外派遣の原則も示さないなど、あいまいにしている点も多く、政権交代後に課題を先送りした。
日米同盟は「日本外交の基礎」とし、「米国と役割を分担し責任を積極的に果たす」と記したが、役割分担の中身には踏み込まなかった。日本の安全保障に深くかかわる事態にとどめるのか、世界各地の「テロとの戦い」まで踏み込むのかは不明確なままだ。
国連との関係では「国連平和活動(PKOなど)への積極参加」もうたうが、06年の「政権政策の基本方針」で示した「国連憲章42条によるものも含めて」という表現は盛り込まなかった。42条は安保理決議に基づく武力行使を認めており、参加には憲法改正か憲法解釈変更が必要。党内には消極論もあり、政権担当時の対応を詰めきれていないためだ。
自衛隊海外派遣の原則については、小沢代表は「明確な国連決議」が必要としているが、マニフェストでは明示していない。インド洋での補給支援活動に反対する理由では明確な決議がないことは持ち出さず、政府による効果検証と説明不足のみを挙げた。
米国の期待が強いアフガニスタン支援では、民主党が提出して審議中のテロ根絶法案を踏まえて対応するとした。自衛隊の陸上派遣を人道復興支援に限り認める内容だが、現時点では想定しにくい「抗争停止合意」が前提で、1年の時限立法。基本原則を示すものとみるのは難しい。
政権公約にあいまいな点が多いことについて、直嶋正行政調会長は「外交は政権とって直面しないとわからないことがたくさんある」と説明。テロ根絶法案には安全保障に関する「基本法整備」を速やかに行うと記しており、政権獲得後に詰めることになる。(藤田直央)
-朝日新聞2008年10月11日(土)朝刊-
記事には他に「民主政権公約の外交・安保の概要」として「日米」「アジア」「アフガニスタン」「国連」「経済」の政策概要が載っていますので詳しくは紙面をお読みください。
この記事を読んで誰もが気がつくのは、すべてが「あいまい」だということです。直嶋正行政調会長は「外交は政権とって直面しないとわからないことがたくさんある」って正直に言ってますね。言いかえれば「やってみなけりゃわからない」ってことです。
私は国の基本は安保政策だと考えていますので、そんな政党にはとてもこの国を任せられません。ある程度想像していたとはいえ、民主党の考える安保政策とはこの程度のものだったのかと失望しました。
野党って一体何なのでしょう。反対することが彼らの仕事だという側面はありますが、本来、与党の政策の誤りを正すチェック機能を果たさなければいけないはずです。
確かに、内政に関しては野党の追及によって暴かれた問題は多く、その点は認めなければならないでしょう。明日からでも長妻議員が厚生労働大臣になって役人の不正を斬りまくっていただいても良いと思います。
しかし、あれほどネチネチと政府を追及している民主党も、安保外交問題となると
「やってみなけりゃわからない」
「政権とったら考えます」
というのはどういうことなんでしょう?
これまでも野党として政府の安保政策に誤りがあるのならば、そのつど鋭い追及をしてこなければならなかったはず。そして「わが党が政権を獲得した際には、これこれこういう安保政策を実施します」と年金問題と同じくらい政策論争をして欲しかった。それでこそ政権担当能力を示すことができ、有権者に信頼感を持たせることができたと思います。
民主党って一体何年野党をやっていたのでしょう。安保政策をまとめるには十分すぎるほどの時間があったはずですが・・・
麻生首相は7日の衆院予算委員会で、衆院解散・総選挙に関連し、「民主党との間に争点を設定しないといけない。国際貢献などを正確にした上で、(自民党、民主党の)どちらが政権担当能力があるか明らかにすることが必要だ」と述べました。
ところがその発言後まもなく給油法案に関し、民主党がこれまでの審議拒否から一転スピード審議に応じることとなりました。民主党は安保・外交問題を選挙の争点にされては絶対不利だということを承知していたからです。
民主党の描く選挙の争点は、絶対に国民生活に密着した問題でなければならない。党内の矛盾を国民にさらけ出すような争点は避けなければならないのです。
いくら党内に矛盾を抱えているからといっても、安保政策ひとつ国民にしっかり示せない政党には不安で国を任せられません。内政に関しては不安ですが民主党にやらせてみてもいいかもしれません。しかし、外国相手に失敗したら取り返しがつかなくなる恐れがあり、それでも一度やらせてみようという勇気は私にはありません。
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