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2008年8月 2日 (土)

政策実行より解散準備

改造内閣は「安心実現内閣」、政策実現を優先・早期解散は否定=首相

Fukudaaso[東京 1日 ロイター] 福田康夫首相は1日夜、内閣改造後に記者会見し、政策を実現するための布陣を敷いたとし、改造内閣を「安心実現内閣」と位置づけた。衆院解散・総選挙の時期については「解散を論ずるより、今は政策を実行する社会・経済状況」とし、「いま直ちに解散を考えているわけではない」と述べ、与党内にくすぶる年末・年始解散論を退けた。
 直面する課題について福田首相は、原油高に伴う物価高と本格的な少子高齢化時代の到来を挙げ、「日本が直面しているこのような2つの大きな構造変化をどのようして乗り越えていくかが現下の大きな課題」とし、「新内閣は一丸となって物価高と景気低迷という国民経済が直面する困難を解決していく」との決意を示した。 
 改造では、こうした政策課題を実現するための布陣を敷いたとし、内閣改造の狙いについて「政策を確実に実現し、安心を勝ち得る意味で『安心実現内閣』だ」と語った。
 閣内には与謝野馨経済財政担当相や伊吹文明財務相など消費税増税に理解を示すメンバーが目立つ。消費税増税に向けた環境整備の狙いがあるのかとの質問には「消費税(増税)なしで財政再建はとても考えられない。国民が安心できる社会保障制度も成り立たないと思っている。ただし、それをいつ実現するのか、いつ実行するかはさまざまな意見がある。(与謝野氏らも)今すぐそれをやろうと言っているとも思えない」と説明。消費税の扱いについては「しっかり議論し、消費税をこれからどのように扱っていくか、きちんと道筋を立てていくことが大事だ」とした。(ロイター日本語ニュース 吉川 裕子)
(Yahoo!ニュース-ロイター8月2日8時12分)

政治家は政策を実行することが重要ですが、残り一年余りの福田内閣にとって「解散より政策実行」という言葉はむなしく聞こえます。現実には今年の暮あたりに解散が予測されていますので、この内閣は半年弱の命ですね。「安心実現内閣」というより「解散準備内閣」といった方がよいかもしれません。

閣僚名簿を見ての感想はほとんどありません。何だか古臭い人たちが古臭い支持基盤を背負ってやってきたな、という感じ。新鮮味が感じられないし、この程度の内閣ならなぜ改造を行ったのか疑問に思います。

やはり福田首相の本心は、「政策実行より解散」なのではないでしょうか。
今回、幹事長に国民的人気の高い麻生氏を起用したことで、福田首相は明らかに総選挙を意識していることがわかります。本当は政策重視の内閣を作りたかったが、選挙が近付いていてその余裕が無くなったといったところでしょう。

福田氏もいよいよ自らの手で解散・総選挙をやる覚悟ができたと見るべきなのか、あるいは、総選挙前に退陣し、麻生氏に禅譲するという密約があったと見るべきなのか、その辺りのことはわかりません。

いずれにしても、解散を意識した内閣であることは確かです。それというのも、小泉構造改革に代表される新自由主義的改革派といわれる方達がことごとく入閣リストから外されたことからも明らかです。これを「小泉改革路線からの転換」と報じるメディアが多いのですが、事実は少し違うのではないかと見ています。

不良債権処理、財政改革、民営化、規制改革などが小泉構造改革の代表とされるものですが、福田氏がそれを否定しているのではなく、原油高に伴う急速な景気後退を背景に、一時的な政策転換をする必要に迫られたと考えられます。

財政改革は何としても必要な改革ですが、その手法の違いに対立があります。小泉改革において代表されるのは公共事業費の削減でした。2001年度当初予算では9兆4335億円あった公共事業費は毎年度3%~4%削減され、2006年度では7兆2015億円まで減少しています。

地方へ行けば行くほど公共事業への依存度は高く、倒産、失業など痛みを伴う改革であったことは事実です。それに対する財政再建派は、財政再建と社会保障の安定に消費税増税が必要だと主張します。

今は景気対策重視へ転換するのもやむを得ないかもしれません。しかし、国の財政は厳しい。どうやって財源をひねり出すのか難しい。どちらの政策も経済環境が悪化している現在では、痛みを伴うことは同じです。

それ故、今回の改造内閣が構造改革路線をはっきり見限った内閣だという見方には疑問です。郵政造反議員が二人も入閣していることから、イメージとしてそのように捉えられるのかもしれませんが、福田首相にそれほど深い考えがあったとは思えません。

構造改革は時間がかかります。経済財政諮問会議は改革の司令塔でしたが、福田首相は小泉元首相のような「強い首相」ではないため、与党と喧嘩してまでやる自信はありません。選挙も控え、ここは官邸主導を貫くよりも与党との協調路線を優先するという判断なのだと思います。そのため、竹中路線を踏襲した大田弘子氏が外されたのでしょう。

民主党のバラマキ政策に対抗するためには、今は財政出動もやむを得ないという判断なのではないでしょうか。しかし、長期的には公務員改革など各種改革を避けて通れません。

どういった路線をとるにしても何らかの景気対策が必要なことは政府、与党内で一致しており、これから解散までの間にどのような政策を実行できるか見守りたいと思います。

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コメント

こんにちは~
組閣は「真夏の夜の夢」とはいきませんでしたね~。
渡辺大臣の留任が無かったのには失望しました。公務員改革はどうなるのでしょう?
今朝「竹中さん」が「上げ潮派が一掃された!これでは経済政策を誤る」とちょっと怒ってましたが。。。


投稿: 葉音 | 2008年8月 2日 (土) 12時57分

>葉音さま
こんにちは~
竹中さん怒ってましたね~
まぁ、景気対策を望む声が大きいし、選挙もあるし、一時的な政策転換もやむを得ないですかねぇ。
力の弱い首相としては、与党や官僚の力を頼らないと何もできないし、彼らの抵抗を押し切ってまで改革を進める力は無いですから。
ただし、財源はどうするの?って聞きたいです。
それに、この内閣も長くはないので期待していません。この内閣で選挙に勝てるとも思えませんし・・・
私は改革路線が間違いだとは思っていないので、このままズルズルと改革を後退させることは許されないと思います。
渡辺大臣など改革派の大臣が見事に外されたのはある意味サプライズでした。

投稿: minori | 2008年8月 2日 (土) 14時28分

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