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2007年10月29日 (月)

海上阻止活動の重要性

日本企業所有のタンカー乗っ取られる ソマリア沖

クアラルンプールにある国際海事局海賊情報センターによると、29日午前11時16分(日本時間)ごろ、アフリカ東部ソマリア沖を航行中だったパナマ船籍のケミカルタンカー(6253トン)から「海賊に乗っ取られた」との救難信号が入った。同センターによると、タンカーは日本企業の所有。乗組員の中に日本人はいないという。
 周辺国などが追跡しているが、タンカーと連絡が取れない状態が続いている。タンカーは無政府状態にあるソマリア方面に向かっているという。
(goo ニュース:朝日新聞2007年10月29日(月)18:49)

このニュースを、今国会で審議中の新テロ特措法と結びつけて考えた方は多いのではないでしょうか。
新法が日本にとっていかに重要な法律であるかは各方面から言われ続けており、確かに徐々にではありますが、新法の必要性を認識する国民は増えてきているようです。
しかし、自衛隊の給油活動がアフガニスタン国内のテロリストとの戦いだけではなく、日本のシーレーン防衛にとっても極めて重要な任務であることがあまり報道されていないような気が致します。

日本は海洋国家ですから、石油を始めとする重要な資源は海上を通って調達しなければなりません。多くの資源を海外に依存するわが国にとって、シーレーンの安全保障は最重要課題だといっても過言ではありません。
シーレーン防衛は、インド洋だけではなく、今回海賊に乗っ取られたタンカーのようにソマリア沖であっても重要なのです。

国会議員やメディアが「テロとの戦い」という言葉をあまりに使い過ぎると、そこから想像するテロリストというのは、アフガニスタン国内のアルカイダなどイスラム過激派と結び付けてしまいがちです。
アフガニスタン国内に限っていえば確かにその通りなのですが、自衛隊の給油活動は間接的ではありますが、「テロとの戦い」と同時に「海賊の取り締まり」という、わが国のシーレーン防衛任務も担っているわけで、むしろそちらの方が重要なのではないかと思われます。

「テロとの戦い」というとどうしても陸上での戦闘行為を想像しがちですが、実は海上には実に怪しげな船が航行しています。
その一例として2002年に起こった「ミサイル輸送船臨検事件」を紹介したいと思います。

<<十二月十日、「アフリカの角(Horn Africa)から東に約1000キロの公海上で、国旗を掲げず航行していた船を、警戒中のスペイン海軍艦艇が、威嚇射撃を加えて停泊させ、特殊部隊員による臨検を行った。船は、北朝鮮を十一月半ばに出港した「ソ・サン号(So San)」であった。港を離れて以来、米情報部と海軍が、偵察衛星などを使い行方を追っていたものである。積み荷目録には、セメント四万袋とのみ記載されていたが、セメント袋の下から、梱包されたスカッド・ミサイル(分解状態)、液体を入れたドラム缶などが見つかった。スペイン政府の公式発表によれば、スカッドは全部で十五基、ドラム缶の中身はミサイル燃料であった。>>
(島田洋一『アメリカ・北朝鮮抗争史』(文春新書、2003年)より引用)

スペイン海軍の臨検はアフガニスタンの対テロ戦争における海上阻止活動の任務として行っていたわけですが、この「ソ・サン号」という船の行き先が問題でした。
船の行き先はイエメンでした。
当時イエメンはテロとの戦いにおいて、CIA偵察機の自国の領域内の飛行を認めるなどアメリカに協力的であったため、ブッシュ大統領は苦渋の決断の末イエメンへの船の引渡しを認めたのです。

この事件は二つの意味で注目される事件です。
まず、テロとの戦いには海上阻止活動が有効であることが証明された。
一方、不審船に友好国が関与している場合、自衛活動は困難であるという問題が生じる。

給油活動を行っている日本はもちろんアメリカの友好国とみなされますから、日本が関与する船であれば他の友好国が危険を冒してでも臨検等を行い、シーレーンの安全保障は確保されます。
しかし、テロとの戦いから撤退してしまえば、アメリカを始めとする各国は本気で日本を守ってくれるのでしょうか。
もしあの時イエメンがCIA偵察機の飛行を認めていなかったのなら、積み荷押収後「ソ・サン号」は即座に撃沈された可能性が高かったでしょう。

何度も言うようですが、わが国にとってインド洋での給油活動ほどローリスク、ハイリターンのものはないです。シーレーンの安全保障という観点から今一度考えて欲しいと思います。

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2007年10月28日 (日)

今日は良い天気

Sannomaru 今皇居の三の丸尚蔵館では「祝美(いわいのび)-大正期皇室御慶事の品々」という展示が行われています。(詳細はこちら
この尚蔵館の規模は大きくはありませんが、皇室ゆかりの美術品などが展示されており、他の美術館ではなかなか見ることの出来ない珍しいものがあります。
大手門から入ると近いので、あの界隈を訪れることがあれば、行かれてはいかがでしょうか。入館料は無料です。
今日は久しぶりに入館してみました。
写真は尚蔵館の近くに咲いていたジュウガツザクラです。
あまりうまく撮れませんでしたorz

昨日の荒れ模様から一転、今日は良い天気。
皇居の空気もさわやかでした。
東御苑は四季折々の植物が楽しめますので、三の丸尚蔵館とあわせて散策されるとよいかと思います。
皇居東御苑の公開要領はこちらです。

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2007年10月27日 (土)

カレーライスで懇談

衆院選「そわそわするな」=福田首相、チルドレンと昼食会 

福田康夫首相は26日昼、当選1回の衆院議員でつくる「83会」のメンバーのうち半分の約40人と首相官邸でカレーライスを食べながら懇談した。首相は新テロ対策特別措置法案に反対する野党の対応を「残念」と述べる一方、「こういう時に政局を混乱させてはいけない。そわそわするな」と早期の衆院解散を否定、新人議員を安心させていた。
 席上、83会会長の土屋正忠衆院議員が「(次期衆院選で)83会が瓦解すれば自民党は政権党から落ちる」とし、支援を要請。首相は「(勝利への)環境を整えるのがわたしの仕事だ」と強調した。 
(goo ニュース時事通信2007年10月26日(金)18:05)

福田さんといえども、チルドレンの存在を無視することは出来なかったようですね。
なかなか気を使っているようです。
いくら今度の選挙で落選する可能性が高くても、何と言っても現職の国会議員ですから、選挙ともなれば彼らの公認をはずすというのはかなり難しいのではないでしょうか。
伊吹さんや古賀さんはどうするつもりなのかな・・・
公認差し替えなんてことになったら、ひと騒動ありそうです。
しかし、『官邸のカレーライス』って有名ですね。
小泉元総理も官邸にいらっしゃった頃は、議員さんを招いてはカレーライスを食べながら懇談していたようです。ご馳走になった議員さんのブログに『あそこのカレーは昔からおいしいと評判だ』と書かれているのを読んだことがあります。
私も一度食べてみたいものです。

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2007年10月25日 (木)

平沼氏の発言について

<平沼元経産相>次期衆院選後の政界再編は不可避との見方

05年の「郵政選挙」で自民党を離党した平沼赳夫元経済産業相は24日、東京都内で講演し、次期衆院選後の政局について「(参院で野党が過半数を占める)ねじれ現象を解消するには、民主党の一部に手を突っ込んで政局にしないといけない」と述べ、政界再編は不可避との見方を示した。
 平沼氏は「民主党内の健全な保守をつくりたいという願望を持つ人たちが乗りやすい船をつくるのが、先輩に課せられた使命だ」とも発言。新党結成に向けた動きが起きる可能性も示唆した。【堀井恵里子】
(Yahoo!ニュース:毎日新聞10月24日18時31分)

『政界再編は不可避』、という考え方はある程度当たっていると思いますが、その時期や新党の内容については微妙な問題を含んでいると思います。

まず、平沼氏が言うように、『民主党の一部に手を突っ込んで政局にしないといけない』というのは、自民党が負けた場合はその通りなのですが、肝心の民主党側はそう簡単に乗ってくるとは思えません。

なぜなら単純な話ですが、選挙に勝ちさえすれば政権が転がり込んでくるからです。
民主党内の保守派にとっては、たとえ党の現状に不満があったとしても、大臣になれるかもしれない可能性を捨ててまで政局にしようとは思わないのではないでしょうか。

ただし、民主党は議席を伸ばすのは確実だとしても、単独で過半数をとれるのか、または、既存の政党のどこかと連立を組んで過半数をとれるのか等、勝ち方のパターンによって状況は変わってくると思います。
民主党が公明党や自民党の一部と組まなければ過半数を得ることが出来ない場合は政局になるでしょう。

民主党を中心とした政権が成立した場合、選挙直後の政界再編にはならなくても、いずれ内紛により、近い将来政界再編は起こると思います。

次に、「保守系の新党」の可能性について。
その出現を待っている有権者は多いと思いますが、望まれる新党が平沼氏が考えているような保守新党なのかどうかは疑問です。

もし、平沼氏が党首となって立ち上げる新党であるならば、相当右寄りな新党だと思います。
現に左の政党として共産党や社民党が存在するのですから、右の共産党ともいえる保守新党が存在しても良いとは思いますが、どれだけの支持が集められるのか疑問です。

ここ数年の政治や社会の流れを見ていると、いわゆる左翼といわれる方々というのは、絶対的な支持者は少ないのにもかかわらず、団結力、機動力、草の根のネットワークの強さというものは侮れないものがあるなと思います。

それに比べて保守派というのは非常に幅広く捉えられていて、全体としての支持者は多いのですが、保守としての一体感の無さ、つかみ所のないところが弱点だと思います。
何か一つの運動を展開しようとしても、左翼の方たちのような団結力もないですね。
サイレント・マジョリティとノイジー・マイノリティの構図といってもいいかもしれません。

そんなまとまりのない保守の方たちに、平沼氏が掲げるような原理主義的な保守思想を訴えかけても支持は広がらないのではないでしょうか。
例えば、『総理大臣は必ず終戦記念日に靖国神社を公式参拝しなければならない』とか『皇室典範の改正について女系論議は絶対に許されない』など、原理原則をあまりに主張しすぎると大多数の国民は一歩引いてしまうと思うのですが・・・

こういうことを言うと真正保守の方たちから怒られてしまうのかもしれませんが、それは私自身が少しリベラル色のかかった保守だからかもしれません。
もちろん、私も外国人参政権問題や人権擁護法案問題については平沼氏には頑張って欲しいと思っています。

ですから、平沼氏が真剣に新党構想をお持ちであるのなら、幅広い考えを持つ保守の支持を得られるよう、穏健な保守政党を目指した方が現実的だと思います。

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2007年10月24日 (水)

国益と政党の利益

証人喚問優先を強調=民主・小沢氏

民主党の小沢一郎代表は23日夕、札幌市内で記者会見し、新テロ対策特別措置法案の扱いについて「証人喚問によってまず事実関係を国民に知らせないといけない」と述べ、守屋武昌前防衛事務次官らの証人喚問が実現しない限り委員会での審議には応じられないとの考えを示した。 
(goo ニュース-時事通信2007年10月23日(火)21:35)

最近何かと忙しく、ニュースのヘッドラインもほとんどチェックしていない状態なのですが、時折耳にする民主党のニュースにはため息が出ます。
小沢さんは一体日本の行く末をどう思っているのでしょう。
日本の国益よりも民主党の利益を優先しているとしか思えないのですが・・・
与党も証人喚問はやるといっているのですから、それと平行して給油新法の審議には応じるべきでしょう。何か理由をつけては審議に応じないという姿勢を続けていては国民の信頼を失います。

民主党の方々は、直近の選挙の結果を受けて、さかんに「民意はわれわれ民主党にある」とおっしゃっていますが本当にそうなのですか?
はっきり申し上げて、あの時は年金問題や政治と金の問題に国民が怒っていた結果、与党自民党へお灸をすえるため抗議の意味で民主党に投票した有権者が多かっただけです。
その方たちが民主党にわが国の安全保障政策まで委ねたとは到底思えません。
なぜなら、あの選挙では、わが国の将来をどのようにしていこうかという、大きなテーマ、憲法とか安全保障問題が争点だったわけではありませんから。
ぜひ次の選挙までに、小沢さんや民主党の議員の方々に「民主党の安全保障政策、外交政策」を具体的にお示しいただきたいと思っております。

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2007年10月22日 (月)

語り芸と笑い

昨日、国立能楽堂で行われた「万作を観る会」の感想など・・・
今回の公演は、能「姨捨」の間狂言の語りと同曲の仕舞、狂言が「昆布売」「鐘の音」「千切木」の三曲という構成。

いままで何度も同会の公演を拝見しているのですが、今回は万作師が人間国宝に認定されてから初めての「万作を観る会」。万作師の品格にふさわしい素晴らしいプログラムです。見る側にとっても何か身の引き締まる思いが致しました。

能「姨捨」の間狂言の語りと同曲の仕舞という企画は、恐らく今後もまず考えられませんから大変貴重な舞台を拝見させていただきました。
今回の舞台の素晴らしいところは、「語り」と「仕舞」の両方が演じられているところです。
これは万作師がよくおっしゃっている「能あっての狂言」という両者の深い関係の表れでしょう。

能を観ていると、どうしても能そのものに注目してしまいがち。間狂言の語りは物語の展開上重要であるにもかかわらず、次の場面へのつなぎのような役割としか考えない観客も多いと思います。

能のシテは現世の人間よりも、この世のものではない霊とか「山姥」のような山の精といった、人間を超越した人物が多く登場します。
そのため狂言師が現世の人間である観客との間に立ち、語りをすることによって、シテと観客との距離感を縮める役割を担っているのです。

この「姨捨」は、「檜垣」「関寺小町」と共に『三老女』として、能では最奥の曲とされています。
シテの演ずる「姨捨」の老女は、仲秋の名月のもとで舞をまう、月の精とでもいった幻想的で品格のある美しい老女です。
老いることは、宇宙や自然といった現実の世界を超越した世界に近づくこと。崇高な美しさを得ることにも等しいといった描かれ方です。

ところが、間狂言の語りでは、一転して残酷で現実的な話が語られます。
間語りの詞章はあまり表面に出ないものですが、今回いただいたパンフレットには詳細に載っておりました。

こうやって文字にしたものを改めて読むと、なんて残酷な物語なのでしょう。
間狂言では、盲目の老女が山に捨てられるに至った悲惨な物語を語るのですが、嫁姑の生々しい確執などを詞章のまま語るだけでは下品になります。
しかし、一方では観客に物語を正確に伝えるという役割も果たさなければなりません。
そこに間狂言の語り手として、最高の芸位に達した者しか表現できない難しさがあるのではないでしょうか。

万作師の穏やかな中にも気迫のこもったお声、そして時折鋭く光る眼光が、「老いること」の尊さと現実の悲惨さの両面を表しているかのようで、閑寂な舞台が師の品格を一層際立たせておりました。

続いての仕舞「姨捨」は野村四郎師。
もうこれはこの曲の仕舞を拝見することが出来ただけで貴重な体験といえるでしょう。
面も衣装もつけない仕舞という形式の中で、シテがいかにこの難しい曲の本質を表現することが出来るのか。また、それを我々観客がどれだけ受け止めることが出来るのか、そう問われているかのような緊張感がございました。

今回の公演は「姨捨」という人間の内面に問いかける演目が中心となっていたためか、狂言の演目は非常にわかりやすい、単純に楽しめるものばかりでした。

まずは「昆布売」。
昆布売は野村遼太くん、大名は石田幸雄師。
遼太くん高校二年生ですか。大きくなりましたね。
解説には新進狂言師とありましたから、もう遼太くんなんて呼べませんね。
若々しい伸びのあるお声で、身のこなしも美しい。
下克上の世相を反映している狂言ですが、その中にも大らかさを感じます。

次に「鐘の音」。
太郎冠者は万作師、主は私が大好きな万之介師。
鐘の音を擬音で表すところが見どころです。
太郎冠者役は若い狂言師が演じることも多いのかもしれませんが、万作師のようなベテランの狂言師が演じるのもまた味わい深いものです。
鐘といえば道成寺。
今年5月、宝生能楽堂で道成寺を観た時の寺男役のアイが野村万作師と野村万之介師でした。
真っ先にそのことを思い浮かべましたが、本当にお二人ともいいコンビです。

最後は「千切木」。
太郎は野村萬斎師です。
もうこれは単純に笑わせていただきました。
萬斎師はかっこいい役をやると決まりすぎてしまうので、私は太郎のような本当は弱虫なのだけれど強がっているだけの情けない男とか、「国盗人」の悪三郎のような悪のヒーロー役はとても魅力的に感じます。

狂言に出てくる女性は「わわしい女」(口やかましい、騒々しい、たくましいなどという意味)が多いのですが、太郎の妻もそのタイプ。
気の強い妻役は高野和憲師が演じられたのですが、萬斎師演ずる格好ばかりつける情けない夫との対比が非常に面白かったです。

妻が夫に対して仕返しに行くようにとしきりに煽るのですが、それは裏返せば夫を愛しているがために何とかしたいという妻の思いなのです。
「あぁ仲の良い夫婦なんだな・・・」
笑いの中にしみじみと深い愛情を感じました。
それにしても、当屋役の深田博治師の「留守っ!」の叫びには大爆笑でございました。

☆――――――――――――――---------‐‐‐

~あらすじ~

◇姨捨(おばすて)
都の男が仲秋の名月を見ようと信濃の姨捨山に赴くと、中年の女に声を掛けられる。女は、ここは昔、老女が捨てられ、「わが心慰めかねつ更科や姨捨山に照る月を見て」と歌を詠んだ所だと明かして消えうせる(中入)。
夜になると、澄みわたる満月の光に照らされて、白髪の老女が姿を現す。老女は、月天子(がつてんし)は勢至菩薩と同体で阿弥陀如来の脇侍であると説き、極楽の有様を描き(<クセ> )、昔を懐かしんで舞を舞うが(<序之舞> )、やがて夜が明け、旅人が帰ったあとも、昔のようにひとり取り残されて立ち尽くす。

―出典:「能・狂言辞典」編集委員・・・西野春雄+羽田昶(平凡社)1992年―

◇昆布売(こぶうり)
供を連れず、みずから太刀を持って出かけた大名が、通りかかった若狭の小浜の召しの昆布を売る商人(シテ)に声をかけ、同道を強いる。脅されて無理に太刀まで持たされ、従者扱いされた昆布売りは、やがて我慢ができなくなる。太刀を抜いて逆に大名を脅し、腰の小刀をとりあげて、昆布を売ることを強要する。その売り声も、小歌節や、平家節、浄瑠璃節、踊り節などでやるようにさまざまに注文をつける。大名は、教えられたとおりに懸命にやるが、昆布売りは太刀も小刀も奪って逃げ去る。

◇鐘の音(かねのね)
主人から鎌倉へいって金の値(かねのね)をきいてくるように命じられた太郎冠者(シテ)は、さっそく出かけ、寺々をまわって鐘の特徴を得々と報告すると、主人は怒り出し、冠者を追いだしてしまう。騒ぎを知った仲裁人が間に入って両者の言い分を聞き、冠者が鐘の音を聞きまわる様子を主人に演じてみせることになる。主人の機嫌を直そうと、冠者は謡いながら舞うが、結局主人に叱られる。和泉流では仲裁人が出ない。

◇千切木(ちぎりき)
連歌の会の頭(当番)にあたった男が、太郎冠者に会の仲間たちをよびにいかせる。皆は男の家に集まるが、そこへ仲間外れにされた太郎(シテ)がやってきて、なぜ誘ってくれなかったのかと文句をいう。さらに、花の生け方、掛け物の掛け方などに傍若無人に難癖をつけるので、怒った人々は太郎を打擲して放りだしてしまう。そのことを聞きつけた太郎の妻があわててかけつけ、しぶる太郎にむりやり棒を持たせ仕返しにいかせるが、どの家でも「留守」との返事である。すると、太郎は急に元気になり、棒をふり回して気勢を上げる。

―出典:『狂言ハンドブック』小林 責 監修 油谷光雄 編(三省堂)1995年―

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2007年10月21日 (日)

狂言を観ました

「万作を観る会」に行ってきました。
感想などはまた明日書こうと思います。

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2007年10月20日 (土)

難しかった

今日は上野の文化会館で「モーゼとアロン」を観ました。
う~ん、私にとっては難解でした。
旧約聖書の「出エジプト記」は、昔からよく知っていた話ではあったのですが、ペーター・ムスバッハの演出とうまく結びつかなくて考え込んでしまいました。
ムスバッハさんは脳神経科のお医者さんだったそうで、確かに、あれは大脳から見た世界でしたね。
一見すると『ありゃマトリックスか?』って感じの異様な舞台でしたけど、合唱の美しさは評判通りでした。
そして、危機感をあおるようなオーケストラの響きも美しかった。
恐らくこういう演目は、今後なかなか日本では観る事ができないと思うので、貴重な公演だったと思います。
今日はベルリン国立歌劇場日本公演の楽日だったので、舞台上では鏡割りが行われて華やかでした。
先月から立て続けにオペラを観たのですが、これで当分お休みです。
明日はぜんぜん違う世界、狂言を観に行ってきます。

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民主党の対案

自衛隊派遣盛り込みは見送り、民主対案で鳩山幹事長

民主党の鳩山幹事長は19日のTBSラジオの番組で、新テロ対策特別措置法案に対する民主党の対案について、「自衛隊を(アフガニスタンに)出す、と民主党内で議論をまとめることは、まず出来ない。そうするべき時ではない」と述べ、対案への自衛隊派遣盛り込みを見送る考えを示した。
 鳩山氏は15日の講演で「陸上自衛隊(の派遣)は一つの選択肢としてあり得る」と述べていたが、党内の反対論を踏まえ、方針転換したものと見られる。
(goo ニュース-読売新聞2007年10月19日(金)20:30)

民主党は対案を出すようですね。面白くなりそう。
対案は、民生支援で派遣される文民の警護のため、自衛隊ではなく外国の民間警備会社の活用を想定しているようです。
具体的には、外国の民間警備会社が雇用する現地のアフガン人に守られる形のようですが、それはかなり危険だと思います。

今タリバンとかアフガニスタン関連の本を読んでいるのですが、とにかく彼の地は危険極まりなく、いつ命を落としても不思議でないところだということがよくわかりました。
隣国のパキスタンでは爆弾テロが起こり、イランでは日本人学生が誘拐されたままです。
民主党が考えている国際貢献は、現在の状況では極めて危険です。平和構築にも手順というものがあって、現在のアフガニスタンには、まだまだ軍事力が必要なのです。

民主党内には「警護は必要だが、そこまで自衛隊を敬遠しなくてもいいのに」との声もあるようですね。
やはり、党内左派の自衛隊アレルギーに配慮してのことなんでしょう。
民主党がすぐに国連や民生支援を持ち出すのは、日米同盟や自衛隊に反対だからです。
これは言い換えれば、民主党は日本の安全保障や防衛に真剣に取り組む気が無いということ。
危険なアフガニスタンの内地に日本人を派遣するリスクに比べ、現在の給油活動はローリスク、ハイリターンの極めて効率の良い国際貢献です。
なぜこれに反対するのか理解できません。

小沢さんはそんなことよりも総選挙のことしか頭にないようです。
ニュースにはならなくても、民主党の実態はいろいろなところからわかってしまうんですよ。

自民党の松浪健四郎議員はネット上で毎日日記を更新していらっしゃるのですが、そこに小沢さんはいつものごとく本会議を欠席していると書かれていました。
また、民主党の若手議員は、役所の自治労の同志から地元の葬式日程を教えてもらって、本会議のない日は葬式に出席のため多忙だそうです。そういう議員のことを“葬式議員”と言うんだとか。(松浪議員の日記はこちら

親分は本会議をズル休み、若手議員は国会よりも地元の葬式に走り回っているというのが実態ですか。
それで国会に出てくれば、何でも反対。
もうあきれるというか、なんというか・・・
国民がこうした実態を知らないのが悲しいです。

松浪先生はアフガニスタンの国立カブール大学で教壇に立ったこともあるそうで、アフガニスタン情勢については大変詳しい方です。
そういう方だからこそ、余計に民主党の態度には腹が立つのではないでしょうか。

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2007年10月19日 (金)

再議決の規定

衆院通過か、継続かが焦点 対テロ新法案で政府判断へ

新テロ対策特別措置法案は23日の衆院本会議での審議入りが決まったが、与野党逆転の参院では否決の可能性が高い。今後は、衆院段階で継続審議とするか、衆院を通過させて参院に送付するかをめぐる政府、与党の判断が焦点となる。参院で否決の場合、憲法に基づく衆院での再議決の道もあるが、衆院解散・総選挙につながりかねない再議決には与党内に慎重論が根強く、国会会期の延長問題も絡み難しい判断となりそうだ。
(goo ニュース-共同通信2007年10月18日(木)18:13)

なぜ憲法に再議決の規定があるのでしょうか?
憲法は衆参のねじれにより立法機能が不全にならないよう、今回のような状況が起こることを見越して、衆議院の優越性を認め規定したものと考えられます。
ですから、粛々と再議決すればよろしいかと思います。
確か、前官房長官の与謝野氏もそんなことをおっしゃっていたような覚えがあります。
インド洋での給油については、国民の理解もかなり広がってきているようなので、再議決によって解散への圧力が高まるとは思えないのですが・・・
逆に、参議院で否決することによって、野党、特に民主党に対する非難が高まるという可能性もあるわけでして。
三分の二で再議決なんて、二度と出来ないことだと思いますから、思い切ってやって欲しいんですけどね。

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2007年10月18日 (木)

守りは苦手の民主党

<小沢民主代表>テロ特対案の法案化「決まっていない」

民主党の小沢一郎代表は16日の記者会見で、政府が17日に閣議決定する新テロ対策特別措置法の対案として提出する法案について「まだ法案を出すかどうか分からない。結論は決まっていない」と述べ、党内や政府・与党の動きを見極めて判断する考えを示した。【渡辺創】
(Yahoo!ニュース-毎日新聞10月16日20時14分)

こういうところが日本の政治は三流といわれるところなのかな。
小沢さんは政局化することしか考えていないもの。
日本や国民がどうなろうと関係ない。
どうやったら与党を追い込んで解散に持っていけるか、そのことしか頭の中にないのですね。

本当に政党として国民に存在感を示すのであるならば、対案を出すのが当たり前。
そして堂々と与党と向き合って論戦すればよいでしょう。
でも、不思議なことに日本の場合、野党が対案を出してきたことなどめったにないのです。

以前、民主党が「教育基本法改正案」の対案を出した際、与党が民主党案を丸呑みして通そうとしたことがありました。
愛国心をめぐる表現などは、公明党に配慮して作った与党案よりもよほど優れていたこともあり、国民にも評判が良かったようです。

ところが、民主党は与党が丸呑み作戦で来るとは思っていなかったのであわてました。
結局、自ら提出した対案の採決を拒否するというみっともないことに・・・
これが民主党お得意の「賛成だけど反対なのだ」戦略です。

2005年の10月にはこんなこともありました。
衆院郵政民営化特別委員会は、政府の郵政民営化関連法案と民主党の郵政改革法案の一括審議を行いました。
めずらしく民主党が対案を出してきたのです。

対案があれば与党側に質問権が生じます。
郵政選挙で圧勝した自民党は、質問者として片山さつき、佐藤ゆかり、赤沢亮正の三人を立ててきました。この時のこと覚えている方も多いのではないでしょうか。

皆さん新人議員ながら民主党を鋭く攻めました。
当時の小泉首相も「民主党の皆さんの答弁を聞いていると、(自分が)批判することには慣れていても、批判されるとカッカする点では、少しは勉強になったのではないか」と余裕のコメント。

民主党は、攻めることは得意でも、守りはめっぽう弱いのですね。
だから「対案を出せ」といわれても「いやん~」と逃げてしまう。
もうトラウマになっちゃってるかもです。

民主党にとって対案を出すということは相当な覚悟がいるということです。

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2007年10月17日 (水)

ヒラリーさんの外交政策

「アジア外交は中国基軸」クリントン候補が外交政策

【ワシントン=五十嵐文】次期米大統領選で民主党の最有力候補と目されるヒラリー・クリントン上院議員(59)は15日、外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」に、大統領に当選した場合の外交政策を発表し、この中で、アジア外交では中国を基軸とする方針を打ち出した。
 クリントン氏は、中国との関係が「今世紀において、世界で最も重要な2国間関係となる」と指摘。北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議で、北朝鮮の核関連施設の無能力化に関する合意を達成する上で「中国の支持が重要だった」と強調し、同協議を基に「北東アジア安全保障」の枠組みを構築すべきと提唱した。
 気候変動問題などに取り組むため、日米中3か国による共同計画を検討していくことや、オーストラリア、インド、日本、米国4か国の枠組みでの対テロ協力の強化などに触れたが、日米同盟については指摘しなかった。
(Yahoo!ニュース-読売新聞10月16日20時28分)

ヒラリーさんが親中派だということは有名な話でしたし、最近、中国系実業家から違法献金を受け取っていたのではないかとの疑惑が報道されたこともあり、この記事を読んでも「あぁ、そうですか」程度の感想しかないです。

アメリカの大統領が誰になるのかはまだまったくわかりませんが、共和党から民主党に政権が変わることになれば、日米関係は安全保障政策上これまでのような緊密な関係を保つことは出来なくなるのは確実でしょう。

今国会で審議している給油新法にしても、もし苦労して法律を成立させたとしても、民主党政権からはそれほど感謝されないかもしれない。もしかしたらアメリカ自体がアフガンから手を引いてしまうのかもしれないのです。

日米同盟は変わりなく続きますが、これまで以上に空気のような関係になっていく。それはある意味二国間の関係が安定期に来ているということだと思います。

中国との関係は日本にとっても最大の貿易のパートナー。アメリカだって同じです。日米とも中国への関心が高まるのは当たり前というもの。
アメリカにとって今後も日本が重要な国であることには変わりなく、ただそれを声高に言う時期は通り過ぎて、落ち着いた関係に入っていくと考えれば良いんじゃないでしょうか。

とはいっても、アメリカにおける日本の情報発信力は中国にくらべれば大変弱いです。このまま日本が何もしないというわけにもいきません。
中国からアメリカに送り込まれてくる留学生の数も日本とは桁違いです。中国から送り込まれるヒト、モノ、カネの量的攻勢に日本が対抗できるはずもないので、質を高めていくしかないですね。そのためにはこれまで以上に優秀な人物を送り込んで知日派を育てていくという努力をしないといけないのではないでしょうか。

でも、現在日本は政治的に不安定な時期に入っているので、長期的な視野にたった外交戦略を展開できない状態です。アメリカ側に立って考えれば、こうした同盟国の不安定な状況は好ましくないので、まずは日本国内の政治的安定が望まれます。

日本も小沢民主党に政権が交代することも見据えて、小沢氏が目指す外交政策とは何かをはっきり国民に示す時期に来ているのではないでしょうか。
外交政策、安全保障政策に関しては、与党と野党とで180度も違う政策であってはならないので、総選挙前にははっきりさせるべきです。

それにしても、ヒラリーさんという方は、支持・不支持がはっきり分かれる人ですね。
支持者も多い一方、「絶対に支持しない」というコアな人たちが大勢いるのが彼女の特徴だそうです。

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2007年10月16日 (火)

首相の訪米その他

11月半ば訪米で調整 首相、給油継続へ民主けん制狙う

福田康夫首相は就任後初の外遊先に11月中旬の訪米で調整を進めている。アジア重視の姿勢も示しつつ、日米外交を主軸とする立場をアピールし、米側の支持を取り付けたい考え。ブッシュ大統領との間で給油活動継続の必要性を確認することで、民主党をけん制する思惑もある。ただ、給油新法をめぐり国会会期延長や、参院で否決された場合の対応については、首相の腹はまだ固まっていないとの見方が大勢。
(goo ニュース-共同通信2007年10月15日(月)21:06)

この短いニュースの中から思うこと。
①福田首相の訪米
②国会会期延長
③参院で否決された場合の対応

とにかく福田首相の初の外遊先が米国に決まったということは一安心。
アジア、ヨーロッパ、中東など日本にとって重要な国は多いけれど、それらの国々との関係を深めるためには、まず日米基軸が最重要だということを忘れてはならないと思います。

安倍前首相が就任直後に中国、韓国を電撃訪問して驚かされましたが、あの戦略的互恵関係というものは何だったのか、本当に戦略があったのか、未だによくわかりません。
安倍氏はその後の外遊先も欧州を選ぶなど、結局、米国を訪問したのは就任から7ヶ月も経った4月下旬でした。米国は内心苛立っていたのではないでしょうか。

福田氏が中国、韓国寄りではないか、との印象を持たれているからこそ、真っ先に米国訪問をするというのは意義があると思います。
米国は大統領選挙を控え、外交政策や安全保障政策がこれまでと変わる可能性があります。
今ここで米国との同盟関係を互いに確認し合うことは重要です。

次に国会会期延長について。
毎回、会期末になると重要法案を通すために会期を延長することが当たり前のようになっています。
メディアでは「与党が強行採決した!」などと、採決の方法ばかりに焦点を当てた報道をしますが、よく考えてみればおかしくないですか?
そもそも会期というものがあるから、それにあわせて国会運営をしているわけで、そうだったら会期なんてなくしてしまえばいいと思いませんか?

なぜ会期があるのかというと、国会には「会期不継続の原則」があるからです。
これは「国会の会期中に議決されなかった案件は,次の国会に継続しないという原則。つまり原則廃案になるということ」です。もちろん、議院の議決で委員会の継続審議とされた場合は,この原則は適用されません。

こういう制度はどの国も採っているのかというと、そうではなく、すでに多くの国では撤廃された制度です。
アメリカ、イギリス、ドイツなどでは、議員の任期(つまり総選挙から総選挙までの間)を単位とした「議会期」という制度を採っていて、原則、通年で審議します。

日本はただでさえ短い会期の中で、衆参の本会議、委員会と手順を踏んで審議していくので、その過程のどこかで審議が滞ると、たちまち日程の調整がつかなくなってしまいます。
野党はそれを承知の上で審議拒否をし、抵抗する野党として格好をつけるわけですね。

安倍前首相は重要法案を通すために、やむを得ず与党単独採決を連発したのですが、結局は「強行採決」というレッテルを貼られひどい言われようでした。
常に日程を気にしながらの審議では、重要法案など成立するはずがありません。他の先進国のように「議会期」制に移行すべきです。

次に参院で否決された場合の対応について。
民主党が対決姿勢を崩さない限り、解決方法は無いとしか言いようがありません。
そもそも日本の二院制度に欠陥があるので、解散のある衆議院と、解散がなく、3年ごとに半数の議員が改選される参議院の意見を一致させよう、ということ自体が困難なこと。たまたま長い間自民党を中心とした与党が衆参両院で過半数を確保していたため表面に現れなかった憲法の欠陥だと思っています。

参議院に解散がなく、基本的に6年間院の構成が変わらないということは、どれだけの国民が認識しているのでしょうか。
それがどういう結果をもたらすのかということも含めて、もっと広く国民に議会制度を知らしめるべきだと思います。

参議院はもはや良識の府とは言えず、対立の場と化してしまったからには、いずれ選挙制度を含めた二院制の改革に手をつけざるを得ないと思います。
イギリスでは、政府が政権公約に基づいて審議しているものについて、貴族院は原則反対しないことになっているのですが、日本の参議院にそれを求めるのは無理というもの。

給油新法についても、以前であれば野党の面子を立てることが出来る落としどころを探ることも可能でしたが、それも無理でしょう。
やはり公明党に何らかの配慮をしたうえで、三分の二条項を使うしかないような気が致します。

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2007年10月14日 (日)

今週もワーグナー

Berlin_2 今日はNHKホールでベルリン国立歌劇場、バレンボイムの「トリスタンとイゾルデ」を観ました。(写真は「大入」の看板も出ているNHKホールの正面玄関。確かに満席でした)

このところ2週続けてワーグナーです。
まず目を惹いたのはシンプルだけれど意味深な演出。
パンフレットによると、『古典作品を現代的に読み替え、舞台にアクチュアリティを積極的に盛り込む演出は昨今のドイツのオペラ界の大きな流れである』とありました。
確かにその説明で納得。バイエルン国立歌劇場の時もそんな感じでしたから。

今日の演出も舞台上には巨大な羽をつけた人間(あれは天使か?)が伏せていて、それが場面ごとに回転するだけ。他に舞台上の飾りは無し。
一種の心理劇だからあまりごてごてした飾りは無い方が効果的なのかもしれません。
なにか一枚の絵を眺めているかのよう。シンプルで美しい演出でした。

イゾルデ役のワルトラウト・マイヤー氏はもう14年もイゾルデ役をやっているそうです。
とても「言葉(言語)」を大切にしている方のようで、「私は言語を愛している」「字幕を見ていると感動は半分になってしまうので、事前に筋書きを自宅で読み終えて欲しい」とおっしゃっていたようです。

マイヤーさん、ごめんなさいm(_ _)m字幕をかなり見てしまいました。
でも、マイヤーさんの素晴らしさは十分伝わってきましたからお許しを・・・
あの深くて悲しい愛を表現するには、ただ歌がうまいだけではダメなんですね。
彼女のように言葉への感性というものを常に磨いている方でないと、表面的な美しさで終わってしまうということ。
もちろん、これからは見る側の自分自身の感性を高めなければいけないのでしょうけど。
今回は自分が勉強不足だったので反省しています。

トリスタン役のクリスティアン・フランツ氏は歌は良かったのですが、なにしろルックスがちょっと・・・という感じ。
すごく気になったのはトリスタンだけ衣装がすごく普通というか何というか、他の方とのバランスもあることですし、もうちょっと何とかして欲しかったんですけど・・・

マルケ王役のルネ・パペ氏は素晴らしかったです。重厚な感じですね。私の後ろの席の方が、パペ氏に盛んにブラボーを叫んでいました。
すごくテキトーですがこんな感じです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~
今日の昼ごはんPotomac_2
「牛フィレ肉のビーフピラフ」
グランドプリンスホテル赤坂
ポトマックで食べました。
お肉はとても柔らかいです。お肉にかかっているソースも美味です。
レタスが混ざったピラフはあっさりした味でおいしかったですよ。
お店の方に、「お料理の写真撮っていいですか?」
と許可を得ようとしたら、キョトンとされてしまいました。
そんなこと聞かずにパシャパシャ勝手に撮る人のほうが普通だったから。
でもね、一応マナーとして聞いた方がいいかと思うんですけどね。
あそこは鏡も多いし、フラッシュが反射するのであまりパシャパシャ撮るのもちょっとって感じですから。

Akasaka この国旗どこの国のものかわかりますか?
赤坂見附周辺にあちらこちら掲げられていたのですが、これはナミビアの国旗なんです。
今日、ナミビアのポハンバ大統領が来日されていて17日まで滞在されます。

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2007年10月13日 (土)

冷凍保存の赤福

「赤福」30年前から冷凍・再包装

創業300年の和菓子の老舗「赤福」(本社・三重県伊勢市)による製造日の偽装表示問題で、農林水産省は12日、同社に対し、日本農林規格(JAS)法に基づき、不適正表示の改善や再発防止策の提出などを指示した。
 同社は、製造日に出荷しなかった商品を冷凍保存し、解凍して包装し直した日を製造日として出荷していた。不適正表示で販売された商品は2004年9月からの3年間で約605万箱に上り、総出荷量の18%にあたるという。
 農水省によると、同社は看板商品の「赤福餅(もち)」について、包装済みの商品を直接、本社工場内の冷凍庫に運んだり、配送車で東海地方の販売店舗を回った後に残った商品を持ち帰ったりして冷凍保存。その後、「まき直し」と称して注文数などに応じて解凍し、再包装した日を製造年月日と表示する行為を繰り返していた。
(goo ニュース-読売新聞2007年10月12日(金)14:49)

Akafuku2 「赤福よ、おまえもか・・・」と思わず言いたくなるほどがっかりしたニュースです。
三重、名古屋方面の方からよくお土産に頂くこともあり、好きだったので残念です。
とてもデリケートなお菓子なので、すぐに食べないと硬くなってしまいます。
そのため、赤福を頂くと大変!
本当はゆっくり味わいたいのですが、一刻も早く食べようと、その場にいる人たちにも強制的に配って食べきってしまうようにしていました。
それほど気を使っていたのに・・・

冷凍保存って・・・

そもそも冷凍保存ができるものだった、ということにショックです。
本店で出来立ての赤福を食べた方に聞いたのですが、名古屋駅などで売っているお土産用のものと柔らかさが全然違うと言っていました。
私はお土産用のものでも十分柔らかいと思っていたので、そういう話を聞くと、やはり『一旦冷凍保存した影響はあるのかもしれないな』と疑惑が頭をもたげてきました。
でも、もともとデリケートな素材なのですから、製造方法や製造日を正直に表示していればお客さんも納得していたはず。
赤福ファンは多いので、今後はきちんと表示すれば問題ないと思いますよ。

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2007年10月12日 (金)

国連憲章は憲法に優越する?

民主党の小沢さんは、政府・与党からISAF参加は違憲との指摘が出たことについて、「国連憲章を否定するのか。日本はあらゆる手段で国連の要請に協力するといって加盟申請した。国連憲章によれば 武力で平和を乱す者に対しては、武力をもってでも鎮圧することになっている。自民党、 政府の解釈こそおかしい」と反論しているようです。(ソースはこちら

小沢さんの発言を聞いていて不思議なのは、日本国自らの安全保障というものをどう考えているのか、ということ。
どんな国でも、まず自国の安全保障があり、そのうえで国連との関係を考えるべきではないのかなぁと思うのですが、まず国連ありきという主張が理解できません。
まぁそのことはちょっと置いておいて、小沢さんがさかんに「国連決議がない」と主張しているアフガニスタンにおける「不朽の自由」作戦という武力行使について考えてみます。

アフガニスタンにおける軍事介入の法的根拠とは何か。
まず考えられるのは、2001年9月11日の翌日12日に国連安保理で決議された「決議1368」です。

(前文)
安保理は、国連憲章の原則及び目的を再確認し、テロ活動によって引き起こされた国際の平和及び安全に対する脅威に対してあらゆる手段を用いて闘うことを決意し、憲章に従って、個別的又は集団的自衛の固有の権利を確認し―――

とあり、各項では以下の部分が最も関係の深い部分だと考えられます。

(3項)
すべての国に対して、これらテロ攻撃の実行者、組織者及び支援者を法に照らして裁くために緊急に共同して取り組むことを求めるとともに、これらの行為の実行者、組織者及び支援者を援助し、支持しまたはかくまう者は、その責任が問われることを強調する。
(5項)
2001年9月11日のテロ攻撃に対応するため、またあらゆる形態のテロリズムと闘うため、国連憲章のもとでの同理事会の責任に従い、あらゆる必要な手順をとる用意があることを表明する。

この決議では確かに国連憲章という言葉は出てきますが、「平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動」を定めた7章の下で行うとする文言はありません。
「不朽の自由」作戦という武力行使については、アメリカは個別的自衛権の行使として、またイギリスは集団的自衛権の行使として解釈していますが、日本がインド洋で行っている給油支援は集団的自衛権の行使であるという解釈はしていません。
限りなく7章に基づく行為ではあるのですが、厳密に言うと「有志連合による集団行動」になります。
確かに小沢さんの言うとおり決議は無いといっていいかもです。
では、国連で決議してくれなかったら何も出来ないのでしょうか。
そんなことはありませんよね。

そもそも、国連憲章でなぜ集団的自衛権が認められたのでしょうか。
(これには第二次世界大戦後の歴史的経緯がいろいろとあるのですが、ちょっと省略します)
安保理では、常任理事国のうち一国でも拒否権を行使すれば共同行為がとれなくなります。
これでは安保理が機能しなくなります。
そこで、安保理の理事会の許可なく武力攻撃に対する共同対処が出来るようにするため導入された権利が集団的自衛権だといわれています。

自衛であれば自国が武力攻撃を受けていなくても安保理の制約を受けることなく行動できるということ。
これでは何のために国連があるのかということになってしまいますが、国家というものはどんな国でもまず自国の安全保障を考えるもの。当然といえば当然の権利です。国連というところは非常に矛盾に満ちたところでもあるということです。

ですから、小沢さんのようにまず国連を考えるというのは国家の指導者としては非常におかしな考えです。
恐らくそこには反米という意識があるのではないでしょうか。
民主党内の左派勢力に配慮したものなのか、ご自身の考えなのかわかりませんが、日米同盟や自衛隊という枠組みに対抗する存在として、国連を持ち出してきているのではないかと思われます。

以前のエントリにも書いたのですが、ドイツはシュレーダー政権当時、ドイツ連邦軍のNATO域外への派兵について首相は、原則「国連安保理決議などの疑う余地のない国際法上の根拠を必要とする」とはっきり述べています。
しかし、それと同時に「人道的意味での破滅的状態や、深刻な人権侵害を阻止するために、人道的理由から緊急に直接介入が求められる場合はその限りではない」と明言しているのですね。もっとも、この派兵については憲法上も違憲ではないとの判決を得ているのですが。

小沢さんはこういった考え方が出来ないのでしょうか。
ISAF参加は違憲ではないと主張なさるのなら、ドイツのように合憲であるとのお墨付きをもらえばいいでしょう。

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2007年10月11日 (木)

NHKと民主党

NHK経営委員長、「選挙中は慎重に」で釈明=民主、人事に不同意も

NHK経営委員会の古森重隆委員長(富士フイルムホールディングス社長)は10日午前、民主党の政調部門会議に出席、選挙期間中は歴史物などの放送を慎重に行うようNHKに求めたことについて、「一般論を言っただけで、個別の番組に注文を付けてはいない」と釈明したが、民主党側からは批判が続出した。
 古森委員長は9月11日に開かれた経営委員会で、「選挙期間中の放送については、歴史物など微妙な政治的問題に結び付く可能性もあるため、いつも以上にバランスに注意してほしい」と要請していた。
 一方、この日の会議では、衆参両院の同意が必要なNHK経営委員人事について、民主党関係者から「今後同意しない場合もあり得る」との意見も出た。 
(goo ニュース-時事通信2007年10月10日(水)12:47)

古森委員長は当たり前のことをおっしゃっているだけだと思いますが、NHKの橋本会長は「NHKは中立を目指している!」と不満あらわにしたそうですし、民主党も速攻で文句をつけてきたということは、両者とも痛いところを突かれたからじゃないですか。

民主党は情けないなぁ。
いつも民主党に有利な放送を流してもらっているから、つい文句を言ってしまったんでしょうけど、逆に中立性がないと言うことを暴露しているようなもの。

もうね、NHKには言いたいことは山ほどあります。
海老沢前会長の頃も番組は偏向していましたが、まだ我慢できました。
で、橋本体制になったら少しはまともになるのかと思ったらとんでもない。海老沢氏の頃よりも偏向の度合いがすさまじくなってます。

番組編成が思想的に左を向いているのはもちろんのこと、ニュースは更にひどいですね。
もう見るに耐えないことがよくあります。そういう時はスイッチを切ってしまうんですけど。

どのニュースをどれだけ取り上げて、それにどのような論評を付け加えるかということは、民放であれば放送局側の編成権の問題だと突っぱねることも出来るでしょうけど、NHKは受信料を徴収している公共放送なんですから、やはりバランスの取れた報道を心がけなければいけないと思います。

私は衛星契約の受信料をきちんと払っているのですが、番組はほとんど見ていません。
見ているのは、大河ドラマと時計代わりのお昼のニュースと連ドラだけ。
今はネットがあるし、テレビは民放とCSを見ているのでNHKが無くたって全然困らない。本当は解約したい気分。

NHKが「受信料をちゃんと払ってくれ」と主張するのなら、払わない人には今すぐスクランブルをかければいいんです。
地上デジタルが導入されるのが良い機会なんですから、B-CASカードを挿入していない家は見られないようにすれば済む話。
こんなに単純明快で公平性のある方法があるのになぜやらないんですかねぇ・・・

スクランブル導入の話になると、NHKって途端にごにょごにょ言い訳を始めるのですね。
なぜかというと、スクランブル方式にすると契約者がガクッと減ってしまうから。
途端に経営が成り立たなくなります。

私みたいに受信料は払っているけど、ほとんど見ていない家は、「それなら見なくても良いから解約しよう」ということになりますし、見てもいないのに受像機(TV)を持っている家から強制徴収することもできなくなります。
NHKはそれを恐れているのですね。

現在のような独善的な経営を続けるなら、せめて経営委員会の意見を謙虚に聞き入れて、番組に活かして欲しいものです。(そんな気全然なさそうですけどね)
もういっそのこと民放になって「我々は民主党を応援しています」と宣言すれば楽になりますよ・・・

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2007年10月10日 (水)

オーストラリア情勢

アフガニスタン派遣の豪軍兵士、直接攻撃で初の死者

【シドニー=新居益】オーストラリア国防省は8日夜、アフガニスタン南部ウルズガン州で豪軍車両が仕掛け爆弾による攻撃を受け、豪軍兵士1人が死亡したと発表した。
 豪州はアフガンに軍部隊約1000人を派遣。
 地元紙によると、アフガンでは2002年に豪軍兵1人が地雷で死亡しているが、直接攻撃による死者は初めて。
 ハワード豪政権は、イラクに部隊1500人を派遣し、最大野党の労働党が「段階的撤退」を主張して年内にも実施予定の総選挙に向け攻勢を強めている。アフガンへの部隊派遣については与野党で合意が出来ているものの、今回の死亡を機に、アフガン派遣の是非をめぐる議論が活発化する可能性もある。
(Infoseek ニュース-読売新聞2007年10月9日18時51分 )

Howard 先月シドニーで行われたアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、ブッシュ大統領と米国のイラク戦争問題に対するデモが行われたように、オーストラリア国民の間では、早くイラクから軍隊を撤退させて欲しいとの思いが強く、我慢も限界に来ていたようです。
そんな折、アフガンでついに直接攻撃による死者が出てしまいました。

最近、タリバン武装勢力の攻撃が強まっており、8月、9月と続けてタリバンとの銃撃戦で負傷者が出ています。
アフガンへの部隊派遣については与野党で合意が出来ているとは言っても、ハワード政権は非常に苦しい立場に立たされています。
ただ国民は冷静で、イラク戦争には反対だけれど、同時に米国との同盟関係が国の安全保障上重要と考えているようです。

すでにハワード首相は、総選挙で勝利しても任期中に退陣する考えを明らかにしています。
最近支持率の低下が著しいですからね、5期目の任期途中ですが、コステロ財務相に禅譲するようです。

ところで、現政権の最大のライバル労働党は、イラク南部の軍隊の段階的撤退を開始することを公約に掲げていますが、党首のケビン・ラッド氏はなかなかの曲者です。
ラッド氏は以前、豪政府のイラク問題への介入を支持する姿勢を示していたのですが、選挙を目前に控えて態度を変えたようで、その点はダウナー外相から批判されています。

APECでブッシュ大統領とも会談しており、「首相に選ばれれば派遣部隊を段階撤兵する」と宣言し、大統領に一歩も譲らなかったとか。
どこか小沢さんと似てませんか?
日本の民主党も、党利党略のためなら前言を翻すなんて当たり前なので、どこの国も同じだなと思ってしまいますね。

このまま総選挙に突入すると労働党が勝つ可能性が高いのですが、その理由はこんなところ。
まず、ラッド氏は労働党党首に昨年12月選出されたばかりの人でまだ50歳と若い。しかも副党首は女性で同じように若く、党自体にフレッシュなイメージがあること。
それに比べてハワード氏は67歳であるうえ10年も政権が続いているので、国民の間に飽きが来ている。

ラッド氏が首相になるとどう変わるのでしょうか。
一番変わるかもしれないのは、中国との関係ではないかと思われます。
なぜかというと、ラッド氏は大学時代、中国史と中国語を専攻していて、その後北京で外交官として働いた経歴の持ち主であるからです。
中国にもよく行っているらしい。
APECでは胡錦濤主席と会ってもちろん通訳抜きで会談したようです。

ハワードさんの立場無いですよね( ´Д⊂ヽ

しかし、ラッド氏のような中国通の首相が誕生すると、オーストラリアの対中国政策も変わってくるでしょう。このあたりのことは日本も相当戦略的に見ておかないといけないです。

気の毒なハワード首相といえば、決定的なことがあります。
与党が総選挙で負けそうだということ以上に心配なこと。
それはハワード氏自身が落選しそうだということ。
なんと、ハワード氏の選挙区から、野党労働党の候補として、マキシン・マキュー氏という人気女性ジャーナリストが立候補するようなのです。

ガ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ン

そ、それはあまりにかわいそう・・・
私、個人的にはハワードさんのあの愛らしい瞳が好きなので、つい同情が・・・

それにしても、日本もドイツもイギリスもフランスもみんなトップが変わってしまいました。これでハワード氏とブッシュ氏が退場するとすっかり様変わりしてしまいますね。あ、プーチンさんも変わりますね。首相として留まるみたいですけど。

これからの国際情勢は中国やインドが台頭してくるのは間違いないので、その中でいかに日本の存在感を高めていけるのかが課題です。日本は国力の割に政治力が弱いのでその点かなり不安ですが・・・

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2007年10月 8日 (月)

タンホイザー

今日は新国立劇場の今年度のオープニング公演「タンホイザー」に行ってきました。
ここのところ新国立劇場から遠ざかっていたのですが、97年に劇場がオープンしてから早いもので10年経ってしまったんですね。
若杉弘さんが新しく芸術監督に就任されたということもあって期待しています。

オペラでは演出がとても重要な位置を占めていると思うのですが、私はどちらかというとあまり奇をてらったものは好みではありません。
今日の演出はワーグナー演出の正統派といわれるハンス=ペーター・レーマン。
彼の演出はとても良かったと思います。それにバレエや合唱団も良かった。

カメラの映像をバックに映しこんだり、ガラスの円柱のようなセットを使ったりしているところなどはとてもモダンな感じがしますが、基本はあくまで正統派であって、音楽とのバランスが取れていて良かったです。
以前バイエルン国立歌劇場のタンホイザーを観たことがあるのですが、とても現代的な演出だったので、私は今日の演出のほうが好きです。

タンホイザー役のアルベルト・ボンネマは急遽代役に決まった方なので仕方がなかったのかもしれませんが、あまり専門的なことがわからない私が聞いても今ひとつって感じでした。歌い方にメリハリがないというか不安定というか、一人浮いてました。
精神的な愛と官能的な愛の間をさまよい苦悩する男という意味では、ある意味あのフラフラ感が現実的なのかもしれません。

逆に他の出演者は良かったです。
タンホイザー役がちょっと?だったので、ヴォルフラム役のマーティン・ガントナーの良さが際立っていました。
またヴェーヌス役のリンダ・ワトソンはすごくグラマラスなヴェーヌスで素敵でした。

会場で島村元農水相をお見かけしましたが、2年前のバイエルン国立歌劇場のタンホイザー公演でもお見かけしました。ワーグナーがお好きなのでしょうか。政治家にはワーグナー好きが多いかもしれません。

それにしてもタンホイザーの序曲はいつ聴いても素晴らしいです。

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2007年10月 6日 (土)

古賀氏の不気味な動き

A級戦犯分祀の必要性を指摘 日本遺族会会長の古賀氏
(goo ニュース-共同通信2007年10月6日(土)17:41)

郵政造反の落選組集会に古賀氏出席、自民党内に波紋も
(goo ニュース-読売新聞2007年10月6日(土)01:13)

与党過半数割れば議員を辞職 「退路断つ」と古賀氏
(goo ニュース-共同通信2007年10月5日(金)22:14)

野田聖子、自民広報局長に“復権”…早くも古賀人事
(ZAKZAK 2007/10/03)

ちょっと拾っただけで、ここ数日の間に古賀氏のニュースがこれだけありました。
小泉、安倍時代に冷遇されていた反動からか、このところの活発な動きは不気味です。
これらのニュースの以前にも、伊吹幹事長との間で公認権をめぐり党の内紛にもなりかねないバトルがありましたね。

古賀氏は、選挙対策委員長のポストを自ら強く希望していたことから、公認権を古賀氏が握るのかと思いましたが、伊吹幹事長も「公認権の実態は変わらない」と発言しているため、古賀氏は「最終的な公認決定権は総裁にある」と、暗に『幹事長には無いのだよ』という意味深な発言をしています。

野田聖子氏を広報局長に決めたのも「人事権は自分にある」との表れでしょう。
広報局長というのは自民党内ではそれほど重要なポストではないと思いますが、広報というだけあって、マスコミに注目される仕事が多く、結果的に野田氏がマスコミに露出する機会が増えるという効果を狙ったのではないかと考えられます。

野田氏の場合、郵政造反組の象徴的存在であっただけに、あのマイナスイメージを払拭させたい、それにはなるべくマスコミに登場する機会を増やしてあげたい、という親分としての温情ではないかと思われます。

それに広報局長の前任者は片山さつき氏。
確かに、参院選での年金ビラの失敗の責任を取らされたということもあったのでしょうけれど、彼女が「刺客議員」であったということが、そもそも古賀氏は気に入らなかったのではないでしょうか。
野田氏のライバル佐藤ゆかり氏は、早くも東京都の選挙区からの出馬が噂されています。
古賀氏の行動を見ていると、本気で佐藤氏の岐阜での公認をはずしそうですね。

郵政造反の落選組集会に古賀氏が出席したというのも野田氏のニュースと本質は同じ。
もともと古賀氏は郵政民営化には反対で、議決の際には棄権しています。
議員というものは、どんなに崇高な政治理念を掲げようとも、選挙に落ちればただの人。
とにかく選挙で当選し続けなければならないのです。

魑魅魍魎の政治の世界で生き残るには、理念を曲げざるを得ない場面も多いでしょう。
郵政解散では多くの議員がそういった場面に立たされたと思います。
ある意味、離党した国民新党の皆さんや、意地でも復党を拒否している平沼氏のような方は信念を貫いたといえるでしょうけれど、古賀氏のように棄権、あるいは欠席という手段で採決を放棄した議員は卑怯だといえます。

古賀氏は非常に空気を読める人で、昨年の総裁選の時も圧倒的に支持されていた安倍氏に投票したものの、内心は安倍氏に批判的だったようです。
理解できないのは古賀氏が今でも日本遺族会の会長をやっていること。
恐らく遺族会の中でも空気を読みまくって、何か問題があってもうまく立ち回っていたに違いありません。

彼が遺族会の会長になってから大きく方針転換をしたことがあります。
「中曽根総理以後、途絶えている終戦記念日の首相公式参拝を復活させよう」
これは遺族会にとって長い間活動の大きなテーマとなっていたものです。
当然遺族会はその方針に大賛成であるわけです。

ところが、古賀会長は「それを実現させるためには公式参拝や終戦記念日にこだわるべきではない」という方向へ持っていったのです。
要は「総理が参拝していただければよいのだ」ということです。
このことは平成17年2月の「諸君」というオピニオン誌の中で古賀氏自身がはっきり述べています。

<<「公式」や「八月十五日」といった形式にこだわるのはもうやめよう、むしろ総理自身の心の問題として、お参りいただける日を最良の日と思うべきではないか、と。私が遺族会の会長になってから、「公式」「八月十五日」を外したのです。昇殿参拝でなくともよい。羽織袴・モーニング姿でなくともかまわない。もっと自然な形で、世界に平和を誓う機会にしていただきたい。>>

この言葉を古賀氏が言ったのでなければ私は支持するのですが、『私が遺族会の会長になってから、「公式」「八月十五日」を外したのです』という言葉がひっかかります。
今日のニュースで古賀氏は、もう一段階進んで「A級戦犯分祀の必要性を指摘」しているので、結局古賀氏は少しずつ段階を踏んで、遺族会の本来の意思を歪めてきてしまったのではないかと思うのです。

それは古賀氏のバックについている野中広務氏の意思によるものなのか、それとも中国なのかわかりませんが、遺族会を内部から崩壊させようとしているようにも見え、古賀氏が遺族会の会長に留まり続けている意味は、なかなかどす黒いものがあるようにも思えます。

次の総選挙で負けたら政界を引退するそうですが、これはアンチ古賀にとっては苦しい選択を迫られますね。彼には辞めて欲しいけど選挙には勝って欲しいという悩ましい問題です。

負けるというのは与党で過半数割れということでしょうか。
さすがにそこまで負けないのではないかと思っているのですが甘いですかね・・・
チルドレンの多くが落選するのは避けられないとしても、古賀氏があまりに露骨に郵政造反組を優先的に公認したら、選挙戦略的にはマイナスだと思いますけどどうでしょう。

とにかく今後の古賀氏の行動には要注意です。

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2007年10月 5日 (金)

国籍要件について

民主「子供手当法案」固まる 一人に月2万6千円支給

民主党の参院選マニフェスト(政権公約)の目玉の一つで、今国会への提出をめざす「子ども手当法案(仮称)」の概要が3日わかった。中学校修了までの子ども一人につき、国が月2万6000円を支給することが柱で、親の所得制限や国籍要件は設けない。財源として5兆8000億円が必要と試算した。
 3日の同党「次の内閣」で大筋で了承され、今月中旬までに法案化する。法案は「子どもの成長および発達」を目的としている。支給額は、子どもに食費や教育費などで月約2万5000円かかるという各種調査の試算をもとに設定した。
 現行の児童手当は、国と地方、事業主らが負担する。3歳未満は月1万円、小学校修了までは第2子までが月5000円、第3子から月1万円で、会社員世帯(親子4人)であれば年収860万円未満など所得制限もある。
(goo ニュース-朝日新聞2007年10月4日(木)10:06)

この法案の趣旨はともかく、この記事だと財源をどのように捻出するのかが不明で、農家の戸別補償政策と同じく民主党のバラマキ政策といわれても仕方がないですね。
戸別補償政策は農業予算を組み替えて確保するとか言ってますが、農家からも実現性を疑問視する声が出ているようです。

この子供手当のポイントは「親の所得制限や国籍要件は設けない」というところ。
特に気になるのが「国籍要件」です。
これまでの民主党の政策を見ていると、国籍の区別なく権利を主張できるものが多いような印象があるので、そこが自民党と大きな違いがあると思います。民主党は党員の資格要件も日本国籍を要求していません。

国籍要件をめぐって問題になる代表的なものが「永住外国人の地方参政権法案」です。
これは古くて新しい問題で、私が知る限りでも7年くらいもめている法案だと思います。(問題が提起されたのは1989年の参政権裁判が始まりかと思います)
この法案の正式名称は、「永住外国人に対する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権等の付与に関する法律」で、対象者は「永住者及び特別永住者」です。
内容としては「選挙権のみ付与するもの」となっています。

この法案について語りだすと、もう何時間あっても終わらないくらい書きたいことが多いので、いずれ徹底的に書きたいとは思いますが今回は止めておきます。
私が危惧するのは、今後様々な法案で自民党と民主党が衝突する際、最後に「国籍要件」でもめる場面が必ず出てくると思うのです。それを国民がどう捉えるのか非常に不安ですね。

ネットでは以前から活発に議論されていますが、そもそもマスコミがこういった論点をまったく取り上げないので、一般の方たちは何が問題で、何が問題ではないのかその辺の論点整理がまったくできていないと思います。

外国人の権利、これは外国人の人権と言い換えてもいいと思いますが、これをどう捉えるのかということ。これについては自民党と民主党は相当隔たりがあると思うのです。民主党の中でさえ相当考えの違う方がいらっしゃいます。

私の考えは、「多様な民族性、多様な価値を認める社会を実現する」ということと、「外国人の権利をどこまで認めるか」ということは切り離して考えるべきということ。
民主党は「人権」という美名の下に、果てしなく権利を拡大解釈していることが多く、非常に危うさを感じます。

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2007年10月 3日 (水)

やっぱり味噌カツ

今日は所用で名古屋へ行ってきました。Nagoya1
名古屋駅前にはスーパーブランドのお店が立ち並ぶミッドランドスクエアという一角があります。(写真はちょっと小さいですが、カルティエ、ディオール、ルイ・ヴィトンのあたり)

周りは高層ビルも増えました。
Nagoya2 こちらは建築中の高層ビル。
建物全体をひねったような面白い形をしています。
変貌する名古屋という感じです。

お昼は「きしめん」と「味噌カツ」で迷いに迷ったうえ、やっぱり味噌カツで決まり!
(゚д゚)ウマー
その後、きしめん屋さんで、小泉純ちゃんが寄った時の懐かしい写真を眺めてから帰りました。Nagoya3
美味しいお店をご紹介下さった地元のお仲間さんに感謝ですm(_ _)m

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2007年10月 2日 (火)

笑顔の裏に隠された強さ

一ヶ月前、チリ共和国大統領ミチェル・バチェレ氏が来日されていたのはご存知でしょうか?
天皇陛下や安倍首相(当時)とお会いになっているのですが、最近こういったニュースはほとんど報道されないので気がつきませんでした。
日本とチリとの公式外交関係は1897年日智修好通商航海条約締結により始まりました。
今年は修好110周年を迎え、日チリ両国で様々な記念行事が開催されているそうですが、そういったことも全然知りませんでした。(チリではアニメ展などが行われたようです)

Chile ところでこの写真の女性どなただと思いますか?
この方がチリにとっては初の女性大統領ミチェル・バチェレ氏、右側は小泉元総理です。
彼女は1951年生まれの56歳。
外務省のデータによるとなかなか大変な人生を送ってきたようです。

1973年軍事クーデター勃発(父親(空軍将軍)は逮捕され拷問の末死亡)
1975年母親とともに拘束され、2ヶ月間に亘り拷問を受ける。
      兄を頼り豪へ亡命後、メキシコ、米、旧ソ連を経て東独へ渡る。

とあります。1973年の軍事クーデターとはピノチェトのクーデターのことです。
20台前半には大変な苦労をされた方なのですね。
政治家としても厚生相、国防相を歴任したすごい女性です。
でも強さの中に女性らしさを感じます。

さて、バチェレ氏と純ちゃんについて続きはこちらで語っております。
興味のある方はいらっしゃって下さい。
(画像情報等・・・)
では、今日はおやすみなさい。

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郵政民営化

Yuusei1












「日本郵政」、誕生=24万人の巨大企業グループ始動

国営・公社として136年続いた郵政事業が1日、民営化され、持ち株会社が4事業会社を傘下に置く社員約24万人の「日本郵政グループ」が誕生した。大規模な国営事業の民営化は1987年の旧国鉄以来。小泉純一郎元首相が「構造改革の本丸」と位置付け、衆院解散・総選挙にまで打って出て道筋を付けた一大施策が実現した。
 同日早朝、東京・霞が関のグループの本社で発足式が開かれ、持ち株会社の西川善文社長は「民営化して良かったとの評価を得られるか。壮大な挑戦となる」とあいさつ。来賓として祝辞を述べた福田康夫首相は「今後、国民の貴重な財産である郵便局ネットワークを一層有効活用して利便向上を図ることになる」と指摘した。また、同席した小泉元首相は「民営化が実現したのは、国民の支持があったからこそ」と感慨深げに語った。
 一方、東京・丸の内の東京中央郵便局では始業を午前8時に1時間繰り上げたが、記念切手や押印を求め各地から訪れた約350人の利用客が長蛇の列をなした。 
(goo ニュース-時事通信2007年10月1日(月)10:13)

郵政民営化・・・思えば長い道のりでしたね。Hashimotokoizumi_2
そもそも郵政民営化の課題が出てきたのは、橋本行革の時です。
橋本元首相は郵便事業は国営堅持だが、簡易保険や郵便貯金は民営化の方向で検討していたようです。
しかし、第一次橋本内閣で与党であった社民党や自民党の郵政族議員、全逓等の激しい抵抗にあって民営化方針を撤回させられます。

その後長らく民営化の動きは沈静化しますが、小泉元首相の下改めて民営化が議論されます。
議論の中核となったのは経済財政諮問会議。
民営化は官邸主導で進める、との方針は竹中経済相の働きかけによるものでした。
与党自民党はこの方針に反発します。
Koizumi5 2005年に入っても政府・与党の検討会でもなかなかまとまらず、当時総務大臣であった麻生太郎氏は、竹中氏と対立します。
対立点は「10年間の移行期間後に特殊会社が郵貯会社と保険会社の株式をすべて売却するかどうか」という点。
竹中氏は完全売却、麻生氏は一定の保有継続を求める立場でした。
結局、小泉首相の裁定で完全売却となります。
その後も、政調審議会、総務会と経るごとに綿貫、高村、亀井、古賀らの抵抗で会議は大きく荒れました。

その後は皆様ご存知の通り、郵政解散、自民党の歴史的大勝利、郵政法案の可決となり今日に至るのですが、1997年の橋本行革から今日まで10年かかったわけです。Koizumi61_4
今日の式典での小泉さんは感慨無量だったでしょう。
郵政民営化はこれで終わったわけではないので、これからも見守っていきたいと思います。

参考資料:『小泉政権』内山 融(中央公論新社)

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