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2007年8月30日 (木)

日本のソフトパワー「位打ち」

毎度おなじみの大礒正美先生のコラム、「よむ地球きる世界」が更新されました。
今月はいきなり「位打ち」という言葉が出てきます。
この「位打ち」という言葉の意味は、「相手の能力に見合わないほどに出世させて自滅を誘うという方法」です。

コラムニストの勝谷誠彦氏が以前、「安倍首相は自民党から位打ちにあったのではないか」とおっしゃっているのをどこかで読みました。
それが本当かどうかは別として、「位打ち」は戦国時代によく使われた手法で、大礒先生もいくつか例を挙げ説明して下さっています。

この「位打ち」という日本のソフトパワーを外交戦略に使ったらどうか、というのが大礒先生の提案です。

最近、「中国が太平洋を東西に分割し東側を米国、西側を中国が管理することを提案した」というニュースがあり、私もエントリを書きましたが、大礒先生はこういった中国側の野心に、日本の「位打ち」という外交戦略を生かすことができるのではないかとおっしゃっています。
具体的戦略については是非お読み下さい。(下記URLです)

日本外交には戦略がないとよく言われますが、こういう高度な戦略があるじゃないですか。
これなら親中国派の政治家の皆さんもよろこんで騙されそうです。
もちろん、日本側への「見返り」も忘れないようにしていただきたいですね。

~中国に軍事費を無駄づかいさせる方法~
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/5562/column/column098.html

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「美しい国」と「復党問題」

「美しい国」改造で復活? 首相、自粛が一転 質疑で「3連発」

安倍晋三首相が内閣改造を機に、参院選惨敗で封印してきた「美しい国づくり」のスローガンを復活させた。27日の会見で久々にアピールしたのに続き、28日には記者団との質疑で「美しい国」を3連発した。政策では民意を受けた路線修正を口にする首相だが、スローガンは「反省」の対象ではないようだ。(中略)
「美しい国」のスローガンは自民党がまとめた参院選総括でも敗因に挙げられた。首相も参院選後は口にしなくなっていたが、新たな言葉を探すでもなく、仕切り直しの内閣改造であっさり「自粛」を解いたようだ。
(goo ニュース西日本新聞朝刊2007年8月29日(水)10:10)

小泉改革の修正、印象付ける=首相「終わったこと」-郵政造反組起用

安倍晋三首相は29日の副大臣人事で、郵政民営化に反対した造反組4人を起用した。首相は27日の改造内閣発足に当たり、地方・都市格差是正担当相を新設し、前岩手県知事の増田寛也総務相に兼務させるなど、格差問題に正面から取り組む方針を明確にした。人事面でも造反組を「復権」させたことで、小泉純一郎前首相から引き継いだ改革路線の修正を改めて印象付けた。(中略)
首相は29日午後、郵政民営化問題について、記者団に「既に終わった。方針が決まったことだ」と決着済みとの立場を強調。その上で、「復党した以上、その能力を生かしてもらいたいと判断した」と述べ、造反組の起用は問題ないとの考えを示した。ただ、昨年の復党騒動が内閣支持率低下の一因になっただけに、国民の不興を買う可能性は否定できない。
(goo ニュース時事通信社2007年8月29日(水)19:47)

「美しい国」と「復党問題」は両方とも参院選大敗の要因とされたキーワードです。
この二つのニュースはずいぶんと意地悪な書き方をしていると思いますが、実際どうなんでしょう。
安倍首相のこういった言動をみると、首相の心構えといいますか、意識は、もしかしたら以前とあまり変わっていないのかもしれないな、と思いました。そうでないにしても、誤解を受けるような記事ですね。

私は、それこそ選挙は終わってしまった後なので、もうあれこれ言いたくないのですが、安倍首相自身、これら参院選総括で指摘された敗因について、どのように受け止めているのかもう一度聞いてみたい気はします。

参院選総括では、首相が掲げてきた政策と「国民意識のずれ」を指摘するなど、かなり厳しい内容でした。
今回の改造内閣人事ではその点、かなり国民意識に配慮して慎重に行われたようですが、首相の心の中までは見えないので少し不安です。

私は、選挙が終わった後なので、郵政造反組の副大臣起用に反対するつもりはありませんし、「美しい国づくり」も封印する必要はないと思います。
しかし、首相にはもう少し言葉に慎重であって欲しいな、と思うのです。

首相は素直すぎるのか、無邪気なのか、つい本音を口に出してしまう癖があると思います。
こんなことを書くと、それこそ「終わったこと」と叱られそうですが、昨年、郵政造反組を復党させた際、「みなさん、お帰りなさい」と、カメラが入っている前で口に出してしまったのは大失敗だったと思います。
心からそのように思っていたからつい口に出してしまったのだと思いますが、少なくともTVクルーが退席した後に言うべきでした。
ちょっとした配慮の欠ける言動が国民の気持ちを逆なでしてしまうことがあります。

また今回、「美しい国」を3連発などと書かれてしまったのは、反省していないと受け止められる可能性があります。
「美しい国」をどうしても使いたい気持ちはわかるのですが、この言葉が不評だったのは事実なので、もう少し使い方に配慮していただきたいのです。
「終わったこと」-郵政造反組起用という記事も内容を読めば納得ができるものですが、「既に終わった。方針が決まったことだ」という言葉だけが独り歩きして、悪意を持って流布されかねません。

首相にしてみれば、自分の真意が伝わらないと嘆きたくなると思いますが、政治家は言葉が命なので、発言には細心の注意を払っていただきたいと思うのです。

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2007年8月28日 (火)

第一報はいつ、どこで

今回初入閣された大臣の方々が、どのように第一報を知らされたのか興味がありましたので、わかる範囲で調べてみました。

◇増田寛也(総務相)
安倍首相からの打診は「(安倍首相の)外遊前」という。「最終的にはきょう(27日)判断した」とした上で「引き受けた以上は全力を尽くす」と決意を強調。その土台となるのは3期12年の本県知事としての経験。県民に向けては「県民に育てていただいた。感謝の思いをよりどころとして職責を全うしたい」と語った。
 今後の国政への転身については「岩手から衆院選に出るつもりはない」と可能性を否定した。
(岩手日報2007/8/28)
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20070828_3

◇遠藤武彦(農水相)
 「入閣の心構えはなかった」(秘書)という遠藤武彦氏は27日午後3時、衆院第1議員会館内にある事務所に姿を見せた。秘書たちとともに、組閣のテレビ報道を見ていると、約50分後、官邸から電話が入った。「官邸に来てください」。その際、事務所に詰めていたメディアから、農相の可能性が高いことを告げられると「農水なら大変だな」とだけ述べ、官邸に向かった。
(山形新聞ニュース2007年8月28日(火) 08:03)
http://yamagata-np.jp/newhp/kiji_2/200708/28/news20070828_0408.php

東京・永田町の衆院議員会館内にある遠藤さんの事務所には、午後3時50分に首相秘書官から電話連絡が入った。秘書官は閣僚名には触れず、「官邸に来てください」とだけ伝えた。
 遠藤さんは事務所内で組閣情報を伝えるテレビ番組を見ており、「まだ農相が決まっていないなあ」などとつぶやいていたが、電話を受けてネクタイを締め直し、首相官邸に向かったという。
(読売新聞、山形2007年8月28日)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamagata/news001.htm

◇上川陽子(少子化担当)
同日朝、入閣の可能性を知り、地元の予定をキャンセルして急きょ上京。午後3時50分ごろ、官邸から「至急来てください」との電話を受けると緊張した表情に一変。「大変光栄なこと」と述べると、足早に歩いて官邸に向かった。
(静岡新聞2007/08/28)
http://www.shizushin.com/local_politics/20070828000000000021.htm

◇岸田文雄(沖縄北方担当)
「官邸から来てくれという電話がありました」(秘書が岸田代議士に伝える)
 入閣は27日午後2時ころ安倍総理から携帯電話で知らされたということですが、ポストを知らされないまま総理官邸に出向くことになり、少しとまどった様子でした。
(RCCニュース 中国放送8/27  18:00)
http://news.rcc.jp/?i=Mzc4NA==&#a

増田氏への連絡は早かったんですね。
安倍首相からの打診は「(安倍首相の)外遊前」ですか。
やはり、民間ということで決断に時間がかかることも考え、余裕を持たせたのでしょうか。

遠藤氏は2箇所記事を引用しましたが、「入閣の心構えはなかった」(秘書)とあるように、他人事みたいにテレビを見ていたようですね。
「まだ農相が決まっていないなあ」などとつぶやいていたら、自分が農相だったなんてびっくりですね。

上川氏は「同日朝、入閣の可能性を知り、地元の予定をキャンセルして急きょ上京」とあります。
どこから可能性を知ったのでしょう?「午後は国会周辺にいて下さい」とか言われるのかな。

岸田氏への連絡は、遠藤氏、上川氏と比べるとちょっと早かったようですね。
遠藤氏、上川氏へは午後3時50分なのに、岸田氏へは午後2時ころです。
ここで2時間近く早く連絡がいっているというのは何か意味があるのでしょうか。

ポストに関しては、増田氏だけには知らせていたような気がします。
それにしても、皆さん事務所にテレビカメラが入っているということは、マスコミ側も入閣の可能性が高いという情報をどこかでキャッチするんでしょうか。
矢野哲朗前参院国対委員長は予想をはずしてしまいましたが。
この方、モーニングまで準備して待機するなどすっかりその気だったようですけど…

潔くあきらめればいいものを、
「なぜ私は入閣できなかったのか」と首相に電話して逆ギレ。
最初、同情していたのですが、こんなみっともないことしてがっかりしました。
こういう方は入閣しなくてよかったと思います。

今日の首相のぶら下がり会見で、
「矢野氏はモーニングまで準備していたようですが・・・」
とくだらない質問をしてる番記者がいましたけれど、首相から
「個別の人事についてはお答えできません」
と、ピシッと言われちゃいましたね。
ホントにね、もう少し有意義な質問して下さいよ。

今回は、小泉さんでもできなかった参院枠の人事、安倍さんはご自身の判断で断行しました。
小泉さんから安倍さんへと、少しずつですが、これまでの慣習にとらわれずにやってこれたのは大きな成果です。
今回の組閣の記事を読みながら改めてそんなことを思いました。

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2007年8月27日 (月)

改造内閣、党役員人事について

ニュースとかあまり見ていないので、現時点でのものすごく適当な感想など。

◇官房長官 与謝野さん・・・政策通という印象。
                                     お身体の方は大丈夫ですか?
◇厚生労働相 枡添さん・・・長妻議員との年金対決が楽しみ。
◇外相 町村さん・・・帰ってきたマッチー、素直にうれしい!
◇財務相 額賀さん・・・財務相としての政策は未知数。
◇農相 遠藤さん・・・存じ上げませんでした。
                            攻めの農政の継続をお願いします。
◇法相 鳩山さん・・・死刑執行命令書に判を押す方なのでしょうか?
◇少子化担当相 上川さん・・・憲法改正には慎重、リベラルな印象。
◇総務相 増田さん・・・この方も一種の小沢シフトなのかな?
◇幹事長 麻生さん・・・選挙の責任者として最適。
◇総務会長 二階さん・・・党内のまとめ役としては適任。
◇政調会長 石原さん・・・政策の仕切り役としてはちょっと不安。

全然知らない大臣もいらっしゃるので全部書けませんでした。本当に適当な感想ですみません。
人心一新といっても、それはこの改造人事をどう受け止めるか個人個人で異なるので、これからのお仕事を見てからでないと、何とも言えません。

内閣の印象としては、地味で落ち着いた印象。党人事もそうですが、老壮青のバランスはとれてますね。それが良いか悪いかは別として、前の人事とは印象が違います。
慎重に身体検査をやった結果なのか、思い切った人事はできなかったようにも見えます。

記者会見では事務所費問題についてしつこく聞いてましたが、この事務所費問題は早めに何らかの基準を定めて終わりにしなければならないと思います。

そうでなければ、能力のある議員が大臣になることができず、身辺だけはクリーンだけど、まったく能力のない議員しか登用されないことになります。
これは国家としての損失になると思いませんか?

年金未納問題の時もそうでしたけど、事務所費問題は一種の魔女狩りのような感じになっています。
もちろん、政治資金は適正に管理しなければならないけど、現行制度上許されている処理であっても、倫理上許されないといった枠にはめて追求すれば、かなりの議員がひっかかるはず。

今、マスコミは与党議員に対して厳しく追及してますが、仮に民主党が政権をとった時、同じ質問をされも大丈夫なんでしょうか?
朝鮮総連関連団体から不正資金の提供を受けていた、なんていうのがボロボロ出てきそうですが。
まぁ民主党政権になったら、そもそもそんな質問はしないんでしょうけど、事務所費問題は、野党にとっても早急に決着を図るべき問題だと思いますがね。

「靖国神社に参拝しますか?」「年金の未納はないでしょうね!」「事務所費は適正に処理してますか?」・・・
日本のマスコミっておもしろいですね。次の内閣の時はどんな質問で責めるのか楽しみです。

「靖国神社に行きますか?」なんて以前は繰り返し聞いてた時代もありましたけど、マスコミって自分達が「いつでも大臣の首ぐらい飛ばせるんだよ」って態度ですね。
「今度スキャンダルが出てきたら安倍内閣は終わりだ」って盛んに不安を煽ってますが、新大臣の方々は、堂々とご自身のやるべき仕事に邁進して欲しいです。

私が心配なのは、そういうことよりも、もしも今回、身体検査にとらわれすぎて消極的な内閣人事を行ったとすれば、官邸主導のパワーが落ちてしまうのではないかということ。
党の力の方が官邸より強いという従来の姿に戻ったのであれば、改革が後退してしまうのではないかという危惧です。
改革という看板をおろしてしまったらおしまいです。

と、現時点ではこんな感想です。

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2007年8月25日 (土)

マスコミ人事

官房長官、町村氏で調整=総務相に中川政調会長浮上-安倍首相、27日に内閣改造 

安倍晋三首相は25日夜、アジア3カ国歴訪から帰国、27日の内閣改造・自民党役員人事に向けた調整を本格化させた。首相は改革路線の継続と地方活性化に配慮した布陣とする考えで、焦点の官房長官は町村信孝前外相を軸に調整が行われる見通しだ。一方、党運営の要である幹事長には麻生太郎外相の起用が固まった。
 昨年9月に就任した首相にとっては、今回が初の改造となる。参院選での自民党大敗を受けて、党内には挙党態勢の構築を求める声が強いが、首相は前回同様、派閥の推薦は受け付けずに人選を進める考えだ。
 町村氏は当選8回で、これまで外相や文相などを歴任。首相の出身派閥である町村派会長でもあり、党内には「能力も高く、官房長官として座りがいい」との声が出ている。官房長官には、菅義偉総務相の横滑りも検討されていたが、事務所費をめぐる問題が明らかになり、閣内残留は難しい見通しだ。
 首相が重視する地方活性化を担う総務相には、中川昭一政調会長や、首相とは距離を置く谷垣禎一前財務相の起用が浮上。また、公明党の冬柴鉄三国土交通相の留任、参院自民党からは矢野哲朗参院国対委員長の初入閣が有力となった。 
(goo ニュース時事通信2007年8月25日(土)19:36)

ここまで断定的に内閣改造人事を書くというのは、一体何を根拠にしているのかと思ってしまいます。
え~、官房長官が町村さん、幹事長が麻生さん、総務相が中川(昭)さんか谷垣さん、国土交通相が冬柴さん、参院枠から矢野さんですか。

この中で冬柴さんは確実だと思われますが、あとはどうなんでしょう。
麻生幹事長は私も確率は高いと思いますけどね。麻生さんが官房長官だったら毎日の記者会見が面白いだろうな~と思ってしまったり。
それから、参院枠をこれまで通り設けるにしても、あれだけ選挙に大敗し、青木さんも参院議員会長をお辞めになったので、安倍さんが自由に決めて良いと思いますが。

それにしても、今回はマスコミで勝手に組閣されてますね。
小泉さん時代はマスコミに名前が出た瞬間にその方の入閣はなくなる、と言われるくらい徹底していました。
そのことで印象的だったのは麻生さんが総務大臣に任命された時のエピソード。
ある講演会でご本人がこんな風に話されています。

☆――――――-----‐‐‐
組閣は、総理官邸から呼び出しがかかってくるのです。
電話をいただいた時にもまだ何大臣だかさっぱり分からないまま総理官邸に入っていきましたら、知っているSPさんがいました。経企庁長官をしている時のSPだったので、
「おう、久しぶりだね。何しているの?」
と聞いたら、
「大臣警護をいたしております」
という。
「ああ、そう」
と言うと、またそのSPがついてくる。
「どうしたの?」
と聞いたら、
「担当になりました」
と言うんです。
「ああ、そう。何大臣?」
と聞くと、
「総務大臣担当です」。

私が総務大臣であるということは、実は警護官から聞かされたんです。
嘘だろうと思って、にわかには信じ難かったんですが、それからエレベーターに乗って、総理の執務室に行くまでの間、1分くらい、総務省って何をやるところだったかなと思っていました。
あまりこれまで縁がなかったものですから、総務省などというところにはほとんど行ったこともありませんし、これはえらいことになったなと思いつつ総理の執務室に入ったわけです。
‐‐‐-----───────☆

安倍首相も長い間小泉さんのそばにいて、こういう手法を学んだと思いますので、マスコミ人事の通りにはならないと思いますが、とにかく27日までは外野が騒がしいでしょうね。

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2007年8月24日 (金)

負の連鎖を断ち切ること

首相、東京裁判のパル判事の長男と面会

インドを訪問中の安倍首相は23日昼(日本時間同日午後)、極東国際軍事裁判(東京裁判)で連合国側判事を務めたインドの故ラダビノッド・パル判事の長男プロサント・パル氏(81)とコルカタ市内で面会した。首相は「判事は多くの日本人から今も尊敬を集めている。ご遺志は日印関係を発展させることだったと思う」と述べた。
判事は東条英機元首相ら25人のA級戦犯について、全員の無罪を判事11人の中でただ一人主張した。プロサント氏との面会は首相の強い希望で実現。同行筋によると、東京裁判をめぐるやりとりはなかったという。(以下略)
(asahi.com:2007年08月23日20時30分)

安倍首相、念願かなってパール判事(朝日はパルになってますが)のご長男と会われて、さぞかし感慨深いことでしょう。
『東京裁判をめぐるやりとりはなかったという』とわざわざ書いているところをみると、朝日的には突っ込みどころのない、あっさりした展開だったようです。
過日の慰安婦問題で安倍首相の発言が問題視されただけに、今回の面会もどういう話が出るのか少し心配していたのですが、ほっとしました。

それにしても、安倍首相の言動にいちいち心配したり、ほっとしたりするなどということは本当はしたくないです。
でも、そういう気持ちにさせられてしまうということは、私が首相を全面的に信頼していないからということかもしれません。

各国歴訪から帰国後は、いよいよ内閣改造が控えています。
心配といえば、これほど心配なことはありません。これはパール判事の息子さんと会うどころのレベルではないです。
なにしろ、「絶対に失敗は許されない」のですよ。
なにがなんでもケチつけてやろうと、てぐすね引いて待ち構えている勢力がウヨウヨいますからね。

・・・選挙で大敗北した。
・・・首相が靖国神社に参拝しなかった。
・・・党本部には変なものが送りつけられた。

今自民党は負のオーラに包み込まれているような感じなんでしょうね。
選挙は勝つこともあれば、負けることもある。(勝ってよし、負けてよしという気持ちにはなれないか・・・)
そもそも選挙と靖国は関係ない。
とはいっても、言いようのない不満を何かにぶつけたい、という空気が自民党から余裕を無くしてしまっているように思えます。
ここは内閣改造、党人事刷新で負の連鎖を断ち切って欲しいところです。

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2007年8月23日 (木)

中国の太平洋東西分割提案

中国、太平洋の東西分割提案か 米軍は拒否

17日付の米紙ワシントン・タイムズは、キーティング米太平洋軍司令官が最近訪中して中国軍事当局者と会談した際、中国側が、太平洋を東西に分割し東側を米国、西側を中国が管理することを提案したと報じた。米側は拒否したという。提案の詳細には触れていない。
 米太平洋空軍のへスター司令官は「空間を誰にも譲らないのが、われわれの方針だ」と記者団に述べ、西太平洋地域を米軍の影響下に置く必要性を強調した。
 米政府内の親中派の間では提案に前向きな受け止めもあったが、国防当局は西太平洋の覇権を中国に譲り渡す「大きな過ち」だと主張。日本などアジアの同盟国との関係を台無しにしかねないとして断ったという。(共同)
(産経新聞2007/08/20 01:05)

一昨日のニュースですが、結構ネットで話題になっていましたね。
中国が何を意図してこのような発言をしたのか不気味です。
実はこのニュースを聞いて「あれ、昔聞いたことがあるなぁ」とデジャヴな気持ちにさせられました。そうそう、同じようなことが書かれた本を読んだことがありました。

その本は、ジョセフ・S・ナイ氏の「アメリカへの警告」(原題:The Paradox of American Power)山岡洋一(訳)(日本経済新聞社)です。
元々この本はアメリカ国民に向けて警鐘を鳴らすために書かれた本なので、アメリカ人が考えるアメリカの国益とは何か、アメリカの将来はどうなるのかについて比較的本音が書かれており、なかなか興味深い本でした。

もちろん、ナイ氏はクリントン政権で国防総省次官補だった方なので、リベラル派です。
この本の中でも持論のソフト・パワー論が展開されており、『ああまたソフト・パワーか』といささかうんざりする方もいるかと思うので、その辺はちょっと割り引いて読んだ方がいいかもしれません。
今回のニュースに関連した箇所を少し引用します。

<<たとえば中国研究家のアーサー・ウォルドロンは、「現在の趨勢が続けば、遅かれ早かれ戦争がおそらくアジアで起こるだろう。・・・・・中国は現在、アメリカが東アジアから撤退する状況を作り出そうとしており、第一次世界大戦前にドイツがイギリスを脅そうとしたのに似ている」と主張している。(中略)
ロバート・カガン(ケーガン)は中国が「短期的にはアメリカに代わって東アジアを支配する大国になり、長期的には世界を支配する大国としてのアメリカに挑戦する」ことを目標にしていると信じている。これが中国の意図を正確に評価したものだとしても(疑問視する専門家が少なくないが)、中国がその能力をもつようになるかどうかは疑問である。どの国も、希望項目のリストをもっているが、それは価格を見なければよかったと思えるメニューのようなものだ。中国は単独行動が許されるのであれば、台湾の武力統一、南シナ海の制圧、東アジアを代表する大国としての地位を望むかもしれない。しかし、中国の指導者はそうした行動をとった場合の他国の動きに対処しなければならないし、経済成長という目標と国外の市場と資源への依存とによる制約も考慮しなければならない。さらに、攻撃的な姿勢をとりすぎれば、近隣諸国が中国の脅威に対処する同盟を結成しかねず、そうなれば、中国のハード・パワーとソフト・パワーがともに弱まるだろう。(中略)
今後、さらに力をつけた中国がどのように振る舞うかはまだわからないが、アメリカが東アジアへの関与を続け、日本との関係を維持し、台湾独立を支持せず、力を適切に行使する姿勢をとっていれば、東アジアでアメリカの地位をくつがえす国や同盟があらわれるとは考えにくい。まして、世界規模でアメリカの地位をくつがえす国や同盟があらわれるとは考えられない。アメリカと中国が東アジアで戦争か冷戦に突入することがあるとするなら、中国が世界的な大国としてアメリカに挑戦するまでになるためより、台湾独立をめぐる不適切な政策のためである可能性の方が高い。(中略)
きわめて考えにくいことではあるが、アメリカが東アジアから撤退すれば、日本が中国という強い勢力につく可能性がある。しかし日本は中国の勃興を懸念しているので、アメリカとの同盟を維持する可能性がもっとも高い。東アジア諸国が同盟を結んでアメリカの覇権に挑戦するようになるとは思えない。>>

今安倍首相がインドに行っていますが、こういうアメリカの考えを読むと、アメリカはもちろんのこと、インド、オーストラリアとの連携が重要であることがわかります。これが麻生外務大臣のおっしゃっている「自由と繁栄の弧構想」につながるんですね。
地域のパワーバランスを考えれば、日本のこの構想にはアメリカも歓迎するところでしょう。

中国は歴史問題で日本に難癖をつけてきますが、これはお金がかからないリスクがゼロの外交カードだから使っているだけのこと。実際に軍事力の行使をするかどうかを考えると、経済的に結びつきが深い日本を攻撃することは中国側にとっても大きな痛みを伴うので、その痛みを上回るほどの大きな利益が見込めない以上、現実問題として可能性は低いといえます。
やはり、この産経新聞の記事から読み取れるのはナイ氏が予測しているように、台湾独立をにらんでの動きではないかと思います。

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2007年8月22日 (水)

不思議な世界

Magicaleye 「マジカル・アイ」ってご存知ですか?
ある絵をじっと見つめていると、絵の中からあるものが浮かび上がってきて、絵全体が立体的に見える摩訶不思議なものです。
何年も前から評判になっていたらしいのですが、初めて挑戦しました。

これは視力回復に役立つそうです。
なぜ視力が低下するのかというと、毛様体筋という目の筋肉が、柔軟性を失って凝り固まった状態になり、うまくピントが調節できなくなるからだそうです。

友人からやり方を教えてもらったのですが、なかなかコツがつかめません。
「見えたら驚くから、頑張ってやってみて」と言われて15分くらい試行錯誤していました。
う~ん、何も変わらない、何も見えないよぉ・・・

と、あきらめかけた次の瞬間、みるみるうちに絵が立体的に見えたかと思うと、美しい桜の花がまるで目の前で咲いているかのように浮かび上がってきたのです。
手を伸ばせば花びらに触れることができそうなリアル感。

しかも、その光景は一瞬にして消え去るのではなく、持続するところがまた驚きです。
不思議なくらいのみずみずしい透明感といいますか、万華鏡の中に体ごと入り込んでしまったかのような、次元の違う世界に引き込まれてしまいました。
当分、この不思議な世界にハマりそうです。

この本、宝島社から「マジカル・アイ シリーズ」としてすでに何冊も出ています。
本のご紹介も兼ねてサイトを貼っておきますが、ここにマジカル・アイの見本が出ているので興味のある方は挑戦して下さい。といってもこれはちょっと難しいかも。実際に本に載っている事例の方が綺麗でわかりやすいと思います。
http://tkj.jp/book/book_12468001.html

本に載っているものよりも単純ですが、パソコン上でできるものもあります。
私のオススメは、googleで「マジカル・アイ」と検索すると最初に出てくるサイトです。
一度コツを覚えると面白いですよ。

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2007年8月19日 (日)

曖昧戦術が支持を失う原因では?

8・15“靖国参拝”断念は去年から決まっていた

安倍首相は8月15日終戦の日、靖国神社に参拝しなかった。閣僚にも自粛させた。やっぱり中国との「密約」が存在したのだ。
 小泉前首相がちょうど1年前、現職首相として靖国参拝したこともあって、安倍首相の8・15参拝が注目されてきた。小泉以上に「靖国信者」の安倍だからである。なぜ断念したのか。
「直前の参院選で大勝していたならともかく、大惨敗で靖国参拝したら、さらに叩かれる。それで自粛した」と自民党関係者は言う。
 だが、もっと深い理由がある。昨年の訪中だ。
「安倍は首相になってすぐの昨年10月、中国を電撃訪問し、胡錦濤と会談した。世間が懸念した安倍の中国との不仲を払拭し、支持率をさらに上げる狙いだった。あれで安倍の評価は上がったが、問題は受け入れた中国が出した条件です。8・15参拝だけはしないと約束してくれという密約でした。小泉に煮え湯をのまされた中国はそこにこだわった。安倍は約束した。で、電撃訪中が実現した。あの約束がある以上、最初から靖国参拝は断念せざるを得ないのです」(外交事情通)
 だが、電撃訪中で最高潮に達した安倍の70%近い支持率も、今や20%。安倍は「何のために、密約までしたのか」と悔やんでいることだろう。しかもタカ派支持層やブレーンからは「どうして堂々と靖国参拝をしないのか。美しい国づくりをやめたのか」とコケにされている。なにをやっても半端な首相だ。
(livedoor ニュース:ゲンダイネット2007年08月19日10時00分)

すみません、ソースがアレで・・・
違う意味で支持率低下の話を書こうと思ったら、こんな記事があったのでネタとして貼ってみますた。

「密約」なんてあるわけないと思います。
そんなあからさまに「密約を条件に訪中を認める」なんて、安倍首相が受け入れるはずないですよ。
ただし、逆の見方はあります。

前任者の小泉氏が靖国参拝をしたことで、中国側が首脳会談を拒否していたのは周知の事実。何もわざわざ「靖国参拝するな」ということを密約しなくても、日本側の「訪中したい」という意思は、すなわち「靖国参拝はしません」という意思に受け取られても仕方がないといったところ。

そのあたりのことを突っ込まれて安倍首相は、「政治問題化、外交問題化している以上、 参拝するか、しないかは言わない」という曖昧戦術に出たわけですね。私はこれがいけなかったと当初から思っていました。私は安倍首相の業績は概ね評価していますが、「復党問題」と「靖国参拝曖昧戦術」の二点についてはまったく評価していません。

総理就任が昨年の9月26日、10月8日には中国韓国訪問に踏み切りました。
この意表をつく鮮やかな訪中、訪韓は、小泉内閣時代、アジア外交に懸念を示していた人々から好意的に受け止められたうえ、70%近い支持率とあいまって概ね成功との見方が強かったです。相対的に靖国問題への曖昧戦術もこの頃は評価が高かったようです。

訪中、訪韓及びその後の国際会議における首脳会談も小泉内閣時代とは比べ物にならないくらい友好的に行われました。
しかし、それで本当に中国、韓国との関係が改善されたのでしょうか。
確かに、表立った対日批判はなくなったようにもみえますが、韓国は相変わらず慰安婦問題で非難を繰り返しています。これまでの外交的経緯を考えれば、一時的なものに過ぎないということは明らかです。

特定の国、特定の勢力だけに配慮した外交を行った結果何を得たというのでしょうか。
コアな支持層まで失ってしまったのではないですか。
内政問題に関して小泉内閣は評価できない面もありましたが、外交問題、特に中国、韓国外交に関しては間違っていなかったと思います。
善し悪しは別として「一本芯が通っていて決してぶれなかったこと」こういう姿勢は反小泉の方も評価できる点ではないでしょうか。
曖昧戦術という、どっちつかずの態度が一番支持を失います。

安倍首相もはっきり言えばよかったのです。
「私は中国、韓国へ訪問する。ついては靖国神社には参拝しません」と。
大きな政治的、外交的戦略を持ち国益に適うと考えたうえ首相がそのように判断するならば、それはそれでよいでしょう。

国の主導者に必要なのは高度な政治的、外交的駆け引きができる能力。
時には狡猾な戦術を使えるくらいでないと国民を守れません。
安倍首相は正直で真面目な人であり過ぎたため、慰安婦問題では裏目に出てしまいました。
慰安婦問題こそ曖昧戦術でスルーすればよかったと思いますけどね。

首相が正論を言えば、一部の右よりの方たちの溜飲を下げることはできても、それが必ずしも国益に適うものではないということが慰安婦問題でいやというほどわかったと思います。

私は今でも安倍首相の中韓訪問は誰かにはめられたと思っているのですがどうでしょう。
安倍首相にだって野心はあるし、小泉さんにできなかったことをやって見せたいという気持ちがあったと思うんです。
そういう心理を誰かに利用されたんじゃないかと。

今日、安倍首相はインド、マレーシアなど三カ国歴訪に出発されましたけど、インドでは極東国際軍事裁判(東京裁判)でA級戦犯の無罪を主張したパール判事の長男と面会するそうですね。
安倍さん、また歴史問題に踏み込んで変なこと言わないかと心配なんですが・・・

でも阿比留記者のこの記事によると、小泉さんが平成17年4月にインドを訪問した際に行った演説で、<<「東京裁判でのパール判事の真摯な姿勢や、ネール首相から贈られた象は、両国の友好の象徴として今日でも多くの日本人の心に刻まれている」と述べた。パール判事は極東国際軍事裁判(東京裁判)で連合国が一方的に裁く裁判のあり方を批判して日本無罪論を展開した。インド初代首相のネールは、占領下の東京・上野動物園にまな娘の名前をつけたインド象「インディラ」を贈っている。こうしたエピソードに触れながら首相は親近感を込めて「アジアにはインドという日本の友がいる」と強調した。>>とありますから、小泉さんも東京裁判には触れてるんですね。
小泉さんと安倍さんのキャラの違いといってしまえばそれまでなんですが、「中国などを刺激する可能性もある」なんて時事通信に事前に突っ込みを入れられるなんて、安倍さんもなめられてるのかな。

首相に文句つけるようなことは、美しい国の美しい国民がすることじゃないらしいのでこの辺でやめておきます。

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2007年8月17日 (金)

ネット利用でテレビ離れ加速

テレビ利用者3割超減 その理由は?

ブロードバンドの普及で、テレビ離れが加速する――。そんな構図が出版社インプレスが発表した「インターネット白書2007」で改めて浮き彫りになった。ネットを利用する時間が長くなり、動画を検索して楽しむスタイルも定着し始めている。(アサヒ・コム編集部)
この白書は、財団法人インターネット協会が監修し、インプレスが毎年発表している。インターネットで4月にアンケートをおこない、5728の有効回答を得た。
 それによると、インターネットの利用でテレビの視聴時間が減ったと答えた人は36.9%と、メディアの中で減少率が最も大きかった。雑誌は29.1%、新聞は24.3%だった。 (中略)
 ネットの1日の利用時間についてきくと、全体で最も多いのは、1時間~3時間未満で、38.3%。20~40代の男性では、約半数が1日3時間以上ネットを利用している。
 また、テレビとネットの利用時間を比べると、1~3時間未満は、ネット38.3%、テレビ46.2%と、テレビが優勢だが、3~5時間未満では、ネット23.2%、テレビ18.6%と逆転する。
 ブロードバンドの普及で動画投稿サイトなどの利用者は増加の一途だ。(以下略)
(asahi.com コミミ口コミ2007年08月16日)

地上波TVの視聴時間については、私も年々減る一方です。
ドラマやバラエティー番組は元々見ていなかったのですが、最近は好きだった報道番組やニュースまで見なくなってしまいました。ニュースの速報性や記事の比較、分析に関してはネットが断然優位です。

既存メディアが偏向していることや、誤報を訂正しないなどメディアの傲慢な体質は以前から指摘されていたことで、以前はそれを承知で批判しながらも見ていたのですが、最近はそれさえもバカらしくなって見ること自体やめてしまいました。

地上波の代わりに有料のCS放送は割りと見ます。
CSを契約したきっかけは、地上波では流れないノーカットの記者会見を見たかったこと。
そのために、当初はCSといってもドラマはほとんど見ていなくて、報道番組ばかり見ていました。
最近は、ネットでも一部ノーカット版記者会見が配信されていますし、大臣の会見録も公開されているのでネットで十分かもしれませんね。

ドラマに関して言えば、脚本家の問題があると思います。
最近のドラマの原作は漫画が多く、脚本家が原作に合わせた脚本しか書けなくなっていることも一つの問題ではないでしょうか。
漫画は確かに面白いし、視聴率命のTVの世界では安易に漫画に頼りたくなるのもわかりますが、長い目で見るとオリジナルの脚本を書ける脚本家が育たないということになります。

以前のエントリで、「ハケンの品格」の中園ミホ氏について書いたことがありますが、彼女はドラマの企画が通るまで、何十回も地道な取材を重ねています。こういう脚本家は少数派になっていくのでしょうか。
CSで昔のドラマや映画を見ていると、味わい深い作品が多いので、よけいにそう思ってしまいます。

芸能ワイドショーに関しては、芸能人側の意識の変化も大きいです。
結婚、離婚、出産など芸能人自身にとって重大な出来事は、今では自分のHPやブログで第一報を流してしまいます。これでは芸能レポーターの面目まるつぶれですし、芸能ワイドショーの衰退も仕方ないといったところです。
以前はワイドショーレポーターとして有名だった方が、記者証をつけ国会の廊下で政治ネタを取材しているのですから時代も変わりました。

ドラマもバラエティー番組も、瞬間視聴率を稼ぐことばかり考えていると、どんどん質が落ちていくような気がします。

ネットの世界に逃げられた視聴者をTVに取り戻すには、製作側はとにかく誠実な番組作りを心がけて欲しいこと。
報道番組やニュースに関しては公正性を、ドラマに関しては質の向上を求めます。

無理でしょうけど・・・

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2007年8月15日 (水)

武道館の式典は問題なし?

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今日午前、小泉前総理が靖国神社を参拝しました。

小泉前総理の靖国参拝は、マスコミ的には微妙な取り扱いなんでしょう。まったくマスコミのご都合主義には呆れます。





◇「小泉さんの靖国参拝はけしからん」という意見を報道すればするほど、逆に「閣僚(高市氏除く)が参拝を控えた安倍内閣の対応は適切であった」と肯定することになる。

◇「小泉さんはちゃんと靖国参拝したのに安倍首相は参拝しないなんて情けない」という意見はマスコミ的には流すことができない。なぜか?
「首相は靖国参拝をしなければならない」という前提条件のもと成り立つことだから。

結局、安倍首相が参拝するしないにかかわらず、安倍叩きをしたいマスコミにとって、小泉さんの靖国参拝を大きく報道することはマスコミにとってマイナスの側面が大きい。
去年あれだけ大騒ぎしたというのに静かなものですね。

靖国問題がマスコミで騒がしくなった頃から毎年不思議に思うことがあります。
終戦記念日に日本武道館で行われる『全国戦没者追悼式』には、天皇陛下をはじめ、首相や閣僚、さらには民主党の代表も参加しています。(今年は小沢代表が出席されていたかどうかはわかりませんが)
この追悼式で慰霊される対象の中には、いわゆるA級戦犯も含まれていると考えられています。(含まれていないとの論拠は聞いたことがないのでそう思っているのですが)
この事実になぜ中国やマスコミは突っ込まないのでしょうか。
A級戦犯を慰霊する事がダメだというのなら、この追悼式も中止しなければならないと考えられますがいかがでしょうか。

この追悼式に戦犯とされた人々が含まれていると言う論拠は以下の通りです。

<< 昭和28年に戦犯の赦免に関する決議が国会で、社会党や共産党まで含めて一人の反対もなく決議された。そして国際的にも、サンフランシスコ講和条約第11条にもとづき関係11ヶ国の同意を得て、A級戦犯は昭和31年に、BC級戦犯は昭和33年までに赦免し釈放された。
これによりA級戦犯は名誉回復され、『国内法では戦犯ではなくなっている』。
これは平成17年10月25日、政府は閣議において、民主党の野田佳彦国対委員長の質問主意書に対する答弁書において改めて明らかにされています。
答弁書は「(極東国際軍事裁判所やその他の連合国戦争犯罪法廷が科した)刑は、わが国の国内法に基づいて言い渡された刑ではない」と指摘。A、B、C各級の「戦犯」は、国内では戦争犯罪人とはいえないことを明確にした。
また、答弁書は首相の靖国参拝に関し、「戦没者の追悼を目的とする参拝であることを公にするとともに、神道儀式によることなく、宗教上の目的によるものでないことが外観上も明らかである場合は、憲法二〇条三項の禁じる国の宗教的活動に当たることはない」との見解を改めて表明した。>>

と、靖国参拝は何の問題もないと政府の公式見解が出ているわけですね。これ、民主党からの質問主意書に答えているというところに注目です。

『全国戦没者追悼式』は天皇皇后両陛下のご臨席のもと挙行されている式典です。国内の式典ですから、当然「国内法では戦犯ではなくなっている方々」を慰霊してもよいはず。
もし、天皇陛下のご臨席に中国が突っ込みを入れれば、日本国民の大多数を中国の敵にまわしかねません。中国政府にとってそれは望むところではなく、A級戦犯に関しては「靖国カード」のみを「政治カード」として使いたいという勝手な都合があるわけです。

それ故靖国については、中国は非公式に総理・外相・官房長官の参拝以外は文句を言わないとしています。これは暗に陛下の御親拝には文句を言わないということなのでしょうか。
中国としては天皇陛下にかかわることについては、非常に悩ましい行動をとらざるを得ないわけですね。

A級戦犯云々とおっしゃる方々に、『全国戦没者追悼式』で慰霊する御霊の中にA級戦犯が含まれているのか否かお聞きしたいです。是非マスコミの皆さんにはこの問題にツッコミを入れていただきたいです。

ところで、こちらの記事によると、小泉さんの参拝について、「小泉氏の個人的心情が第1だろうが、一部新聞で前打ちさせ、テレビカメラの前で参拝したことは政治的存在感を示す狙いがある」と書かれています。

小泉さんは現在は党役員でもないので、マスコミには知らせずに参拝してもよかったと思うのですが、前打ちしたということは、何らかの意思表示をしたかったのでは。
記者の質問に答えず無言で去って行っただけに、よけいに想像力を掻き立てられます。

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2007年8月12日 (日)

単純比較の愚かさ

Sengo

書 名:戦後のタブーを清算するドイツ
著 者:三好範英
発行者:亜紀書房
発行日:2004年3月25日

この本、3年前に読んだのですが、いつか紹介しようと思っていました。
終戦記念日も近いので、戦後を考えるという意味でこの本を紹介します。
戦後補償に関して日本はよくドイツと比較されますが、そのことに関する書籍やマスコミ報道は、ほとんどといってよいくらい「ドイツは謝罪も補償もしたが日本はしていない」論。
Aと比べてBは云々、と物事を比較するのが好きな国民性も影響しているのかもしれませんが、「日本は日本、ドイツはドイツ」と堂々と自国の立場を主張する論がほとんど見当たらない国というのも珍しいのではないでしょうか。
その結果が、戦後62年を迎えたというのに、未だに日本では慰安婦問題等で謝罪と補償を求められているということに繋がっているんでしょう。
(ここで言っている補償という言葉には、大きな概念としての「国家補償」の中に「国家賠償」と「損失補償」があるという関係で使っています)

実際、「ドイツに比べ日本は謝罪に不誠実で、反省が足りない」と、確たる証拠もないまま、なぜかドイツに劣等感を持っている国民も多いと思います。
しかし、「本当にドイツは謝罪も補償もしたのか?」という視点に立って考えてみようとする国民もあまりいませんし、マスコミに関しては期待する方が無理という状態。
ネットや保守系のオピニオン誌ではこの問題に関して詳しく検証している方々がいらっしゃいますが、なかなか一般の人たちに知れ渡るというところまでには至りません。

私も実際にこの本を読むまでは、戦後補償に関しての知識はほとんど無かったので驚くような記述がたくさんありました。
著者は現地ドイツでの取材で、これまで表に出なかったタブーとされる側面に切り込んでいます。今後もこういう本はなかなか出版されないと思うので貴重です。
すべての内容をここで紹介することはできませんので、特に重要な点を二つ書きます。

1.日本とドイツの戦後を同じ条件で比較しようとする誤り。

2.三つに分かれるドイツ戦後補償の枠組み。
 ①「戦争犠牲者扶養法」
 ②「連邦補償法」(1956年)や政府間協定
 ③ 戦争捕虜、資産の損失など、ドイツによる戦争行為で損害を受けた他国の人びとへの補償で、戦争状態が終了した後、賠償問題として処理されるもの。ドイツの戦後補償で中心となる法的枠組み。

1について

ニュルンベルク裁判と東京裁判において、連合国は裁判所条例により、「平和に対する罪」「人道に対する罪」「通常の戦争犯罪」という三つの訴因を定めました。前二者はそれまでの国際法にない概念です。
ここで重要なのは、日本側に対しては、ナチス・ドイツがユダヤ人におこなったジェノサイドは日本とは無縁であるとして、「人道に対する罪」を有罪の訴因とする処罰が行われなかったことです。
逆に言えば、もし今、過去の日本が「人道に対する罪」を犯していたことが判明したなら、ためらわずに補償を行わなければならないということですね。

地政学的条件も日本とは異なります。
ドイツは欧州の中央に位置し、天然の障壁がなく、古来、さまざまな民族の攻防や、過酷な戦争にもさらされた土地に成立した国家です。軍事に対するリアリズムのあり様は、四方を海に囲まれるなど恵まれた地理的条件で育まれた、日本の安全保障観とは異なります。

ドイツにとって大きな転換点になったのは、1954年にNATOという軍事同盟にドイツ連邦が組み込まれる形で、ドイツの再軍備が実現したことです。これまで共同軍事演習などを通じ、周辺諸国との間で繰りかえし信頼醸成をはかってきました。
またNATO自体も、戦後の欧州平和を保った安全保障機構として、ドイツ国民、欧州諸国民の信頼を得ていたことも、NATOの枠内でのドイツの国際貢献拡大に安心感を与えたといえます。

ドイツの国際貢献を周辺国が容認しているのは、端的にいえば、それが欧州の安定に資し、国益に合致すると、周辺国がみているからです。ドイツもそれに答え、政治、軍事、文化など、多方面な、幾重もの信頼醸成の努力を進めています。
日本の軍事的な国際貢献を周辺諸国が容認しますか?

そして、経済的な事情もあります。
ドイツは戦後近隣諸国との貿易で復興を図らねばならなかったため、近隣諸国との戦後処理こそ最も重要な政策だったと考えられます。一方、日本は米国から西側陣営の一翼と明確に位置付けられ、経済復興を優先した対日政策が行われたため、近隣諸国をそれほど意識せずにすんだという事情があります。
近年、日本も貿易の軸が米国から中国などのアジアにシフトしてきたので、それらの国々との関係で摩擦が生じていると考えられます。

2について
通常、対外的な戦後処理は、戦争状態終結後、平和条約を結び、敗戦国は戦勝国に対し賠償金を支払い、互いにそれ以上の請求権は放棄して解決します。
ドイツは戦後長く分断状態を余儀なくされ、戦争を遂行したナチス・ドイツの国家としての継承は、ドイツ統一まで持ち越されたため、③の枠組みでドイツの戦後処理を行うことができず、②の枠組みで補償するしかなかったという特殊事情がありました。

②はナチスによるホロコーストなど歴史的にもきわめて特殊な犯罪行為に対する償いであり、あくまで例外的な補償の枠組みだということです。
③の枠組みは通常の国際法の考え方に沿ったものなので、この補償はドイツ再統一が実現し、平和条約が締結されるのにともない解決されるべきものとされました。

1990年ドイツ再統一により、同年、米、ソ連、英、仏の第二次大戦戦勝四大国が「ドイツに関する最終規定条約」(いわゆる二+四条約)を締結しました。
実はこの「二+四条約」が問題なのです。この条約の性格は非常に曖昧で、連合国である米、ソ連、英、仏との平和条約ではないし、賠償についての具体的な取り決めがなされているわけではないのです。

ドイツは40カ国以上もの国と戦争状態にあったので、本来ならばドイツ統一後、日本と同様それらの国と個別に平和条約を結び、賠償もしなければならなかったのですが、ドイツ統一があまりに急な革命的な経緯をたどったために、「二+四条約」は国境問題という元々簡単な、すぐに解決できる問題しか処理しなかったのです。

本来ならば、ドイツは統一後直ちに交戦国と条約を結び、少なくとも賠償に関しては「二+四条約」が平和条約に該当する、と明記しておくべきでしたが、それは実現せず、ドイツ政府は「二+四条約」の調印の際に、『どの国もドイツに対して賠償問題を持ち出さず沈黙していたことを盾に、戦後賠償は終了している』という曖昧な立場をとっているのです。

「二+四条約」は平和条約ではないのです。そのため賠償に関する言及は一切ないので、これ以上の賠償や、補償要求がもち出されないという100%の保証はありません。
ただし、今のところ、国際社会からドイツの見解に対し強い異議は出されていないということで賠償は終了しているという立場をとっているに過ぎないのです。
要は『賠償は終了していない』のです。

「時間の経過」ということが日本を不利にしています。
ドイツにとっての本当の終戦は、ドイツ統一まで持ち越されていました。ドイツは統一まで多くの賠償問題が留保されていた為、近年になって様々な賠償問題に手をつけ始めたといってもよいです。

一方日本は半世紀以上も前に終戦を迎え、その直後から誠実に賠償問題を処理し完了しました。日本の戦後賠償があまりにも昔に完了してしまった為に、人びとの記憶から忘れ去られ、逆にドイツの賠償ばかりが目立っているだけなんですね。しかも、その賠償というのはナチスによるホロコーストに対するものが大部分なんですけどね。
現在の日本は経済大国かもしれませんが、50年前の日本は大変貧しかった。私たち日本人がゼロから出発し、一生懸命働いて賠償要求に応じてきたという事実を忘れてはいけないのです。
~~~~~~~~~~~
ここまで書いてきてすごく長くなってしまいました。本当はもっともっと驚くような話が沢山載っているのですが紹介し切れません。あと一つだけ「イェドワブネ村虐殺事件」について書きます。
これは、ポーランド北東部イェドワブネ村で起こったユダヤ人虐殺事件のことで、近年までナチス・ドイツの犯罪だとされてきましたが、実は犯人はポーランド人だったのです。

2000年、在米ポーランド人の社会学者ヤン・グロス氏が『隣人たち』という本を出版し、生き残った同村のユダヤ人の証言などを元に、この虐殺にドイツ人は直接は関与しておらずポーランド人自身によるものだった、と指摘したのです。翌年、ポーランドの大統領は正式に謝罪しています。
その背景にはとても複雑な事情があるのですが、日本だったらどうなんでしょう。そもそも事実を検証する学者がいませんね。たとえ事実であることが判明しても近隣諸国が日本に対して謝罪することなど考えられるでしょうか。

人びとは、ユダヤ人の虐殺=ナチス・ドイツの犯罪という先入観にとらわれ、長い間ドイツに濡れ衣を着せていたことになります。ポーランドの対ドイツ関係史は、ドイツに対する一方的な「被害者」という「神話」が形成されており、ヤン・グロス氏の調査がなかったなら、永遠に真実は明かされなかったに違いないです。
しかも、彼がポーランド人であったことも驚きですね。ポーランド側からの歴史の見直しがおこってきた背景には、やはり共産党支配から脱却したことが大きいでしょう。
日本のお隣の国も、共産党支配が終わるまで建設的な話し合いなど行われないのでしょうね。

少しだけしか内容を紹介できませんでしたが、まったく前提条件の異なる日本とドイツを、単純比較することの愚かさをわかっていただければ幸いです。

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2007年8月11日 (土)

難しい問題

全閣僚が終戦記念日に靖国参拝せず、首相も行わない方向

安倍内閣の全閣僚が8月15日の終戦記念日に靖国神社を参拝しないことが、10日の閣議後の記者会見などで明らかになった。
安倍首相は参拝について「するともしないとも言わない」として明言を避けているが、終戦記念日の参拝は行わない方向だ。
終戦記念日に閣僚が一人も靖国神社を参拝しなかった年は少なくとも過去20年間例がなく、極めて異例だ。
塩崎官房長官は10日午前の閣議後の記者会見で、参拝しない理由について「私の信条だ」と述べた。小泉前首相の靖国神社参拝を積極的に支持してきた高市沖縄相は「安倍首相が参拝をこらえていると思うので、閣僚として(参拝を)控えようと思う」と説明した。
(goo ニュース読売新聞2007年8月10日(金)13:42)

以前、知人がこんなことを言っていました。
「靖国問題と拉致問題だけはネットに書かないほうがいいよ、もめるから」と。
確かにそうなんですよね。特に靖国問題については、とても幅広い意見があって国民の総意としての結論を出すことなど不可能です。そして、宗教や心の問題については、人それぞれの信念があるので、なかなか異なる意見を受け入れるのは困難です。

私が靖国問題についてここに書き始めたら、それこそ法的問題から歴史的問題に至るまで書くべきことが多すぎて終わらなくなりそう。それについて意見の異なる人に同意を求めるつもりはないので書きませんが、このニュースを読んだ感想など・・・

私は多くの保守派の方たちとは少し考えが違うのですが、終戦記念日の参拝にこだわる必要はないと思います。春・秋の例大祭か7月のみたままつりに行くほうが良いのではないでしょうか。確か安倍首相もそのお考えだったはず。

小泉前首相は「終戦記念日の参拝」を公約に掲げていましたから8月15日の参拝に最後までこだわらざるを得なかったと思いますが、単に「靖国神社に参拝する」という公約であったなら、また違った展開になっていたかもしれません。

中国にとって「靖国カード」という「外交カード」は非常にすぐれもので、「過去の歴史への反省」という「歴史認識」を掲げるだけで、コストをかけずに日本人を黙らせることのできる優秀なカードだったといえます。そのカードを小泉さんは5年半かけて無効にした。これは大きかったと思います。

「日本に対しては、歴史問題を終始強調し、しかも永遠に言い続けなければならない」というのが中国の日本に対する基本姿勢ですから、中国の言う歴史問題とは、政治主導の単なる外交カードの一つに過ぎないということが5年半の間に露呈されてしまいました。

私が安倍首相に対して疑問に思うのは、なぜ、このようにせっかく小泉さんが無効化した「靖国カード」を、無効化したまま継続させなかったのかということです。
安倍首相の戦略は「靖国へ行ったか、行かなかったか言わない」という「曖昧戦略」のようですが、私はこの戦略は以前から疑問に思っています。

総理就任直後の中国、韓国訪問という成果を得るためにとった戦略であるとしたら、その場では有効だったかもしれませんが、今では首相自身の手足を縛ってしまって、事実上参拝が不可能な状態になっています。その結果、首相の支持層である保守層の支持離れが起きるという皮肉な結果に・・・

こんなことなら最初から例大祭に参拝してしまえばよかったと思うんですけどね。
いや、そんなことをしたら中国との関係で、「政冷経熱」が「政冷経涼」になってしまうと、特に経済界などから反発が出たかと思いますが、私はもっと進んで「政経分離」でいいと思うのです。

アメリカ民主党は人権問題や通商関係で中国には大変厳しい態度をとっていますが、決定的に関係悪化しないのは経済的にはお互いに必要なパートナーだということがわかっているからです。
日中関係だって持ちつ持たれつな関係であるわけで、日本側が一方的に譲歩する必要はなかったと思います。政治と経済はクールに割り切れば問題ないです。

まぁ今更私がここで何だかんだと言ったところで仕方ないのですが、閣僚である皆さんは、少なくとも何らかのご自身の信念があって参拝を見送られるのだと思うので、それをできる限り明確にしていただけたらなぁと思います。『首相が行かれないのだし、参院選で大敗北したばかりだし、とりあえず参拝はやめておこう』では情けないです。

その点、麻生外務大臣は以前からご自身の考えをはっきり示していらっしゃるので、それは尊重したいと思いますね。
「靖国神社を可能な限り政治から遠ざけ(「非政治化」し)、静謐な、祈りの場所として、未来永劫保っていきたい」と宗教法人という現在の靖国神社のありかたに疑問を呈していらっしゃいます。麻生氏の提言は一考に価するものです。(麻生氏の提言については御著書『自由と繁栄の弧』をお読み下さい)

とても難しい問題ですが、昇殿参拝をして隣で涙を流しているご遺族の姿を見ると、『天皇陛下も総理大臣も閣僚も誰一人としてここで祈って下さる方がいない』という現実は、暗澹たる気持ちになります。

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2007年8月10日 (金)

民主党からクールビズ廃止提案

「参院本会議ではネクタイ着用を」=クールビズに異論-議運委員長

西岡武夫参院議院運営委員長は9日午前の理事会で、「次の国会からクールビズの申し合わせを廃棄し、本会議場、委員会室での議案審議に際してはネクタイ着用を義務化したい」と提案した。10日の同委理事会で改めて協議するが、突然の提案に各党は困惑しており、実現するかは不透明だ。
 西岡氏は提案理由について「制服を着用して国会見学する子どもがいるのに、議員がリラックスした格好をしているのはいかがなものか」と説明した。各党は「(国会内の)冷房を弱くしている中でネクタイ着用を義務付けるのはどうか」(自民党)、「参院の慣例にかかわる」(民主党)、「まとまるかどうか分からない」(公明党)と難色を示した。
(時事通信2007/08/09-12:48)

坊主憎けりゃ何とやら・・・ですね。
それにしても、まさかクールビズにケチつけてくるとは・・・
民主党も相当斜め上をいってますね。
まぁ、これは郵政選挙で民主党がボロ負けしたことに対する、ある意味自民党への意趣返しってことじゃないですか。「江戸の仇を長崎で討つ」って感じ。クールビズは自民党の象徴みたいなところがありましたからね。

民主党の一部の議員の中にはクールビズにものすごい抵抗感があるんでしょう。
郵政選挙の時は、さわやかなクールビズ姿の小泉さんに対して、岡田代表(当時)のワイシャツ腕まくり姿はものすごく暑苦しくて印象悪かったです。一部ではあのクールビズ姿の小泉自民党に負けたって言われました。

でもね、小泉憎しで「意地でもネクタイはずさないぞ!」って姿は痛々しいものがあります。日本の夏は暑いんだから無理しなくてもいいのにね。
国会見学の小学生を無理やり引き合いに出しているようですが、そもそも西岡さんはなぜ国会議員が率先してクールビズを取り入れたのか、という趣旨を理解していらっしゃるのでしょうか。

これまでも、本会議ではネクタイと上着着用という取り決めをしているのだから、失礼な対応をしていたとは思えません。これからは委員会審議でもキチンとしろ、ということなんでしょうけど、国会の冷暖房費がどれくらいかかっているのか西岡さんはわかっていてこの発言をしているんでしょうか。1回本会議を開くだけでものすごい費用がかかるようですよ。

私はたまに本会議なんかを傍聴することがあるんですが、あの広い空間をくまなく冷やしたり暖めたりするのは、すごい費用がかかるんだろうなと思います。本会議場の高さなんて普通の建物の4階分くらいの高さがあるんじゃないかな。

それでも本会議場というのは権威のあるところですから、議場にいる方たちはTV中継のクルーにいたるまで全員スーツにネクタイ姿です。正直、中継カメラを操作している方はスーツ姿だと動きづらいだろうなと同情します。

西岡さんも議運の委員長になって、何か独自性を出したかったのだと思いますが、参院改革につながるような建設的な提案をしていただきたいです。
先日、参院副議長に就任したばかりの山東昭子氏は、首相の所信表明演説に関し「(衆参いずれかの)1カ所で行える形にできたらいい」と提案しました。
これは以前から検討すべきといわれていたことで、是非実現して欲しいのですが、例えて言えばこういったことを西岡氏に提案してもらいたかったです。

政治家ヲチが趣味の私としては、民主党が参院で第一党になったことで、民主党発の面白ネタが次から次へと出て来るのを期待する一方、政治の本筋から外れたことばかり話題になるこの国の行く末が恐ろしくもあるこの頃です。

<クールビズを止めないでほしい理由>

◇ 地球温暖化防止のためであること。夏季期間ノーネクタイ等の服装をすることでエアコンの設定温度を上げる。その結果、電力使用量が抑制されエネルギーの削減に寄与することができる。

◇ クールビズの実施期間は6月1日~9月末までの4ヶ月間。この期間は、通常国会も会期末に近く、短い臨時国会が開催される程度と、ほぼ休会期間にあたる。日本の夏は亜熱帯に近い感覚。この期間限定でクールビズを実施することは極めて妥当、かつ、効率的。

◇ 本会議場ではネクタイと上着着用となっている。委員会などではクールビズを強制しているわけではなく、ネクタイ、上着着用は個人の自由。(但し、エアコンの設定温度は下げない)クールビズが国会の権威を下げることにつながるのか?そう思うことの方が理解できない。

◇ クールビズも3年目に入り、地方自治体、民間企業に相当浸透した。今では日本を手本に外国も導入する動きがある。(今年の夏はイタリア保健省がクールビズを推奨している)国民の手本である国会議員が地球温暖化防止に逆行するような態度は誤解を与える。

◇ 極めて個人的な意見だが、議員さんたちのあの個性豊かなクールビズ姿を見られなくなるのはイヤン~てことです。

民主党ってリベラルと錯覚されているけれど、権威主義の人が多いんじゃないですか?

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2007年8月 9日 (木)

年金より郵政

<郵政民営化凍結法案>民主党、国民新党と共同で参院提出へ

民主党は8日、今年10月1日の郵政民営化を1年間凍結する「郵政民営化凍結法案」を了承した。国民新党と共同で今国会中にも参院に提出する。同法案は民営化法で10月1日と定められた施行期日を「別に法律で定める」と改正。施行を1年程度凍結する間に、郵政民営化の見直し法案づくりを進めることを想定している。
(Infoseek ニュース毎日新聞2007年8月8日11時3分)

あれだけ年金!年金!って小沢さん叫んでいましたが、選挙が終わったら年金はスルーですか、そうですか。政治とカネ問題も来年の通常国会までやらないですか、そうですか。
「国民の生活が第一」ならば、真っ先に年金のことを審議するべきじゃ・・・
あぁそうでしたね、そんなことは選挙に勝ってしまえばどうでもいいんでしたね。
結局、小沢さんが真っ先にやりたかったのは、テロ特措法の反対でもなくて、「郵政民営化凍結法案」だったのですね。国政が大混乱に陥ろうとも、北朝鮮からミサイルが飛んでこようともそんなことはどうでもいい。目的はただ一つ。自民党をぶっ壊して解散に追い込み民主党政権をつくること。
あ~あ、そんなことしたら、眠れる獅子が起きちゃうじゃないですか。
黙ってないですよ、あの方は・・・

それにしても、今となってみると、2005年秋の特別国会に再提出した「郵政民営化関連法案」で、民営化の開始時期を当初予定していた2007年4月から半年ずらし、同年10月1日からとしたのはまずかったかな。
新たな情報システムの構築が間に合わないと判断したため半年延ばしたんだけど、当初の予定通り4月に民営化されていたら、小沢さんの政争の具にされなかったと思うと悔やまれます。
Koizumi3
眠れる獅子・・・

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2007年8月 8日 (水)

政党・指導者・政策

自民代議士会などで「安倍批判」続出

自民党で7日に開かれた地域ブロック別の国会議員懇談会や代議士会で、安倍首相の参院選惨敗の責任を指摘する意見が相次いだ。一部の派閥幹部からは退陣を促す声も出ており、首相批判はなお広がる可能性がある。
7日夕の中国・四国ブロックの会合では、谷垣派事務総長の中谷元・元防衛長官が「今、党が置かれている状況は、急場しのぎではなく、抜本治療が必要だ。そのためには、信頼と求心力が不可欠で、今の首相のままでは再出発にはならない」と首相の退陣を要求した。
 高村派事務総長の村上誠一郎・元行政改革相も「最高責任者がもっと切実に反省しない限り、下の部下を替えても本当の人心一新にならない」と同調した。
(goo ニュース読売新聞2007年8月7日(火)21:35)

政治とカネ「再点検」、自民改革本部が新・党規約案を了承

自民党の党改革実行本部(本部長・石原伸晃幹事長代理)は7日、党本部で総会を開き、党所属国会議員が関係する政治団体の報告を義務づけ、あらゆる支出の点検基準や法令順守の徹底などを盛り込んだ新しい党規約案を了承した。
 9日の総務会で正式決定する。政府・自民党は、27日に予定される内閣改造・党役員人事の各議員の事前調査に活用する方針だ。
 新規約では、議員の後援会や本人、親族らが代表者を務める政治団体に関し、正式名称、事務所の住所、同居団体の有無などを党本部に報告すると定めた。
 さらに、コンプライアンス(法令順守)徹底のため、各団体の会計責任者が会計帳簿・領収書と政治資金収支報告書を照らし合わせ、二重計上、記入ミス、領収書添付漏れなどがないか、点検することを求めた。
(goo ニュース読売新聞2007年8月7日(火)20:55)

選挙の際、最も重要なのは「政党・指導者・政策」です。
自民党は昨年、選挙に勝てる顔として安倍首相を選びました。その時政策については二の次でした。
そして選挙に負けました。早速党首批判です。ここでも政策については二の次のようです。
選挙に負けた原因の一つに「政治とカネ」の問題がありました。自民党は新たな党規約案を出したようです。民間の立場から言わせてもらえば、「今までこんなことも決められていなかったの?」と驚きです。

イギリスは民主主義のお手本のように思われていますが、かつてはひどい買収が行われており政治は腐敗しきっていました。それを根絶するためにできたのが1883年の腐敗防止法です。今では選挙にかかる費用はとても小額となり、選挙費用を心配することがなくなった代わりに候補者同士、あるいは有権者と徹底的に政策を討論するようになりました。

また、イギリスは完全小選挙区制であり、マニフェストが守られ、選挙に勝利した場合の内閣構成についても明らかにしたうえで選挙戦が行われます。つまり、「この党が勝利したらこんな内閣ができてこういう政策が行われますよ」ということ。
そのため、候補者は自分の所属する党の党首や代表を批判しながら選挙戦を戦うということはまずないわけです。

日本では、森首相(当時)を批判した自民党候補者が当選したり、小泉首相(当時)の人気を利用しながらも、地元への利益誘導を唱える候補者が当選したりと、有権者にとっては投票基準に苦しむ状態です。あれだけ大騒ぎしたマニフェストも誰も読みません。

党首批判も結構ですし、党首を変えることも構いません。但し、一旦党首を決めたからには、その党首の下で最後まで徹底的に戦うことを約束して下さい。
イギリスでさえ100年以上かかって、やっと今日の制度ができたわけですから、日本が一朝一夕にイギリスのようになれるとは思いませんが、次の選挙では与野党とも「政党・指導者・政策」を明確にして選挙戦を戦って欲しいと思います。
もちろん、私達有権者の意識改革が必要であることは言うまでもありませんが・・・

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2007年8月 6日 (月)

「和」のエクササイズ

Shinsoukin
書 名:疲れない体をつくる「和」の身体作法
    能に学ぶ深層筋エクササイズ
著 者:安田 登(下掛宝生流能楽師)
発行者:祥伝社
発行日:2006年6月5日


この本、以前能楽堂の売店でタイトルが気になって買った本です。
本の帯に「能楽師は、なぜ八十歳でも現役でいられるのか?」とありますが、私もお能を観るたびに御高齢の能楽師さんは元気だなぁ、と思っていましたので、その秘密が解き明かされるのかと期待して読みました。

その秘密は「体のバランス」と「深層筋の働き」でした。
深層筋とは、体の奥の筋肉のことで、代表とされるのは大腰筋です。背中のやや下あたりから出発して大腿骨まで伸びている太くて長い筋肉です。
能楽師は稽古を通して、いつの間にか深層筋を活性化させ、体のバランスを整えているのです。

一般の人であっても仕舞を習うことによって鍛えられますが、もっと簡単に深層筋を活性化させる方法があります。それがロルフィングです。
日本ではあまり知られていませんが、ロルフィングとは1950年代にアメリカで生まれたボディワークです。手技を使うのですが、受身なのではなく、自分自身も体を動かしたり、イメージしたりするところが整体などと違うところです。

ロルフィングの目標は体のバランスを整えることで、個別の病気を治療するという目的とは異なります。緊張してしまっている筋肉をゆるめ、逆にゆるみすぎてしまっている筋肉を活性化させるのです。
具体的にどのようなエクササイズを行うかは、本書に写真・図解付で大変わかりやすく説明されています。なかなか文字で説明し難いので興味のある方はお読み下さい。

ところで、本書はいきなりロルフィングの説明に入るのではなく、その前提として、能におけるコアの心的作用である「思ひ」について、かなりの部分をさいて説明されています。
その中でとても印象に残った箇所がありました。

「初心忘るべからず」は世阿弥の言葉として有名ですね。
目から鱗状態だったのはこの「初心」の「初」の字の意味について。
この漢字は衣偏(ころもへん)と刀(かたな)から成り立っています。
「衣を刀(鋏 はさみ)で裁つ」、というのが元の意味です。

「初」とは、まっさらな生地である布に、はじめて刀(鋏)を入れることを示す漢字です。
何か新しいことを始めようとする時は何かと不安ですね。でも、そういう気持ちを抱えながらも、まっさらな布に鋏を入れるように、新たな世界に「えいっ」と飛び込む、そんな勇気ある気持ちが初心だということです。

また、世阿弥には「時々の初心」(じじのしょしん)という言葉もあります。
これは何かを始めた時の最初の気持ちだけではなく、折りあるごとに古い自分を裁ち切って、新たな自分として生まれ変わる、「その時々に初心があるのだ」という意味です。
初心は一度だけではなく、何度もあるのだということ。こんな風に考えたことなどなかったので驚きでした。
しかも著者はこのようにおっしゃっています。

―――初心とは、自分を裁ち切るわけですから、それには痛みが伴います。
今までの価値観が崩れ去り、これまで築き上げてきた地位がなくなり、ひょっとすると友人や財産までも失うかもしれない。今までの自分がガラガラと崩壊していくのを感じる。「魂の危機」を感じるかもしれない。
しかしそんな「危機」こそまさに「危険なチャンス(機会)」なのです。危機を避けていては成長はありません。自ら進んで危機を受け入れてこそ成長があります。そして、それを要求として突きつけるのが「初心」なのです。―――

う~ん、この言葉、安倍首相に捧げたくなってしまいました。

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2007年8月 5日 (日)

政治系ブログの影響力

ネット保守派と言われる人たちにとって、今回の選挙ほど世間の人たちとの考えの違いを思い知らされたことはなかったと思います。
ネット社会と現実の社会はどれほど乖離しているのか・・・
そんなことを考えた方も多かったのではないでしょうか。

特に政治分野に限ったことではないのかもしれませんが、ネット上で情報を収集している人たちは、ネットをやらない世間一般の人たちと比べて圧倒的な情報量を持っています。
昔のWEBの世界では情報提供者は一方的に情報を提供するだけで、受け手は基本的には受身でしたが、現在はブログやmixiなどのSNSといった双方向性のツールを気軽に利用できることから、受け手も即時に情報発信者になることができます。

圧倒的な情報量と情報発信者という力を得たのですから、将来はWEBジャーナリズムが既存のメディアを駆逐するんじゃないかと期待した人も多かったと思います。
しかし、現実はそうはなっていないし、なりそうもない。

それはなぜなのか、を自分の立場で考えてみると、「情報の一次ソースはほとんどが既存の大手メディアからのものであること」、「多くのブックマークされたブログはあるけれど、結局、自分の見たいものしか見ていないこと」、「ネット上で得た情報を他に広める努力をしていないこと」などがあります。

結局、ネット上の社会に留まっている限り、一つの閉ざされた世界にいるのと同じで、既存メディアに対抗するなんてとんでもないわけです。
但し、あきらめるのは早くて、まずできるところから改革をしよう、ネットの世界の中だけでも変えていこうという考えがあります。

WEBの世界というと、何かとてつもなく開かれた世界のように見えますが、実際は分野ごとに細分化された閉鎖的な小さな世界の集合体なのではないかという気がします。
例えば、政治ネタが好きな人は、同じようなサイトを巡回し、リンク先を訪れることはあっても、それは同一分野であることが多く、他分野への広がりはほとんどありません。

それぞれのサイトは独立していて、例えば趣味の音楽のサイトでは政治の話は一切しない、といったように異なる分野同士の双方向性はないわけです。(まぁそういったことをやれば嫌われちゃいますけどね)

しかし、もうそんなことを遠慮していたらまったく前に進まないじゃないか、他分野への進出も考えなければならない時期に来ているのではないかとおっしゃっているブロガーさんもいます。

「なぜ政治系ブログの影響が選挙結果に出なかったのか」ということについて、あるブログ主さまはこんなことをおっしゃっていました。(あえてリンクは貼りません)

―――政治系ブログが同一分野のなかに留まっていくら主張しても、日本社会に大きな影響を与えることはできないと考えられている。
ほかの分野に出て行って、共感者を募り、「ご新規さん」を連れてこないとダメだということだ。
もはや、政治系以外のカテゴリーに出て行くことを真剣に考える時期がきているかと思います。―――

そして別のブログ主さまは、「ブログを読んでもらう為には記事の質を高めなければいけない、そして博学であり、読ませる文章が書けること、その結果、リピーターを増やすこと」とおっしゃっています。

確かに、政治系の人気ブログは、それらの条件をすべて満たしているところが多いと思います。
そういったブログをいかに他分野の方々に読んでもらうか、そしてリピーターになってもらうかが一つのポイントですね。

私ができることといえば、ネットをめったにやらない友人に「こういったサイトを見てみたら」とメールで教えてあげることくらいしかできないのですが、それさえも政治や宗教の話題は友人間ではタブーだという日本社会の特殊性に阻まれてなかなか困難です。

外国では政治の話題も日常的にするもので、意見を表明できない方が恥ずかしいような社会です。小さい頃からディベートの訓練ができているから当たり前なんでしょうね。
日本は議論する訓練ができていないから、適切な反論にも逆切れしたり、主観でしか物事を考えられずに言い逃げ(書き逃げ)したりしてしまう。
結局、行き着くところは日本の教育ってことになるんでしょうか。
こういったことを克服しなければ、日本では政治系ブログが一般社会に影響を及ぼすということは考えにくいですね。

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2007年8月 4日 (土)

「美しい国」私も言えません

「美しい国」私も言えませんでした 世耕補佐官も苦言

「街頭では、とても『美しい国』なんて言えませんでした」。参院和歌山選挙区で当選し、1日から官邸での業務を再開した世耕弘成首相補佐官(広報担当)は、復帰早々に安倍首相に苦言を呈した。世耕氏は「美しい国づくり」国民運動の担当でもあるが、苦しい選挙戦を経て軌道修正を迫ったものだ。
 首相は、地方遊説のたびに「美しい国」をアピールし、「地域の活力なくして国の活力なし」と訴えた。だが、自民党は1人区で6勝23敗と惨敗。あまりの逆風に世耕氏は当選確定後に万歳をせず、「安倍内閣への逆風を真っ正面から受けた。有権者の声を首相にじっくり伝えたい」と語り、笑顔も見せなかった。
 世耕氏は、首相に「生活に密着した政策を打ち出し、憲法改正などとバランスを取るべきです」と進言。神妙に聴き入ったという首相は、参院選後は「美しい国」という言葉を口にしていない。
(2007年8月3日朝日新聞:2007年08月03日08時49分)

私もどうも「美しい国」っていう言葉には違和感があります。
何かこの言葉を連呼するのは、気恥ずかしいっていうか、抵抗があるっていうか、複雑な気持ち。少なくとも自分が候補者だったら言えない。首相の考えは理解できなくも無いのですが、政党のスローガンにするには曖昧模糊とした言葉で、あまりふさわしくなかったと思います。

安倍首相はかなり頑固な性格だと思うんですよ。世耕氏がいろいろアドバイスしても、結局最後は自分の考えを押し通すところがあるんじゃないかな。カメラ目線だって評判悪いのに止めようとしなかったし。

他のスローガンも提案されていたと思いますが、首相は頑として聞き入れなかったと思います。国民の感覚とズレがあるのに、どうもご自身は気がついていない様子。これまであまりに順調すぎて、政治家としての修羅場を経験していないからかもしれません。

首相が演説でよく使っていた「改革か、逆行か」「成長か、停滞か」の方がまだわかりやすかった。民主党の「国民の生活が第一」っていうのも良いとは思わないけど、「美しい国」よりは具体性があったと思います。

あまり注目されなかったニュースですが、6月にこんなことがありました。

「構造改革」消えた 骨太の方針、閣議決定

政府は19日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)が取りまとめた国の経済財政政策の基本計画である「骨太の方針2007」を閣議決定した。今回が7回目で、安倍政権では初の方針となる。併せて、安倍首相は、同方針の正式名称を従来の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」から、「経済財政改革の基本方針~『美しい国』へのシナリオ~」に変更すると発表した。
小泉純一郎前政権の“看板”であった「構造改革」の文言を無くす一方で、昨年9月の自民党総裁選際に安倍首相が政権公約として掲げた「美しい国」を副題として掲げた。(以下略)
(FujiSankei Business i. 2007/6/20)

私は、このニュースを読んだ時かなりショックを受けました。
小泉→安倍と続く「構造改革路線」は、決して間違っていないのに、なぜその象徴ともいえる「構造改革」と言う文字をはずすのか。代わりにつけた「~『美しい国』へのシナリオ~」ってどんな意味があるんだ、安倍さん何考えてるんだ、と。
記事によると、

―――7月参院選が目前に迫るなか、痛みを伴う改革を先送りする一方で、選挙対策的な項目を多数盛り込むなど、“票”を強く意識した内容となった。―――

と、選挙対策であることがありあり。何か姑息な感じがしてがっかりしましたね。
「構造改革」を推進すべき立場なのに「構造改革」の文字をはずすなんてどう考えてもおかしい。恐らく、反対意見も出たんだと思いますが、安倍首相の鶴の一声で決まっちゃったんでしょう。

首相も世耕氏の進言を受け入れて、参院選後は「美しい国」という言葉を口にしていないそうですが、実際に苦しい選挙を戦った本人からの言葉ですから重みがあります。いくら頑固な首相だといっても、このような苦言には素直に耳を傾けるべき。

首相がやりたい憲法改正などの重要案件が後回しにされて良いとは思わないけれど、今回の国民の投票行動をみれば、明らかに自分たちの生活に密着した問題の方に関心があったわけで、世耕氏の進言のように、憲法改正などとバランスを取るべきです。

首相という地位にある方は、裸の王様になりがち。言いにくい事を敢えて言ってくれる人の言葉は貴重で有り難いものです。首相の方向性は決して間違っているとは思わないので、これからは素直に耳を傾けて欲しいですね。

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2007年8月 3日 (金)

ASEANの隠し芸大会

<ASEAN>麻生外相、ちょんまげでビリー熱演 夕食会で

【マニラ大前仁】麻生太郎外相が人気の米軍式エクササイズ「ビリーズ・ブートキャンプ」に挑戦――。マニラで1日夜に開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)拡大外相会議の夕食会で、麻生外相や北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の首席代表も務める佐々江賢一郎・アジア大洋州局長らが、ちょんまげ姿でエクササイズを実演し、拍手喝采(かっさい)を浴びた。
 同夕食会は毎年、各国外交団が仮装して出し物に挑む「隠し芸大会」で有名。日本代表団は話題のダイエット法を熱演することで、国際社会の課題である「債務削減」に取り組む姿勢をアピールした。
(Yahoo!ニュース - 毎日新聞 -8月2日12時21分)

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これおなじみの隠し芸大会ですね。
ニュースで見たんですけど、全然踊っていなかったようにみえましたが・・・

あの真面目そうな佐々江局長まで出演したっていうのが驚きです。
麻生さん、確か去年は「カサブランカ」のハンフリー・ボガートをやったんですよね、トレンチコート着て。あれ結構似合ってましたよ。

田中真紀子外相(当時)がパウエル米国務長官(当時)と寸劇をやったのもよく覚えてます。かなりオーバーアクションで笑えました。
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パウエルさんは作業服を着てYMCAを歌ったこともあるし、ライス米国務長官がピアノ演奏を披露したりと、このASEANの余興は注目です。

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麻生さんも幹事長をやっていたら今頃こんなこともやってられなかったわけで、ラッキーだったかも。







やっぱり笑顔の素敵な人っていいですね♪Asou41

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2007年8月 2日 (木)

解散・総選挙の時期

「年内に衆院解散を」44%、内閣不支持63%・日経世論調査

参院選の与党惨敗を受けて日本経済新聞社が30―31日に実施した緊急世論調査で、年内の衆院解散・総選挙を求める声が44%に上った。安倍内閣の支持率は19―21日の調査から1ポイント上昇の28%だった一方、不支持は13ポイントの急上昇で63%となった。安倍晋三首相は早期の内閣改造などで態勢の立て直しを急ぐ考えだが、政権運営への視線は厳しい。
 望ましい衆院解散・総選挙の時期については「ただちに」は14%。「年内には」が最多で30%だった。「来年春には」も15%あり、「急ぐ必要はない」は29%にとどまった。自民支持層に限れば「急ぐ必要はない」が51%と首位で、「年内には」が19%で続いた。
(NIKKEI NET日経ネット:2007/08/01 23:12)

今、この種の世論調査をすればこんなもんでしょ。とにかく自民党に対する怒りが頂点に達してますからねぇ。
でも、「来年春には」と「急ぐ必要はない」を合わせても44%になるわけで、もう少し様子を見てみようという人たちも半分いるわけです。
まずは11月1日に期限切れとなるテロ対策特別措置法の秋の臨時国会での延長の行方が焦点になるでしょうね。すでに民主党の小沢代表は反対を表明していますから、参院では否決される公算が高い。安倍政権は再び衆院で再可決にもっていくのか。その際、再可決することへの国民の理解を得ることができるのか。それとも否決を受け入れるのか。否決の場合、アメリカとの同盟関係に影響はないのか、などなどいろいろ問題が・・・
一方、民主党にとってもこの問題は反対するにしても簡単じゃないです。なにしろ政権交代が目の前に迫っているのですから、責任政党として現実的に対処しなければ国民から「政権担当能力」を疑われてしまう。党内右派勢力が簡単に否決を容認するとも思えず、悩ましい展開になるんじゃないでしょうか。もし、ここで右派勢力があっさり否決に同意するようならがっかりですが。
秋の臨時国会を乗り切れたとしても、年明けの通常国会では平成20年度予算案をめぐり与野党攻防がさらに激化することは必至。予算は衆院で再可決しなくても自動成立するからいいとはいっても、予算委員会を安倍首相は乗り切ることができるのか心配です。
いずれにしても、与野党とも国民から注視されているわけで、安倍首相は国民の反応を慎重に判断しつつ解散時期を考えることになりそうですね。
☆――――――――-----

Minsyu3 政治家ヲチ好きとしては、このところ政治にマタ~リ感がないので疲れます。
マターリネタを書きたいんだけど絆創膏大臣は辞めちゃうし・・・
この先どこまで緊張した政局が続くんでしょうか。
一方、この方達は余裕ですね。
菅さんが特に。。。

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2007年8月 1日 (水)

外務大臣のスピーチ集

Asou2

書 名:自由と繁栄の弧
著 者:麻生太郎
発行者:幻冬舎
発売日:2007年6月5日

年金問題や政治とカネの問題で大騒ぎしている世間を見ていると、どうも日本はどんどん内向きに向かっているような気がします。国全体が萎縮してしまっているかのよう。
少し前までは、もう少し海の向こうに目をやる余裕があったと思うのですが、「年金がもらえなくなるかもしれない」という不安が、一気に日本人から余裕を無くしてしまいました。世界には年金どころか、日々の食料にも事欠く人々が沢山いるなんてことは、もうどうでもいいことになってしまいました。政治家も票につながらない外交問題は後回しです。

確かに、現在の政治的混乱を見ていると、私も今後日本がどのような国になっていくのだろうかと心配です。他の国のことを考えている余裕などないのもわかります。
でも、こういう時こそちょっと立ち止まって、外の世界のことを考えた方がいいんじゃないでしょうか。

「自由と繁栄の弧」、これは麻生外務大臣のスピーチ集です。
ここ一ヶ月くらいの間、毎日少しずつこの本を読んでいたのですが、これは元気で明るい気持ちにさせる本です。
麻生大臣は元来明るい方ですが、文字になったものを読んでいてもその明るさが伝わってきます。この方が外務大臣であって本当に良かったと思いました。

麻生氏は、元々スピーチが苦にならない性質とのことで、内外で数多くのスピーチを行っています。

―――外交で使う「武器」は、一にも二にも「言葉」です。―――

とご自身がおっしゃっていますが、スピーチが得意、かつ、面白いというのは、外務大臣としては最高の資質。これほど外務大臣に適した方もいないのではないでしょうか。

以下、スピーチ集の中から特に印象に残った言葉です。

―――「国対国の関係に、上下概念を持ち込まない」。それが日本である―――

―――「アジアとは、ネットワークである」―――ネットワークというのは参加者の間に上下や優劣がないからです。―――

―――「ネットワークの中にあってここの構成員は「ピア(仲間)でありますから、互いに見下すことがなければ、見上げることもありません。よく助け、また互いを伸ばし合うのみであります」―――

―――魚の釣り方は教えて差し上げましょう、と。釣具も場合によってはご提供します。でもその先、エサを見つけて魚を釣るのは、ご自分でおやりください―――というのが、わが国の援助思想なのですが、これが、「魚を与えるところまでやらないと、目の前の問題が解決しない」というような考え方と対立するのです。どちらが正しいか。生死を分かつ瀬戸際にある人たちに対するような場合を除くと、私は日本流が、長い目で見ると正しいのだと思っています。―――

―――現場で現地の人たちと一緒に汗を流し、労働の喜びそれ自体を伝道するということ。それによって、援助対象国の自立を促す、文化的土壌づくりを目指すこと。私はここに、無言であっても極めて雄弁な、日本人の思想、この際、「志操」と言ってもいいかもしれない一つの考え方が、表れていたと信じて疑いません。―――

―――現地の人々に、自ら働いて大きくなろうという気持ちがない限り、援助は単なる施しに堕してしまうと、我々はそう考えてきました。―――

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日本流の労働倫理を間接的に広めていくこと。
それが援助哲学の核心であり、日本のソフトパワー。
簡単に言えば「ODA 情けは他人のためならず」ってことでしょうか。
欧米や最近の中国の援助はカンフル剤のように即効性はあるけれど持続性は無い。
相手に与えすぎてしまうと自立する力が弱まってしまう。
日本の援助は時間はかかるが結果的に相手国のためになり感謝される。
しかし、時間のかかることを評価してもらうことは難しいのですね。

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